【第31回ハセツネCUP〜日本山岳耐久レース】《松村兼希》
2023年10/8(日)に開催された第31回ハセツネCUPに出場してきました。
距離:71.5km(GPS65km)
獲得標高:4500m
ハセツネの他にない魅力は主に2つあります。
1つ目はエイドが40kmの1箇所にしかなく、それも水かポカリ1.5ℓしか補給できません。なので、スタートから重い荷物を背負うことになります。
2つ目はスタートが13時と遅めなのでどの選手も夜間走ることになります。
その結果、ハセツネは体力だけでなく、山の知識や経験、道具など色々なことが求められるため、他のトレランレースとは違う側面があります。
まさに山岳耐久レースです!
ハセツネは昨年に続き2度目の出場でした。
去年の結果は9:59’18 51位でした。
今年出走したレースは以下の通り
4/2 ハセツネ30k 3:39’38 17位
5/16 FTRみなの50k 6’06”00 11位
6/10 3000mSC 10‘10”77
6/17 奥武蔵ロングトレイル35k 5位
7/8 志賀高原100(40k) 4:19’18 5位
7/28 富士登山競走(5合目)1:51’04
9/7 3000mSC 10’08”36
今シーズンは春のハセツネ30kに向けてしっかりトレーニングができ、加えて登りの練習を多めに行いました。
その結果、レースでは去年より成長を感じる走りができてきました。
しかし、ハセツネ前の9月は体調不良などで十分な練習ができませんでした。試走は9/25に前半の三頭山まで(5:00)の一回のみ。調子は良かったものの最後まで脚が持つか不安はありましたが、今ベストをしっかりだそう!と意気込んでレースに挑みました。
そして今年の結果は
タイム:9時間22分18秒
順位:男子総合38位
去年のタイムより40分近く縮め、目標タイムであった9時間30分を切ることができました!
特別速いと言うわけではないですが僕がこのレースにどのようにして挑んだのか書かせていただきます。
———————————————————
⚫︎起床〜スタートまで
家から会場まで徒歩3分ほどであるため起床は遅めの8:00だった。睡眠時間は7時間ほど。起きてすぐに朝食を食べてゼッケンをもらいに受付へ向かった。
会場は五日市会館
公式では受付開始時間は10時となっているが8:30くらいからやっていた。9時前に受付を済ませ、ブースを一通り見てレースの準備をするため、いちど帰宅した。
10:30くらいに軽めの昼食を食べて再度会場へ向かった。
ハセツネはレース前も本当に楽しい!
知り合いが、多く出場するので談笑したり、健闘を誓いあったりした。
楽しい時間はあっという間である。12時を過ぎたらレースモードに切り替えた。
ウォーミングアップは1kmジョグして、少しストレッチ。
1番大切なのは身体を温めることなので、それを意識して行った。
———————————————————
⚫︎レーススタート
僕のエントリーミスなのか、エリートで申し込んだつもりが一般エントリーになってしまっていたのでAブロックの中盤からスタート。
※今年からITRAパフォーマンスインデックスの早い順にブロックが分けられました。ちなみに僕の数値は667だ。
広徳寺の登り
序盤のロード区間ではどんどん抜かして行って、エリートの中間ぐらいまでこれた。さすがエリート、皆さん早いので渋滞は気にならず進めた。
ペースはjogのようなスピードだが、ハセツネの独特の空気で気持ちが昂り、心拍数が170近くまで上がってしまう。なんとか抑えようと常に深呼吸をしながら進んだ。
今熊神社手前、くまちゃんやYocなど色々な方の応援でアドレナリンが出まくる!
