Backyard Ultra Last Samurai Standing Big’s チャレンジカップ in神奈川丹沢 2025.2.20~ ≪佐藤基香≫

大会概要(ルール)

 1時間以内に6706メートル(1yard)を走るノックアウト方式のレース。次の1時間までの残り時間はリカバリーに使用でき、 各ループは厳密に1時間毎にスタートする。すべての出走者はスタートの合図と同時に走り出さなければならない。これを最後の1人が残るまで継続し、最後にコースを1時間以内に走り切った者が勝者となる。

  backyardulitraのサイトより引用 https://backyardultra.jp/

 

  詳細については下記URLを参照願います。

  https://backyardultra.jp/races/2025bigs-challenge-cup/

開催日

  2025年2月20日(木)12:00〜最後の一人が残るまで

場所

  はだの丹沢クライミングパーク 〒259-1306 神奈川県秦野市戸川1398番地

  URL: https://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawacp/

私という人

 私は登山から山を走る事が好きになった人間です。特に趣味もなく、老後の趣味として登山に興味を持ったのが2016年。登山にハマり、登山の体力作りの為に走り始めたのが走るきっかけでした。2018年頃走り始めて今年(2025年)で7年になります。初レースは2019年の第53回青梅マラソン。トレランの初レースは2019年の第11回ハセツネ30K。100mileレースはUTMF2023のFUJI、2024年第9回彩の国を完走。最長距離は第13、14回小江戸大江戸200k(2023年、2024年)を完走しています。

きっかけ

 2025年1月13日に行われた石川弘樹杯(フットサル)の懇親会で初めましての水野 倫太郎さん(選手兼RD)にBackyard Ultraのお誘いを受け、その場でエントリー。次の日、本当の大会で焦る笑。(内輪のプライベートイベントかと思っていた。)速攻で勘違いしていた旨と、お断りのメールをしたが、その後、数回DMでやり取りした中で、本気で悩んで最終的に1/17に参加する決心をする。(超ド級の実力者たちが集う中に混じってしまって、失礼にあたらないか不安でしょうがなかった。)

準備

1/19のお悔みmail前にフライングで応援&サポートをして頂ける方を募らせてもらい、結果は有り難い事に11人の方にサポートしてもらえる事になった。感謝しかない!!Backyard経験者のたかにぃー(普通のおじさん・本人談)、色々と経験豊富なスケさん他、色々な方にアドバイスを頂きながら装備、備品、食料など、必要な物をリストアップしてかき集めました。

2/1はteamTrippersのメンバーで前から予定をしていた『いこ丸(足柄森林公園丸太の森)』に参加。この日はその後、丹沢にて大会コースの試走会にも参加してきた。2yardですが大会参加メンバーの水野さんと小松さんと走らせて頂いた。私が来る前には、小池さんも来られていたみたい。コースのどちら側が走りやすいとか、足のダメージを少なくする為に下りを歩いた方が良いとか、色々とティップスをもらった。

2/9にはテントの試し張りを行いテーブル&イスの配置、ストーブの着火なども試す事ができ、着々と準備を進めていたが、年始から身体の調子が悪かったせいもあり距離を踏めていない事に不安を募らせていた。2/10のPM22:00から近所でBackyard形式で18時間耐久の自主練習を開催した。スタートから朝方までは一人で走っていたが、よしおさん、くすみん、ほっさんがそれぞれ順番に現れて自主練に付き合ってくれた!!!いやぁー本当に感謝。なんとか3人のおかげで最後までやり遂げる事が出来て良かった。

昨年末(2024年)だったか、慎ちゃんの激励会直前にteamTrippers内に生まれた【醤走友会】。タイミング的に、teamTrippers( 醤走友会 )として参加する事になり、気持ちが入る一助になった。よしおさんロゴ作成&手刷りありがとう。

計画

                                 計50分

<寝る>

走ると食事の間はとにかく横になる。&マッサージ

                               主食時 4分

                               軽食事 7分

<食べる>

各yard毎に食事を行う。(3回に1回は主食、他は軽食。)

21時~4時の間は深夜用の食事。13時前の休憩時に体調を整える為の食事も摂る。

                                主食 6分

                                軽食 3分

結果(個人)

