俺の初ツネ!2023 《小川 佳》
10月8日〜9日奥多摩山域で開催された「第31回日本山岳耐久レース(24時間)長谷川恒夫CUP」 通称ハセツネCUPに参加してきました。
トレイルランニングを初めていつかは出たいと考えてたレースです。4年かかりましたが今回満を持して挑戦してきました。
コース概要
距離:71.5km(実測値65.17km )
累積標高:4345m
参考機材:COROS ペース2
スタート時間13:00 (ブロック毎に整列後一斉スタート)
エイドステーションは42km地点の月夜見第2駐車場で1.5ℓのスポーツドリンクか水が支給されます。フードの提供はありません。
目標タイム
17時間
レースまでに取り組んだ事
レースの距離が自身の過去最長になるため、試走は3回行いました。
1回目は8月末に五日市中学校から第一関門の浅間峠まで試走に行きました。ここでは実際にどのくらいの水を給水するべきか、ここの区間は登り基調が続くきついコースなので、それを体に覚えさせるために試走をしました。8月末でまだまだ暑い時期だったので浅間峠までに3L給水して終了。
2回目は9月上旬ナイトランの練習のため武蔵五日市駅から三頭山まで試走。初めてのナイトランをだったのでヘッドライト、ウエストライトの使用感、登り下りの際の光束の調整具合などナイトランで使うギアの確認、浅間峠からストックが使用できるのでストックの使い方も再度練習もしました。
ここで初めての胃のムカムカを体験。MAGMAと市販の胃腸薬を服用し休憩をしたおかげで回復しました。スタートから浅間峠までは蒸し暑さが続き、三頭山までに4L飲みました。今年の暑さは9月で続いたため、この量の水は飲んでも良いかなと思いつつ、レース当日に持つ水の量を考えながら前半ルート試走完了。
3回目の試走ルートは三頭山からゴールの五日市会館。前回の試走で起きた胃腸トラブルの原因と起きないようにはどうするか、歩く区間と走れる区間の確認することを意識して試走しました。しかし案の定、大岳山手前から胃腸トラブル再来。原因はハイペースで行動したうえ、行動食の補給を疎かにしシャリバテ気味になり、それを補うようにジェルを多めに摂取したことです。その後は大岳山で休憩し胃腸も回復しルートの確認を行い、後半ルートの試走はお終い。水は4.5L飲みました。分割して試走を行ったおかげで新たな体の変化や歩くのか、走るのかルート内での区間分けができたので良かったです。
レース当日
スタートの気温は18°の曇りのち雨。天気予報でも次の日(9日)にかけて雨予報で寒い中のレース展開を予想してました。
10時頃に会場の五日市中学校に到着、受付を済ませ指定の更衣仮眠の待機所に移動。スタートに向けて装備の点検準備と同じ待機所だったトリッパーズスタッフ、お客様と談笑しながらスタートを待ちました。待機所も6か所に分散しており、お手洗いや更衣をすることはそんなに時間はかからなかったです。
待機所を出て、応援に駆けつけてくれたスタッフさん、お客様とパシャり。この辺りから徐々に緊張感とワクワク感が混ざり合っていきました。
12時30分頃から開会式が始まりお祭りが始まるぞーって感じで会場も大勢の方の熱気で一杯に🔥
12時45分頃からスタート位置に移動。去年よりブロック分けがされており自分は第2ブロック(ピンクゼッケン)からスタート。
13時スタート
①五日市中学校〜浅間峠(第1関門)
最初はロードを進んでいきます。1番気になっていた渋滞は公徳寺から小和田峠の区間と今熊山登山口の登りぐらいでスタートがブロックごとになったのが渋滞の解消に繋がったのかもしれないです。
今熊山登山口からはジリジリ登りが続きます。ここは浅間峠までの体力を残すために心拍数が上がりすぎないようにペースを抑えた登りを意識しました。入山峠まではシングルトラックが続くので人を抜こうと思ってもなかなか抜けなかったので前後の選手方と並走して入山峠まで向かいました。
入山峠から市道山分岐までは急登と何回か続きます。回数は忘れました。ポイントとしては、もしここで前後の選手が自分のペースより早い場合は無理に追わずに自分のペースを優先した方が楽だと思います。自分も心拍が150~155とやや高めだったので抑えながら登りは固形物を摂取しました。下りでは木段で整備されたトレイルと根っこがぼこぼこでた道があるので飛ばしすぎには注意です。
市道山分岐目標タイムテーブル(以後TTと略します)15:42 通過時間15:10