ハセツネ楽しい〜と思いながら、再度気持ちを落ち着かせトレイル区間へ入る。
今熊の登り。夏にこの登りを5往復した。その感覚でいつも通り、平常心で歩いた。
この登りを興奮状態とオーバーペースで登ってしまうと一気に体力を使ってしまうと思うので注意が必要だ。
水分は合計2.5Lで1.5Lハイドレーションにトップスピードのウルトラミネラルタブレットを4粒(少し薄め)。ソフトフラスクにおいエナ500mlと普通の水500mlを入れた。
水分は1kmごとに1〜2口飲んで、30分に1回塩熱サプリとジェルを飲んだ。
少し多めに摂取しておく。
タイムテーブルなどは特に決めず、試走のペースを基準に、心拍と息遣いを見て感覚で進んで行った。心拍は155-165(少し高め)。息遣いは少しはぁはぁとする感じ。
浅間峠までは起伏が多く、獲得標高が多い区間である。基本的に登りは歩いて、下りは走るの繰り返し。登り坂の前は少し歩いて心拍数を落ち着かせてから登ることで無駄なエネルギー消費を抑ることができる。
市道山の手前で順位を数えてた人がいて「今90位くらい」と教えてくれた。これから何人行かせるか楽しみだなと思い進んで行った。
すると、昨年総合10位の名取選手が現れた。ちょうど良いペースだったので後ろに着かせてもらった。流石、コースを熟知しているだけあって、すぐ終わる緩やかな登りなどは走るなどして無理のないペースで効率よく進めた。
醍醐丸に到着。タイムは1:57。試走より少し早いペースだ。
醍醐丸の応援
今年の応援はすごかった!応援の数や歓声、仮装など一際盛り上がっていた。
その後、名取選手に「いつも応援してます!頑張ってください!」と言い前に出た。そしたら名取選手から「今日は涼しくて条件がいいからいいタイム出るよ!」と言っていただき気合が入った。
軍茶利山の登り
登ったら神社がある所です
心拍も落ち着き少しペースを上げて行ったが、軍茶利山の急登で内腿が攣りそうになった。やばい!と思い、ペースを下げる。その時、ふと思ったが水分や塩熱サプリを摂取いないことに気づく。走りに集中してしまい補給ができていなかった。
それから補給することを意識するようにした。この辺りでpower barのグミを数分おきに食べた。去年は三頭山の登りでお腹が減り、力が出なかったので今年は対策として固形物を多めに持ってきた。
そのおかげか、今年はお腹が空くことなく動き続けられた。
⚫︎第一関門 浅間峠
第一関門 浅間峠
タイムは2:53で試走と同じタイム。
去年より16分早いタイムだった。
長田さんや北島良子さんなどもいて賑わっていた。テンションup!
ここからストックの使用が可能となる。僕は登りに不安があるので今年も惜しみなく使用した。ヘッドライトも点灯し始めた。
浅間峠から三頭山までは徐々に登っていく区間である。登りが緩やかなところも多いので走れる登りは走った。
攣りそうな脚も回復し、三頭山も元気に登って行こうと思っていたが問題が発生した。お腹にガスが溜まり始めたのだ。おそらく補給食を一気に食べ過ぎてしまったからか。三頭山の登りでお腹がパンパンになってしまって苦しかった。
そしてペースダウン。
テンションもダウン。
(この登りで1km20分かかってました)
改善しようと、三頭山避難小屋のトイレを利用した。また、お守りで持って行ったmagmaを摂取。加えて、ウエストライトの紐も緩くした。そのおかげかオナラがよく出て三頭山の下りで良くなった。
三頭山にはピッタリ5時間で通過。試走と同じタイムだったがかなりの余裕を持って通過できた。
レースも折り返しなのでここで補給食がどれくらい残っているか確認した。
エネ餅2、レモンわらび1、POWバー1、ライスピュレ1、メダリストジェル1。
