トルデジアン(Tor des Geants)にいってきたよ:準備編 ≪ 高瀬治夫≫

2024 TOR330 report: プロローグ~準備編

トレラン歴4年、50代半ば過ぎの普通のおじさんが、憧れのTor des Geantsに挑戦してきました! (以下「トルデジアン」または「TOR」と書きます)

世界最大のトレランの祭典であるUTMBが終わった9月上旬、同じ山域であるモンブランの南側、イタリア北部のアオスタ自治州で開催される大会。メインの330Kカテゴリーがトルデジアン(直訳で”巨人の旅”)とネーミングされる世界一有名(個人的見解)な200mileのレースです。トレラン専門店Trippersのブログを覗いている方ならご存じの方も多いかと思います。

で、いきなり結果を白状しますが、今回初挑戦の私の旅は半分強(手元計測220k)で関門DNFとなり終焉 (T_T)/~~~

完走できなかったので、このようなブログに偉そうにあーだこーだ書くには余りに気恥ずかしく、店長に遠回しに相談したのですが、”どうしても”ということなので、失敗談を交えて敢えて書くことにしました。

この大会に興味を持っている方、はたまたこのブログで興味を持って頂いた方の今後のチャレンジの参考になると嬉しいです

「他人の失敗(不幸)は蜜の味」…は科学的に証明されておりますので、成功体験よりも参考になることが多いかもしれません。

目次

  1. 参戦経緯
  2. about トルデジアン
  3. TORに向けた練習
  4. ギア類
  5. 航空券、宿の手配
  6. いざ現地へ

1.参戦経緯

そもそもTORに興味を持ったのは、トレランを始めた初期に知り合い、その後もずっと山の遊び方を教えて貰っている先輩のTKD氏の影響に他なりません。現在60代に差し掛かったTKD氏は50代前半でTORを完走しており、折に触れ話を聞いてきたので只々凄いなぁ と。

とは言え、余りにも壮大な大会ですし、時代はコロナ禍まっただ中、海外レースなど想像も出来ず、“いつか”出られたらいいなという良くある憧れでしかありませんでした。

また、一昨年末Team Trippers(以下「チートリ」)の加入審査をパスし、知り合ったチートリナビゲーターのMKT&MRT夫妻が新婚旅行でお二人揃ってTORを完走したと云うじゃありませんか(凄い (゜o゜))。俄然、自分の中のTORメーターが動き始めます。

チートリナビゲーター“MKT(左)&MRT(中央)”と TORスタート当日朝、ホテルの朝食会場にて。
私(右)は数時間後にスタートも、このときまさか完走出来ないなどと微塵も思っていない
二人はこの2日後、来年のTOR出走権を確保するためにTOR130へ出走し完走。さすがチートリナビゲーター!

50代も半ばを過ぎると色々と想うところもあり、周りからも言われることが多くなるのですが、「当たり前に明日が来ると思うな」とか、「いつかはない」という類の話。全くその通りで、自分の人生で一番若いのは今であり、哺乳類は遺伝子の老化プログラムに抗えないことからも、興味があって後悔したくないなら即刻動くべき。いつかそのうちとか云っていたら一体いつになるのか...

で、昨年末のチートリ忘年会にて“来年の抱負”として「トルデジアンに出たい」と宣言した(誰も覚えていないだろうが)。そう確か“出たい”と言った。失言だ... 正しくは“完走したい”であったが後の祭り (-_-;) ...既に伏線回収スミ

ということで今年2月1日のエントリー初日にポチりました。ポチるだけで€10取られて焦ったけど、覚悟を決める経費でしょうか。26年間も国内に引き籠っていた身としてはこれだけでも相当のハードルを越えた気分。

そもそもTORの出走権は純粋な抽選なのです。倍率は毎年概ね2倍、なので気になっているなら先ずはエントリーしないことには何も始まりません。

確率的に3年連続エントリーすればほぼ当選する仕組みのようですが、私の場合は一発当選で色々と油断してました。参加費用もエントリーしてから知ったので相当焦りましたが、当選してお金を払わないとその後極めて当選しにくくなるとかいう噂。家族への根回しなど一切していなかったので、参加費用15万円のイタリアのトレラン大会に出て良いかの交渉は痺れました。憧れはしていたものの細かいことは何にも知らずに勢いでのエントリー&当選でした。

因みに2024年は€900(約15万円)でした、前年は€850、前述のTKD氏参加の頃は€450とか€500位だったとか。ここでも値上げ嵐は激しいものの、どなたに聞いてもその価値は十分にあるとのこと。私も途中DNFだったけど確かにそう思います。参加ランナー数の3倍以上のボランティアによるホスピタリティ6泊7日壮大なアオスタの山々で遊び放題山小屋使い放題、食べ放題、飲み放題... 価値観は違えどこう考えれば妥当かな。あと当然だけど、ここでの経験はプライスレス!