市道山分岐を通過タイムが事前に考えたタイムテーブルより30分早いことを確認。今日はいい感じに足が動いていると思い、あまりペースを落とさず進むことを考え醍醐丸も気持ちよく通過。醍醐丸には大勢の応援の方がいらっしゃり、中には仮装した方も。笑顔で通過できました。醍醐丸通過は登り基調が続きますが頑張って登った結果、内腿あたりがだんだんピキピキしてきました。連行峰に向けても長い登りがあるためここから抑えめの登りに変更、登っては緩やかな道を走る具合で連行峰に到着。内腿が張って攣りかけていたので、攣り防止の市販薬を飲みました。あと小雨も降って来たのでレインウエアとヘッドライトを装着しました。ここでスタートから持っていたハンドボトルの500mlを飲み干す。
三国峠から軍刀利神社手前は下り基調で走れるので元気な方はどんどん先を目指しましょう。軍刀利神社手前からは長い階段があります。ここは割り切って登りながら補給をしましょう。熊倉山からはなだらかな尾根を走ります。日影が続くため自分はここからウエストライトを点灯し、浅間峠まで走りました。
②浅間峠~三頭山
浅間峠 目標TT18:11 通過タイム17:21
浅間峠に到着後はソフトフラスクの水も飲み切っており、500mlを移し補給とストックを装備し滞在時間は7分で浅間峠を後にする。ここからヘッドライトも点灯。ストックのおかげか登りもスイスイ、走れる区間あるのでしっかり走りました。心拍も130~140。日原峠から丸山は登りが続きます。当日は雨で道がぐちゃぐちゃで歩幅を小さくしながらなるべく滑らないように細かく歩いて登りました。丸山手前から眠気が来ました。19時ぐらいです。だいぶ早めの眠気でびっくりしましたが、アミノサウルスジェル01(カフェイン入り)と固形食を摂取し進み続けました。丸山山頂は目指さず巻き道から下り基調で笛吹峠まで進みます。西原峠までは登りと根っこがたくさん飛び出しているのと同じ風景が続くので腕時計を見て全然進んでないからと言って落ち込まないでください。
西原峠 目標TT20:25 通過タイム19:26
西原峠に到着後、おいエナを半分ソフトフラスクに入れて、半分は少しずつ直接飲みました。理由は固形食にも飽きてきた事と槇寄山から三頭山までは登りが続くこと、大沢山手前から鞘口峠手前のコマドリの路分岐までは今回から導入された歩行区間があるため 固形食よりは飲みやすいおいエナの方が補給しやすいと思いフラスクに移し替えました。
西原峠から槇寄山までは下りと登りが続くのでそこまで苦しくないので、三頭山手前の登りをイメトレしながら進んで行きました。アミノ酸も摂取し準備万端。 30km進んできた足の疲労と標高1159m地点から約2.3kmで約370mUPする登り道がかなり苦しかったです。ここは自分のペースと同じぐらいの人が居れば引っ張ってもらうのも手段の一つです。自分は居なかったため心の中で「やっとコースの半分まで来たと」自分を鼓舞しながら三頭山山頂まで辿り着きました。石段が続いて来たらもう少しで山頂です。
山頂の居たボランティアの方の「三頭山山頂まであと少しでーす」と言う大きな声掛けにすごく励まされました。その後三頭山ではザックに入れていた後半分の行動食をザックに胸ポケットに移し替え、残りの水分量を確認など10分ほど休憩しました。
三頭山 目標TT21:43 通過タイム20:39
③三頭山~月夜見第2駐車場
三頭山から鞘口峠手前までは歩行区間のため体力を温存し、歩行区間終了から走り始めました。多少ザレた場所もあるので下りの時は注意しましょう。
鞘口峠 目標TT22:18 通過タイム21:08
鞘口峠から風張峠までは根っこと木段が容赦なく続く登りが2kmほど続きます。右側にフェンスが出てくると一旦登りは緩やかになり、左側が切れた細い道を進みます。細めのシングルトラックのため追い抜きはしない方が良いかもしれないです。風張峠に着くと車道も見えてきて月夜見駐車場までもう少しかと思いますがまだまだ走ります。一旦道路に出て、また登山道に入る区間があるのでしっかりハセツネマークを確認しながら進みましょう。月夜見山を通過したらすぐに下って第2関門の月夜見第2駐車場に到着です。
月夜見第2駐車場到着の時点で3.5ℓ飲み干してました。素早くいただいた水を移し替え。補給も済ませリスタート。滞在時間は13分。
月夜見第2駐車場 目標TT23:14 通過タイム22:02
④月夜見第2駐車場〜大岳山
駐車場を出たすぐの下りは滑りやすいので気を付けて下さい。 小河内峠までは 下り基調が続きます。 小河内峠からはじわじわ御前山まで登って行きます。ここで霧が濃くなり始めウエストライトの光量を強めに調整し進みました。ヘッドライトの光量を明るくしても霧に反射して見えづらくなったのでウエストライトを明るくしました。 ここの登りは コース内の最高標高の三頭山を経由に40km以上進んできた足にはだいぶ効きます。