ジェルがあと1本しかない。流石に固形物を持っていき過ぎたのと、前半ジェル食べ過ぎてしまったと反省。
※ジェルはエネルギーになるのに数分だが、固形の補給食は数時間かかるのでレース終盤に食べてもあまり意味がないと思ってます。
この辺りで雨が強くなってきて、気温も10度を切って寒さを感じた。気持ち程度にレインを羽織って三頭山を下って行く。
赤い道が歩行区間 全長1.9km
三頭山周辺は今年から一般エントリーのみ歩行区間が設けられた。数人エリート選手に抜かれたがタイムロスは数分だけだと感じた。(来年は走りたい)
三頭山を下り終えたあたりで水がなくなった。月夜見まであと3キロほどだったので特に身体に問題はなかった。
また、風張峠で100mほどロストした(風張駐車場に下ってしまった)。
少しだけで良かったとプラスに捉えて焦ることなくコースに戻った。
※この辺りの道は要注意です。
真っ暗闇で霧も出ます。しっかりマーキングを確認しながら進みましょう。
また、間違っているなと思ったらスマホの地図を確認しましょう。
⚫︎第二関門 月夜見山駐車場
第二関門 月夜見山駐車場
タイム:5時間53分 区間タイム3時間。
去年より18分早いタイムだった。
水500mlとポカリ1Lを補給してすぐに出発。
ここから御前山の登り。
個人的に1番キツイ区間。
3kmで約450mアップ。
この登りでエネルギー切れが怖かったので最後のジェルを摂取した。
急斜面ではストックをふんだんに使い登っていく。多分ストックがないと脚が攣っているだろう。
何も考えず無心に登った。
ようやく御前山登頂。タイム:6:46
ここからゴールまでキツイ登りは大岳山だけなのでSalomonのストック入れ(CUSTOM SYSTEM)に収納した。
これで両手が自由に!
Salomon CUSTOM SYSTEM
御前山の下りからギアを上げる。
脚はまだまだ余裕だ。
お腹の調子もよくなってきた。
ここからゴールまでは大好きな下りが沢山だ!と思いながらテンションを上げていった。
御前山の下りは大きな段差が多くて難易度が高めである。ウエストライトの光量をマックスにして降った。僕はそのような下りも得意なので数人抜かすことができた。
難しい下りが終わったら大ダワまで地味な起伏がある。
登りは少し早めに歩いた。
意外と長いなぁと思いながら大ダワに到着。ここから大岳山までは緩やかな登りが続き、フレッシュな状態なら走ることができる。
去年はこの区間でゴールまであと15kmもあるし、人が誰もいなかったので暗い気持ちになった。
しかし、今年は最後まで楽しむことも目標にしてたので前の選手を抜いてやる!と気持ちを前向きにして進めた。
今年の成長としてレースの最後まで気持ちを切らさないという精神的な成長も感じられた。
大岳山は最後の500mが岩場でキツい登りがある。三頭山や御前山よりは登りの距離は短いので楽だ。
これを登れば、後は下りだけ!と思いながら力を振り絞って大岳山頂に到着。
大岳山は色々な仲間と来た大好きな山。
普段なら綺麗景色を見ながらご飯を食べるが、ハセツネは一瞬で通過してしまうのが寂しい。
2月にトリッパーズメンバーて行った時
タイムは7:48
ここで目標タイムの9:30を切れると確信した。
ここでセブンのレモンわらびを食べた。(結局ゴールまで補給せず)
大岳山からゴールまでの距離は15km。ほとんどが下り坂である。
小学生の時は五日市まで長い道のりだったが今となっては短く感じる。
再度集中し直して、岩が沢山ある下りを注意しながら降る。
それが終われば長尾平まで簡単な下りだ。そこを猛スピードで降った。
夜の下り坂はウエストライトがないと怖くて降れない。
それがあれば昼間と同じように降れる。
霧が出てもへっちゃら!
僕が使っているのはこれ↓
今年も大活躍でした!