2.about トルデジアン

参加費用も知らずにエントリーしており恥ずかしい限りですが、トルデジアンとはどんなレースか。有名なUTMB(モンブランを挟んで北側のシャモニースタート)を比較対象に主観的に纏めてみました。(UTMBはあまり詳しくなくてザックリとした内容につきご容赦を)

Tor des Geants(トルデジアン)UTMB(詳しくないのでザックリ)
スタート・ゴールイタリア・クールマイヨールフランス・シャモニー
(クールマイヨールは中間地点)
距離約340km (毎年前後する)約175km
累積標高約28,000m ( 同上 )約10,000m
最高標高3,294m (Col Loson)
※最低標高は322m(LB3-Donnas)
約2,500m
制限時間150時間(6日と6時間)
日曜日スタート、土曜日ゴール(6泊7日)
46.5時間
参加者数約1,200人(2024年実績、うち日本人は60名)
※定員は1,100人
約2,300人
参加費用€900(2024年度、前年は€850)€398(2024年度、前年は€305)
開催時期9月の第二週8月最終週
参加資格20歳以上(つまり誰でもOK!ストーン保持者、UTMBインデックス...
エントリー2月上旬~中旬(2024年は2/1~14)
エントリー時に€10必要
12月上旬~中旬
抽選結果2月末(落選した場合、翌年から
2倍、4倍、8倍と当選確率が上がる...らしい)
1月上旬
1回で登る平均的な標高差1,200~1,500m(最大2,000m程度)
⇒が15本くらい
※下りも似たような雰囲気、30km下りぱなしとか
700m~900m
ライフベース(LB)約50km毎にLBという巨大エイドが6か所
あり、大会デポバックが選手に合わせて
LBを移動
LBにはベッド(コット)、食事、シャワ
ー、マッサージ、テーピングのサービス
が充実
※食事は後半のLBほど評判が良いらしい
 飲めるならビールもワインも飲み放題
山小屋コース上にある山小屋は基本的に利用
(仮眠)可
特にコース後半は山小屋がエイドとなっ
ている
コースの特徴日本とは違いピークには行かない
ひたすらコル(峠)を巡る(ピークの険
しさ故?)
石、岩、硬い土中心で脚にやさしくない
コースマーキング一部牛に食べられたり、倒れたりしてる
がコースマーキングはかなり丁寧で、夜
も分り易い
GPXデータの提供もあるため、
普通(※)ならロストの心配はない  
※普通で居続けられればの話
日の出・日没大会時期の日の出は07:00頃、20:00頃
まで明るい
⇒夜間走は11時間前後となる計算
時差マイナス7時間(パリオリンピックと同じ)
季節もう秋:
日1日秋が進行し、レースが進んだ後半
ほど天候が荒れる傾向で、普通に雪が
降るし路面は凍る
2,500m~3,300mのコルは基本突風
但し、日中は日が出れば暑いし、森林
限界低いため逃げ場なし。熱中症と低
体温症のリスクは常にあるので暑さ寒
さ両方の対策が必須
ぎりぎり夏(知らんけど)
景色ずっと絶景
※TORとMB双方出走経験がある方の話
ではTORの圧勝とか(人伝の主観)
(参加経験者に聞いてみてください)

以上、約340kmの行程を、途中の関門に注意しつつ、用意した(または与えられた)アイテムを駆使しながら制限時間150時間を有効に利用して走破するゲームみたいなものです。

6か所あるLBをどのように使いどれ位滞在するか、デポバックには何を入れるのか、どれ位睡眠時間を確保するのか、どこで寝るのか、食事や補給をどうするか。山小屋も活用できる。 トラブルや想定外の事態への対応力も求められる... それらを上手く司るメンタル要素も重要...などなど簡単にはクリアさせてもらえません。(自分の場合、睡眠マネジメントが全く機能しませんでした(>_<))