同時刻にスタッフかずきのゴールと自己記録を更新したことを知り、自分も再度エンジンかけて黙々と登りました。惣岳山を越えたあたりから道は整備されておりますが根っこ、岩が多めのため滑らないように進むと御前山到着です。個人的はここのパートが一番きつかったと思います。
御前山から大ダワは木段と急な下りが続くため走れる区間と慎重に下る区間と分けて進むとタイムも縮まると思います。当日は雨が降っていたので自分は滑らない事に意識を向けて下りました。大ダワまで下り終わると大勢の方が道に体育座りをして休んでました。気温もだいぶ下がり長めの休憩は低体温気味になりそうだったので自分はトイレを済ませてすぐに出発。
大ダワ 目標TT01:30 通過タイム00:25
徐々に通過タイムと目標タイムが縮まってきて少し焦りを感じてました。大岳山の登りを超えれば長い登りはないため、まずはそこまで進もうと考える一方、残りの水も少なくなってきており給水の調整と補給を行い、大岳山に向かいました。大岳山周辺は岩場が多いのと夜間のため危険な箇所が日中より増えてます。慎重に通過をしましょう。
大岳山 目標TT02:40 通過タイム01:39
⑤大岳山~五日市会館ゴール
10分程大岳山で休憩後、第3関門の長尾平に向けて出発。大岳山から大岳神社までは岩場の下りが続くので注意して通過してください。大岳神社の後は右側が切れたトレイルを進みますが道幅も十分あるので走って下りました。下るとあずまやがありその先に水場があります。水場に到着した時にはソフトフラスクに500mlも入っていなかったので合計1.5L水を汲みました。例年この水場は枯れてる事は少ないですが、水流は弱めです。そのため汲むために渋滞になる場合があります。事前に持ってる水分量を確認した方が良いと思います。水場から第3関門までは平坦なトレイルですの走りました。
第3関門 目標TT3:40 通過タイム2:55
第3関門はそのまま休まず通過。商店街を抜けて日の出山まで向かいます。日の出山手前の鳥居から登りパートになりますが最後の登りです。最後と思いテンポよく登りました。
日の出山 目標TT4:16 通過タイム3:25
日の出山に着いてこのペースなら16時間切れると確信。少しでも軽くすために予備に汲んだ水を捨て、残量600mlぐらいでゴールまで向かいました。そこからは無我夢中で金毘羅尾根を走りました。補給もアンドゥーを一つでした。金毘羅尾根を下り最後のロードを走り切りゴール!!
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ゴールタイム 15時間57分12秒
総合順位616/1331
総括
•体の変化と行動中の摂取方法 試走で起きた胃腸のトラブルや捻挫、転倒などの問題が起きなかったのが良かった。胃腸のトラブルの対策としてはメイン食をジェルではなく固形食にしました。あとmagmaも2〜3時間おきに摂取しました。また試走を行えた事での各区間のイメージが出来てメンタル的に余裕が出来た。試走が出来たら是非ともして欲しいと思います。心拍数も前半は飛ばす部分もあり170を越えもしたが浅間峠以降は比較的心拍数も調整出来るようになり140〜155辺りで止まった。金比羅尾根を走り切れた体力はどこから来たのかはわかりません。
•天気と体温調整について レース前半から小雨が降り始めたのでレインウェアをいつもより早めに着たのが良かったのか休憩中以外は震えるほどの寒気はなく体温調整は上手く出来ました。アームカバーと薄手の防水グローブを取り外しもまめにしたのも効果がありました。
今回活躍したギア マイルストーンのウエストライト。霧が濃い時、根っこが多くて転びそうなサーフェスの時に光量を明るくしたお陰で下りもしっかり走れました。ただ長時間光量を明るくした結果、途中で電池が切れ予備のバッテリーを使う事になったので路面に合わせてヘッドライトとウエストライトの明るさの調整は大切だと気付かされました。また照射角度が広く決められるので急な登り、下りでピンポイントで照らせるのも魅力の一つです。ヘッドライトバージョンのMS-i1もオススメですよ。
もう一つオススメはミレーのドライナミックメッシュ。低い気温でのレース展開では冷えを気にする事と同じぐらいに自分の発熱を上手く利用する事も大切です。保温するために防寒着を着てもすぐに暑くなって脱いでしまうなど。ドライナミックメッシュは粗いメッシュ構造のため汗や雨の肌への張り付き軽減するのとレインウェアやウインドブレーカーなどを着ることでメッシュ内にデッドエアーを作られ、保温も確保できます。激しい体温変化からの疲れも軽減してくれるウェアです。