第三関門の長尾平まで10人近く抜いた。
⚫︎第三関門 長尾平
タイム:8時間11分
流石に飛ばし過ぎたか脚が動かなくなってきた。
商店街まで降る前の登りで少し歩いて休憩し、再度日の出山に向かって走り出す。
日の出山で最後の登り。
これまでの道のりに比べたら小さい丘くらいに感じる。
難なく登頂し、タイムは8:30。
目標タイムの9:30まではあと1時間。
日の出山は何十回もきてる山。
金比羅尾根はいつも50分で降ってこれるので怪我に気をつけながら余裕を持って下った。
山頂にいるスタッフさんに「下りの階段気をつけてください」と言われ、はーい!と大きな声で答えた。
下りの木段は間隔がとても狭く、しかも雨で滑りやすくなっていた。
ここで転んだことないし大丈夫だろうと油断した瞬間、「ドン!」と大きな尻もちをついて滑ってしまった。
痛くて5秒くらい立てなかった。
気を取り直して金比羅尾根を降っていく。
金比羅尾根はなだらかな下りでサーフェスも簡単なのでスピードが出せる。
今年も金比羅尾根を楽しく降ることができた。
金比羅山を降って最後のロードを駆け抜けてゴール!
———————————————————
⚫︎ゴール
ハセツネのライブ配信にて
タイム9:22’18
最後まで楽しく走れたからこそ、目標を達成することができました。
⚫︎良かったこと
前半のペース配分(抑えられていた)
しっかり補給ができていた
楽しんで走れたことで最後まで気持ちが切れなかった
⚫︎悪かったこと
ガス溜まりで失速した
余力を残し過ぎた
登りでもう少し走れた
まだまだタイムを削れそうな所は沢山あると思うので今年の反省を踏まえて来年は絶対9時間切ります!
———————————————————
⚫︎装備
バックパックに入れたもの
バックパック: salomon / adv skin 12set
レインウェア:salomon/BONATTI WATERPROOF
ポール収納:Salomon CUSTOM SYSTEM
SINANOポール
ファーストエイドキッド
手ぬぐい
ココヘリ(写真には載ってません)
帽子:Buff/5 panel cap
ヘッドライト:Black Diamond/SPRINTER 275
トップス:Teton Bros/ELV1000 Non Sleeve
グローブ:Black Diamond/トレイルグローブ
アームウォーム:CW-X
ウェストライト/milestone × paagoworks MS-i1 + RUSH Light
パンツ:adidas /ランイットショーツ
ゼッケンベルト:Trippers/くまちゃんオリジナルゼッケンベルト
トラッシュバック:Trippersオリジナルトラッシュバック
ウォッチ:Garmin/255Music
カーフスリーブ:THUASNE SPORT/ドクターコンプレッションアクティブカーフスリーブ
ソックス:Yamatune/エンデュランナーソックス
テーピング:New-HALE/X-TAPE
シューズ:Colombia Montrail/Trinity AG
補給食
水分系
ハイドレーション1.5L→Top speed Ultra Mineral Tablet(4粒)
ソフトフラスク500ml おいエナ
ソフトフラスク500ml 水
⚫︎補給食
メダリスト/エナジージェルりんごはちみつ味×2
メダリスト/エナジージェルブドウ味×1
メダリスト/エナジージェルグレープフルーツ味×1
Magon/エナジージェル ジュレ バナナ味×1
ライスピュレ/巨峰味
セブンイレブン/レモンわらび
magma/アスリートバーリィ×2
メダリスト/塩ジェル×2
みどり安全/塩熱サプリサイダー味×2
エネもち/塩餅×1 くるみ餅×1
POW BAR/CACAO & COCONUT×1
Power Bar/Power Gel コーラ味×1
プロフィール
最新の投稿
- 07.松村 兼希2023.10.19【第31回ハセツネCUP〜日本山岳耐久レース】《松村兼希》
- 07.松村 兼希2023.06.23【第1回奥武蔵ロングトレイルレース ショート35k】《松村兼希》
- 07.松村 兼希2023.04.10第15回 ハセツネ30k《松村兼希》
- Trail Running2022.11.23第20回陣場山トレイルレース ロング34km《松村兼希》