トップ選手は別として自分のような一般人は殆ど走りません。メインは歩きです。一気に340km進軍する必要もありません。LBや山小屋で休憩や睡眠をとりながら進みますので途中で脚も体力ゲージも回復します。(DNF時にガーミンは220キロを指してましたが、肉体的な疲労感は然程感じませんでした。100mileレース完走時の方が余程疲れてた)

走力や体力というよりも、レースのマネジメント力が一番の肝になります。

それにしても、抽選に当たれば誰でも出られるって凄いですよね。€900もする大会ですから、距離が300キロ以上もあることを知らなかったなんて人はいないと思いますが、「ポイントが...」とか「石が...」とか気にする必要もなく、門戸が開かれているというのは日本では考えられないですね。出たいと思えば、即申し込めるのです!

左:TORのエレベーションマップ。日本では考えられないデカい山をひたすら登り、ひたすら下るを繰り返す。ギザギザしたところを登ったり下ったりを繰り返すようなパートはあまりない。逆に30km下りっぱなしとかある 右:アオスタ州のマップ、黄色がTORのルートでアオスタを山で繋いで一周する。東京都一周と似たような距離だとか。モンテビアンコ(モンブラン)、グランパラディッソ、モンテローザ、モンテチェルビーノ(マッターホルン)という4000m級の山々を眺めながら

3.TORに向けた練習

歩き方の矯正

かの有名な“あしラボ”に行ってフォームチェックするチートリ企画が昨年10月にあり、それをきっかけに3か月に2回程度のペースで通い始める。以前から興味はあったものの、やや敷居が高く躊躇していたので渡りに舟。MKT&MRTここでもありがとう。

もともと、長い距離を活動すると右脚の腸脛靭帯とアキレス腱が痛くなる傾向にあり、ロングトレイルをやるには何とかしたかった。100mileは何とかだませても、倍の200mile挑戦には最大のネックだった。あしラボ小野寺先生に相談したところ「歩き方が全くもってなっていない」とのご指摘をもらい矯正開始。走る以前に歩き方を治すところから始めないと意味がない(走っても仕方がない)趣旨のことを言われるwww

ひたすら歩く練習を開始し、春先位からは長時間・長距離の活動をしても懸念箇所が疼くこともなくなり、シューズの右の偏った擦り減りが解消されるようになる。どん臭いので目に見えてフォームが改善とか分からなかったけど、今年7月には初めて先生に歩き方を褒められた。(翌月にはまた退化したが...)

練習の一例としては、一回50km程を休憩なしで、教えてもらった歩き方で歩き続ける練習。所要時間9時間位かかるし、走ったほうがよっぽど楽なのだが、そこはただひたすら歩きメンタルも鍛える(3回しかやらなかったけど(/_;))。あとは普段の歩きにも意識して取り入れ。

※おかげでか、今回のレース中もレース後も懸念箇所は無事(但し200Km強でDNFしてますが(/_;))

お山

①活動時間 ②獲得標高(目標6月25,000m 7月30,000m 8月20,000m) ③一発の獲得標高が1,000m以上の登り&長い下り ④2,000m超で高地順応 を意識した山行を模索

②は今回サポートツアーでお世話になり前年完走経験があるルクタスの久保さんのアドバイス、③はあしラボ小野寺先生のアドバイスで体にD+1,000の感覚を覚えさせる練習。実際に行った山行の例は次の通りで殆どがソロ。トレーニングと割り切って山に入る時は自分はソロでないと難しい。

内容距離獲得標高目的
丹沢大倉バス停⇔三ノ塔ピストン×448kmD+4000①②③
南ア夜叉神峠⇔鳳凰三山ピストン×250kmD+4300①②③④
南ア白峰三山逆走北岳肩の小屋泊25kmD+3200①②③④
南ア嵐の北岳ピストン⇔広河原14kmD+1800②③④
奥多摩石尾根ピストン43kmD+2700①②③(④)
奥多摩ハセツネコースを24時間かけて逆走73kmD+4700①②