 25yard。行動時間25時間、総距離167.650km(6.706kmx25周)にてDNF。

≪レース内容≫

 想定周回は50分だったが、予定通りのタイムが出ず、これは厳しいなと初回から考えながら進めていた。一応計画通り、戻ってきたら横になり、食事をして11yardまではまあまあ順調の52分台。それ以降は元々の体調不良と冷え?によりお腹の調子を落として、毎回トイレとお友達に。食べたら、もよおすので食べたいけど、食べられず。苦しい展開に。サポーターの懸命な対応で夜を乗り切り朝を迎えて、温かくなる事を期待したが、天気は良いが気温は上がらず、ジェルの摂りすぎか、いよいよ胃も気持ち悪くなり、一時踏ん張るも、トイレの呪縛に気持ちが負けてそのままレースを終えた。26yard目の途中で時間内に戻ってこれない事を自覚して、スライドする選手にここでリタイアする事を伝えた。そしたら、みんなから「お疲れ様」と握手を求められ、びっくりしたけど嬉しい瞬間だった。人生初のDNF。

≪感想≫

出走選手の中でダントツの最下位。それでも、Backyard Ultraというレースが生み出すものなのか、「楽しい」、「素晴らしい」、「唯一無二」。こんな素敵なレースに巡り合えて感謝しかない。(言い過ぎかな笑)欲を言えば、もう少し頑張りたかった。この大会の参加条件でもあった40yardを目標としていたのもあるし、サポートメンバー全員に会う事、二晩動き続けた時の体の変化を経験してみたかった。RDの水野さんが言う『競争ではなく共走』。まさにその通りで参加メンバー全員が、各々の目標を応援してくれるサポーターみたいな感じなんです。 Backyard Ultraは「キツイ」、「つらい」、「終わらない」、「命を削られる」などと思われている方も多いと思います。だいたい当たってます(笑)。大概、ロングレースはそんなものです。ですが、逆に言うと、通常のレースはスタート/ゴール会場、エイドステーションなどは、賑わっていて元気をもらえますが、一度そこを離れると応援者も少なくなり、寂しい気持ちになりがちですよね。そして一緒に走る選手に声をかけてお話する事で気を紛らせたり、元気をもらったりすると思いますが、競走なのでいつかは離れてしまいます。Backyard Ultraは速く走ってもあまり意味がないので、大抵一緒に走ります笑。そこが最大の魅力だと思います。(*休憩時間など、ある程度は速く走るメリットはあります。)走るのが速い人は思わないかもしれませんが、走るのが遅い私は、通常のレースでは絶対に一緒に走れない方々と肩を並べて、お喋りしながら走れるこの大会は最高に楽しい大会だと感じました。めっちゃ刺激をもらえますよ!!!。 共に走ろう!まだ見ぬその先へ。 なんちって笑

≪サポートメンバー(teamTrippers)≫

たかにぃー、ヨーコさん、スケさん、さとちゃん、ほっさん、ナナさん、マッケンジー、ノゾさん、もえちゃん、生さん、レオナルド。(サポート順。計11名)

ノゾさん以下4名には自分が先に終えてしまったので、現地でお会いする事が出来ず大変申し訳ありませんでした。サポートメンバーの他にも沢山の方々から応援を頂き、みなさんのおかげで、精一杯がんばれました!!手厚いサポート、応援、助言本当にありがとうございました。私のために最高の舞台を用意していただき本当に感謝しています。

photo by 株式会社あはい(山脇竜馬、野田倖史郎)

装備リスト

食品リスト(4日分)

LAPTIMEでみる大会経過と参加選手の紹介と結果

NO.9 館野さん(30yard、201.2km)
繁忙期の為、調整が上手くいかず、コンディションは万全でない中で、15yardまでは順調。その後、徐々にペースを落としていく。日没に近づくがライトを装備する時間も無い中、それでもあきらめない魂の走り。さすが初代ラストサムライ。2020年初代ラストサムライ、2022年サテライト大会日本代表

photo by 石山匠

NO.13 高橋さん(32yard、214.6km)
大会前から足の故障を抱えながらRDの想いに応えて参加。序盤からペースが乱高下、中盤以降は乱高下の幅が大きくなり苦しい展開に。まさかの充電不足で、ヘッドライトのライトが切れて、気持ちも切れてしまった。走らせてもらえて、ただただ感謝。2023年BULSS群馬ラストサムライ 、2024年サテライト大会日本代表

photo by 石山匠

NO.8 川満さん(33yard、221.3km)
やれることはやってきた。24yardまでは順調。そこから徐々にペースを落としていく。鼻血が出始め、異変を感じてDNFを決めた。 2024年 Dead Cow Gully 46LAP