ずっと出場したいと考えてたハセツネCUP。補給食や水分、ナイトパートの攻略と色々考えることが多いハセツネですがそれも含めて楽しく走り切れました。
装備
シャツ:patagonia /リッジ・フロー・シャツ
ショーツ:THE NORTH FACE/フライウェイトスピードショーツ
インサレーション:mountainhardwear/ エアメッシュ 1/2 ジップ
ウインドシェル:TRIPPERS / リーチウィンドシェルフーディー version2
レインウェア:Salomon /ボナッティートレイルジャケット
Teton Bros /フェザーレインパンツ
グローブ:AXESQUIN /UVメッシュフィンガーカットグローブ
レイングローブ: AXESQUIN / W2P Light Shell Glove (写真未掲載)
キャップ:halo commodity / HL-1053 Turtle Mesh Cap
アンダーウェア:MILLET / Drynamic Mesh NS Crew
finetrack /ドライレイヤークールボクサー
アームカバー:R×L / TSA-11 (写真未掲載)
ソックス: Feetures /トレイルマックス クッションミニクルー
カーフスリーブ: compres sport R2V2カーフスリーブ
シューズ: TECNICA /INFERNO XLITE 3.0
ザック:THE NORTH FACE / TR Rocket
ゼッケンベルト:くまちゃんオリジナル ゼッケンベルト
ライト:milestone / MS-i1 Endurance Model (ヘッドライト).MS-i1 + RUSH Light(ウエストライト専用)
ポール:SINANO / トレランポール14.0
浄水器:KATADYN / BeFree 0.6L
トラッシュバック:Trippers オリジナルトラッシュバッグ
その他:サバイバルシート モバイルバッテリー ファーストエイド
ハイドレーション:HydraPak / Velocity 2L
ソフトフラスク:HydraPak / ULTRAFLASK SPEED 500 ML SALOMON / ACTIVE HANDHELD
ハードボトル:OSPREY / スポーツボトル
補給食
総カロリー:約4300kcal 摂取カロリー約3800Kcal
ジェルAMINO SAURUS /01(カフェイン入り)×2、02 ×3
ANDO塩入り×3 無塩×1
美味しいエナジードリンク研究所。/おいエナ 国産檸檬蜂蜜、福井梅と福井山の蜂蜜
VESPA / VESPA PRO
固形物
ミナト製薬/ライスピュレ巨峰×4
塩熱サプリ/サイダー
井村屋 / スポーツようかん カカオ×5 あずき×1
エネもち/クルミ餅×3、塩餅×3
パワージェル・ショッツ/コーラ×1
GU/ENERGYCHEWS オレンジ×1
粉末、タブレット
MEDALIST / アミノダイレクト5500 ×6
ZEN / After(ダルマ)
TOP SPEED/ウルトラミネラルタブレット
MAGMA×6
Meitan/2RUN×1
プロフィール
-
こんにちは!ケイです!!
トレイルランニングとの出会い
2019年に友人とノリと勢いで一緒に出た「科野の国ラウンドトレイル」がデビュー戦。無我夢中で走る事がこんなにも楽しいなんて知らなかった!そこから一気にハマり走り始めました。100マイラーを夢見て、爆走中です。
トリッパーズと私
トレランを始めるときに最初にお邪魔したお店がトリッパーズでした。見たことないギアばっかりでワクワクが止まりませんでした。そんなトリッパーズは大切なレースのためにガッツリ準備出来るお店、お洒落なギアを探せるお店、楽しくトレランのお話ができるお店、そんな色々な思いが溢れる素敵なお店です。
私自身もランナーさんの何か力になりたい、走る楽しさを共有したいと密かに思いながら、トリッパーズに立ってます。トレラン歴は浅いですが,皆様のトレランライフをお手伝いします。よろしくお願いします!
私自身もランナーさんの何か力になりたい、走る楽しさを共有したいと密かに思いながら、トリッパーズに立ってます。トレラン歴は浅いですが,皆様のトレランライフをお手伝いします。よろしくお願いします!
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