感想としては、西東京エリア在住だと鳳凰三山2ピストンがTORの練習には一番バランスが取れていると思うが、アクセスと天候という課題はある。ベースの夜叉神ヒュッテがクールマイヨールより少し(100m位)標高高く、観音岳の2800mクラスの標高がTORの平均的なコルの標高に近く、樹林帯を抜けて岩場を進む雰囲気もいい感じ(砂浜は別として)。一回のD+も1200m位になり、二往復すると丁度TORの平均的なLB間のボリュームに近い。

小野寺先生ご推奨の三の塔ピストンもかなりTORの練習に相応しい環境。標高が低くて暑いのと丹沢名物のヒルの巣窟であるのが難点。但し西東京エリア在住の自分でもアクセスが良いので、練習環境としては申し分ない。一回で丁度D+1000を4往復というメンタルも鍛えられる。

残念ながらハセツネコースはちょっと違った。

テーパリング中のレース前週にあたる週末は、車で麦草峠まで行って寝て高地順応しようと画策していたが、ノロノロ台風もあって断念している。

頑張って高地順応したわけではないが、レース中に高山病系で苦労することはなかったのでこの程度でも十分効果があったのだろうか。3000mの1泊が効いたか。(気が付いてないだけかもしれない、またクドイがDNFだし(/_;))

トレミ

会社員で平日仕事の毎日を送っているため、山に行けるのは基本的には週末のみ。台風が来ることもある。ソロ以外の仲間との山行ともなれば複雑な事情も絡んでくるから予定通りにならないことも多い。

ということで、手軽に活用できるジムのトレミをフル活用して足りない部分を補う作戦に。前年度大会完走者の雑誌記事でトレミで練習した内容を読んだこともあり参考にした。トレミなんかで効果あるのか?とか、全く下りの練習にはならないしなぁ...とずっと思っていたけど、やらないよりはよっぽどマシと思いこんだ。

マイルールは1回D+1000...これも相当メンタル鍛えられる。

結果的に次のような練習量に

  • 6月 94時間 D+29,800m (内、トレミ16,600m
  • 7月 63時間 D+31,200m (内、トレミ24,000m
  • 8月 50時間 D+19,500m (内、トレミ 9,600m) ←8月後半はテーパリング期間

あくまでも個人的感想だが、トレミトレーニングは登りに十分効果がある。レース中の登りがいつになくマイペースで進み続けることができた(半分強でDNFですが...クドイ)。今後も続けようと思った。

反省

結局最後まで下りの練習をろくにせずに本番に臨んでしまった。登りばかり鍛えてバランスが悪かったように思う。結果的に本番で筋肉ではなく「爪」のほうに甚大なダメージを蓄積させてしまい、かなり早い段階から下れなくなりヨチヨチ歩きとなってしまった...

最近は爪を痛めることが殆どなかったため完全に油断していた。

4.ギア類 他

  1. ザック エイドが10キロ程度の間隔で配置されており10~12Lで十分と判断し「rush11R」を採用、A4 FOCUS Lightでも行けそうだったけどソフトフラスクを使用したかったのでrushを選択 ⇒結果全く問題なし
  2. シューズ もう何年もずっと履いているモデルの「topo mtnr2」を2足、最近気に入っている「Nike zegama」の合計3足。何れも新品は避け、50キロ以上は走って馴染ませたもの。 ⇒mtnr2でスタート、初日の大雨でドロドロになり履き替え等、やはり余裕があれば3足位欲しい。一方でシューズは最もかさ張るので必要なければそんなに不要だろう。但し、今回初日から爪のトラブルが発生し、別のmtnr2に履き替えたが改善しなかった...zegmaも同様。結局自分の下りかたが原因だろう。いつもと距離も違うし勝手がいきなり違った。
  3. ポール 年明けから愛用しているニューカーブ。先端パーツをカーボンに改造して持ち込むが第3セクションで右側の先が折れる。デポにに純正のアルミパーツも予備で持ち込んでいたためLBで交換して対応。
  4. ライト 頭にマイルストーンMS-i1、腰にレッドレンザーneo10r 両機ともにバッテリーが“18650”で兼用出来るメリットがあり、バッテリーはUltrAspireの18650で兼用
  5. レイン 上着はTNFシェイクドライ、下はterrexの軽量レイン(軽量過ぎて破れるが、補修して愛用)
  6. ウィンドシェル Trippersオリジナル、店長こだわりの逸品
  7. 防寒着 マウンテンハードウェアのオクタフーディ、ワークマンサーモライトエコモードクルーネックの使い分け、暑がりの自分はコレで十分
  8. グローブ 基本はJapanese軍手を愛用、滑り止め付を指先カットして使用。寒い時にはサロモンのミトンをオーバーグローブとして。雨が強いときにはテムレスも使用した。因みに軍手は多少の雨ならそのまま使用しても直ぐに乾く優れもの