photo by 石山匠

NO.5 藪さん(37yard、248.1km)
32yardから、ペースの維持が難しくなり、それでも粘りの走りをみせる。終わりを確信した瞬間は前にも後ろにも、一歩も進む事ができなくなっていた。人生初のDNF。ゴールを目指したことよりも、このスタートに立つ事ができた事。立たせてもらえた事に感謝。2024年BULSS京都ラストサムライ

photo by 石山匠

NO.1 後藤さん(40yard、268.2km)
16yardで一旦、57分近くになるが、37yardまで順調に推移。その後、体より先にメンタルがやられてDNF。毎回、ほぼ先頭で皆を引張っていた。Goldsteig Ultrarace 661 (GER・2018)や沖縄本島一周サバイバルラン400k(2022・2023)を完走している。

photo by 石山匠

NO.12 中村さん(41yard、274.9km)
24yardまで52分台、34yardまで54分台と徐々にペースを落とす。膝の違和感と闘いながら35yard以降はややペースに乱れがあり苦しい展開に。 2024年BULSS東京ラストサムライ

photo by 石山匠

NO.6 大河原さん(45yard、301.8km)
12月に手術、リハビリで走れず調整不足。24yardまで52分台、39yardまで54分台、40yard以降は足の水膨れ、爪の剝がれ、皮の捲れの痛みで、メンタル勝負となり・・・。 2024年BULSS東京 45LAP

photo by 石山匠

NO.7 塚田さん(48yard、321.9km)
なるべく休憩時間を取らず、行動時間内の負担を極力減らす作戦だった様で、ほぼ最後尾でレースを進める。2yard目で左足捻挫、サポーターがくるまでの33yardまでボルタレンテープをぐるぐる巻きでひたすら耐える。3yard目から(14yard以降は軽減)謎の頭痛を抱え、40yardあたりから幻覚に襲われ、45yardで道に迷い始めて、そのまま・・・。後日、その場で10分寝たら良かったと後悔。 2024年TJAR 4位、2024年BULSS群馬アシスト 45LAP

photo by 石山匠

NO.4 小池さん(49yard、328.6km)
25yardくらいまで52~54分台、そこから膝を痛めながらも、最後まで54~57分台をキープしながら終えた。ほんとうに限界だったの?まだ行けたんじゃないか?でも後悔はない。あの時のリタイアの決断は間違っていなかったはず。この先の為に。 2024年BULSS新潟ラストサムライ

photo by 石山匠

NO.11 小松さん(57yard、382.2km)
29yardまでは51~54分台で推移、そこから57分台で苦しい展開になるが、「辛くなってから耐えられるのが自分の強さなんだ」と自分を奮い立たせて、塚田さんに引っ張ってもらい粘りの走りでyard数を稼ぐ。レジェンド館野さんの魂の走りに力をもらい、ご自身も周りの人達の心を揺さぶる魂の走りをみせた。2024年BULSS東京アシスト56LAP

photo by 石山匠

NO.14 稲永さん(60yard、402.4km)
29yardまでは52~53分台、淡々と50yardまで刻み、二晩目の辛い時間帯は水野さんの「無理せずいきましょう」との声掛けで乗り切る。三晩目は林道部分が辛く、実態以上に険しく、人里離れた山道の様に感じ、恐れを抱いていた。59分台は最終yardのみ。TWの太田代表(ラスボス)をサポーターとして従えていた。 2023年BULSS東京59LAP、2024年サテライト大会日本代表

photo by 石山匠

NO.10 中田さん(62yard、415.8km)
稲永さんと同じ様な傾向が見られた。34yardまでは50~52分くらい、数yard乱高下して40yard以降は52~56分。最終yardも54分台で終えた。薄底シューズが好きな関西のおっちゃん。めっちゃ喋るウルトラランナー。2022年川の道日本横断ステージ1位、2023年BULSS島根53LAP、2024年サテライト大会日本代表

photo by 石山匠

NO.15 水野さん(63yard、422.5km)
13yardまでは49~53分、16yardで59分近いペースを出すが、それ以降29yardまで53~56分台で進む。30yardで再び、59分台。その後は56分台で進み、それ以降は遅くなる事はなかった。凄い!!一晩目は尋常じゃない眠気と闘っていた。数歩走って、仁王立ちのまま寝て、気づいてまた・・・。Backyard Ultraは「競走」ではなく「共走」。一緒に走るランナーは仲間。急いでも終わらないからおもしろい。 2023年BULSS東京70LAP、2024年サテライト大会日本代表

photo by 石山匠