異常な暑がりであるため、基本は半袖Tシャツ+アームカバー、短パン+カーフの組み。合わせ、状況に応じ上記を組み合わせるが大半はレインを上に着たかどうか、オクタやサーモライトはそこまで使用しなかった。

その他…

  • モバイルバッテリー LBでスマホにガーミン、ライトのバッテリーを気にしないといけないため、20,000×1、10,000×3を持参。LBでは電源もあり皆充電しているがコンセントが絶対的に足りていないため、勝手に外されてしまうことが日常。そんなの心配。
  • テーピング 膝にニューハレVテープを愛用しているが、LB2でシャワーを浴びたとき剥し、その後面倒くさくなり貼らなかったが、特に問題なし。逆に爪と足指のマメに苦労したため別のテーピングには世話になった
  • ウェア類 日数分のTシャツ、インナー、ソックスは持参。シャワー浴びなくてもLB毎に着替えた。ソックスは絶対毎日履き替えたい。問題なさそうでも一旦LBでは裸足になって状態チェックと乾燥がマスト。一応、スタート時はチートリTシャツ(着た)、ゴール時はTrippers7周年Tシャツを着る予定だった(出番なし..)。
  • サンダル LBを快適に過ごすには必須。上記の通り足の開放と、シャワー、トイレで濡れないように。なんだかんだ2〜3時間はLBで過ごすので。この差は大きい。
  • チェーンスパイク軽アイゼン 実質必携装備になっている。天候次第でLB出発時に待ってないと出られないことにも。デポバッグに必ず忍ばせておく。
  • すれ防止 LB毎に一通り対応、お尻のデリケートゾーンが何故か初日からダメージを受けて苦しんだ。こんなことあまりない。ワセリンで対応。
  • 耳栓・アイマスク 荷物が多すぎてどこにしまったか分らず⇒面倒くさくて探さず⇒使用できず ⇒眠れず(自業自得)

行動食

カロリーメイトをメインで使い、たまにファミマの桃わらびもちを併用。基本的にはエイドで提供されるものを積極的に摂取しており、問題なかった。

水分 両胸の600㏄フラスクに水のみ。たまにアミノバイタル(FUJIのボラで余ってもらったやつ)を溶かして飲んだ。イタリアで水というと基本的に炭酸水らしいので「ノー・ガス」といって水をもらう。trippersのベスパ齋藤さんのセミナーで学んだ塩熱サプリを1時間に一粒ペースで...

ジェル GUのリキッドタイプのジェルを二種類

ユンケル顆粒メダリスト9000MAGMA あたりにもお世話になった。ユンケル顆粒はtrippersのくまちゃんから教えてもらったけど自分には凄い効く

マルチビタミン 各方面からアドバイスを頂き持参。約一週間の山籠もりとなりビタミン不足から口内炎等が酷くなって食べられなくなったり、オーラル系ダメージが回復しないようです。通常の容量の倍くらいを摂取。

その他割愛しますが、結構色々持っていき殆ど使用せず。ものが多すぎて面倒くさくなるだけなので次回の反省改善点にしたい。

デポバック

大反省。とにかく荷物が多すぎた。荷物が多いと探すのが大変だし、しまうのはもっと大変。疲れて朦朧としているときなど単なる時間の浪費ネタに過ぎない(※)ので、次回は如何にデポの荷物を少なくするかを研究したい。また、今回はルクタスさんのツアーサポートに申し込んでいたため、大会デポとは別のツアーデポも利用できた。それが良かったのかどうだか...

※LB3-Donnasでは1時間位入れたり出したり繰返していた…

5.航空券、宿の手配

26年ぶりの海外旅行、50代半ばにして初の海外レース...ということもあり、お金で解決。ルクタスさんに全てお願いしました。

このあたりを全部自分で手配するのも海外レースの醍醐味なのでしょうが、面倒くさくて。走りに集中するためにもサポートツアーに申込みました。※今回のルクタスさんのツアーの詳細はこちらです

流石の素晴らしいサポートでしたが、DNFは自分の能力の問題です。一週間にも亘るレース途中での洗濯サービスなんて神です。来年もお願いしたいと思っています。

今回の過酷な環境で、全体完走率は半分以下でしたが、ツアー参加者12名中、7名が完走したのはルクタスさんのサポート効果も有ったのだろうと思います。

航空券

モンブラントンネルのフランス側の工事が今年に先送りされたため、大会直前にトンネルが通行止めとなったため、通常利用されるジュネーブINが不可となりミラノINとなる。その結果、カタール航空利用の羽田⇒ドーハ(トランジット)⇒ミラノ というルートに落ち着く。因みにカタール航空はJALとの共同運航なので、羽田⇔ドーハ間はJAL。

ジュネーブINの場合にはエミレーツが無難らしい。でもその他ツアー参加者は航空券は各々色々なルートで手配されていました。

ミラノの空港から現地クールマイヨールまではルクタスさんによる送迎付。

最安値で探すなら中華航空が突出して安い様ですが、それなりにリスクも有るとか無いとか。今回のツアー参加者でも利用者の方居ましたが、特に問題など無かったとのこと。ご参考まで。

ホテル

TORに参加する日本人のかなりの割合の方が泊まるホテルが「pavillon」というホテルです。ルクタスさんのツアーでも毎年(10年以上)このホテルを利用しているようです。こちらはレース参加中、部屋はキープされたままですが料金は実際に利用した日数分しかかからないとのこと。従って私のように途中DNFになってしまうと、追加料金が発生することになります(T_T)

ご注意ください↓

↑早速請求が来た、けど意外にお安くて安心^_^

他にもこのようなサービスがあるホテルがあるのかもしれませんが、リサーチしていません。

折角イタリアまで来て周りが日本人だらけなのもどうなのと考える方もいるでしょうからご参考。

スタート・ゴール地点や、スポーツセンターまでやや距離はありますが、340kmに比べれば大した問題ではありません。正面に地元スーパーがあり便利でした。

左:ホテルpavillon 古いけど綺麗にされてます 右:ホテル前からの景色。左がモンテビアンコ(モンブラン)、右がデントデギガント(巨人の歯)

6.いざ現地へ

  • 仮にロストバゲージが起きても出走出来るよう、機内持ち込み手荷物に最低限の装備をパッケージして臨む。幸いにしてミラノで無事に荷物を受取り一安心。ルクタスさんのツアー参加者でも毎年のようにロストバゲージに遭う方が居て、昨年は出走断念した方も居たとか。
  • 空港から現地まではルクタスさんの送迎付で楽々移動。途中でレース150km地点のLB3-Donnasを見学してからクールマイヨールへ向かいます。途中からアオスタの山のあまりのデカさに圧倒され続け。
  • 到着当日は450kmカテゴリーのトルデグラシエのスタートを観戦。
  • 翌日がスタート前日にあたるため、スポーツセンターに受付に行きます。まずは整理券を入手し、その番号順に受付を行います。それなりの時間がかかるため会場内になるTORグッズを買ったり、その他スポンサーブースを物色したりして過ごします。
  • 受付でゼッケンを受領し、手首にチェックポイント通過用のチップが入ってるバンドを付けてもらい、ザックに着ける用のタグ、参加賞のTシャツ等をもらいます。ざっとこのような流れとなりますが、必携品チェックは今回はなかった。ゴール後に利用できるディナー券が入ってましたが、タイミングが合わず利用せず。
  • スタート前日の夜はルクタスさん主催で地元のピザの名店で決起会が催されました。ただ、前日なので参加者は5名と半分以下で意外に少なかったです。話を聞いたら、ゴール後はやりたいけど前日はいつも通り大人しくしていたいという方が多かった。しかも決起会参加者でビールを飲んだのは私だけでした。あまり深い意図はないと思いますが、意識の高い人と何も考えていない私の差なのか..と思ったりしました。

スタート当日の天気予報は雨、レース後半は雪予報...気温はクールマイヨールで10数℃、過酷な環境が予想されるなか眠りに就いたのでした...

当分寝不足が続くとは思っていましたが、予想を上回る睡眠問題に直面してしまいます(T_T)

準備編は以上です。超長文にお付き合い頂き有難うございました。

◇『〈レース編〉episode1~レーススタート』につづく