OMM JAPAN 2023 KITAYATSUGATAKE 《朝長拓也》

日本上陸10周年を迎えたOMM!記念大会は北八ヶ岳。トレランだとKOUMI100が開催されている地域です。

僕は5回目の参加で今まではストレートに4回続けて出ていたのですが、今年はOMM初参加のスタッフのケイとバディを組んだこともあり、気分を変えて初めてスコアに参戦してきました。

OMMって聞いたことはあるけどよくわからないという方も多いと思うのでまずは概要。

The Original Mountain Marathonは「自分自身の山岳スキルをテストする場」として1968年のイギリスで、山を愛する有志たちによって創られました。
以来50年以上の間、毎年開催されているもっとも歴史ある山岳レースです。

このイベントはあえて気候条件の厳しい時期に、必要な装備を全てバックパックに背負い常に携行し、ナビゲーション力、セルフエマージェンシー力、判断力など、全てのマウンテンスキルを駆使して挑みます。参加者には山岳地を安全かつ正確に行動するための経験、体力、ナビゲーションスキル、野営技術が不可欠であり、まさに「山の総合力」が試されます。

1泊2日の必要装備をすべて背負って地図とコンパスを使ってチェックポイント(CP)を回るレースになります。

種目がストレートとスコア2種類あります。

【ストレート】
CPを指定された順番に回りその所要時間を競うオリエンテーリング形式のタイムレース。
ELITE,A,B の3カテゴリー

【スコア】
制限時間内で回ったCPの合計得点を競うロゲイニング形式のレース。
LONG,MEDIUMの2カテゴリー

ストレートもスコアもそれぞれの魅力があってどちらも楽しいです。
ストレートはCPを見つけないと先に進めないですが、スコアは自分でルートを考えるのでわからない場合は飛ばせるのでナビゲーションが自信がなくて初めて出るような人はスコアがおススメです。ただスコアが簡単なのかといわれるとそういうことでもなくて、自由度が高いので自分のルートチョイス、時間の管理などで大きく順位が変わってきます。

《レースまで》
北八ヶ岳は寒いという前情報はあったものの、直前まで11月なのに夏日が続き、本当に寒くなるのか?という感じでウェアのチョイスをかなり迷いました。
当日はほどほどに寒くなりOMMらしい気温での開催となりました。

いままで前日は20時営業終了後、車で現地に向かって夜中について車中泊というパターンだったのですが、今年は18時で店を閉めて早めに宿へ移動。先に現地入りしていた仲間と合流。初めて前日を楽しく過ごせました。

Day1

宿から車で30分ほどで会場へ到着。
スタート時間が遅かったので受付してからのんびり待機しました。会場は過去の大会の写真展示やブース出展もありにぎやかな雰囲気です。

スタートは15分毎に枠が指定されていて、その中で1分おきに各カテゴリー数組ずつスタートする方式。


1分前に地図が配られCPがどこにあるかを確認。

スタート!

最初にしっかり地図全体をみて、ルートをある程度確定させてから動き出す作戦。慌てていると順番がわからなくなるので地図にペンで書き込んでから動き出しました。

実際のルートはこんな感じ。

→AC→CC→CD→DC→CG→DD→CB→BH→BU→DM→CM→BB→BA→DE→AG→F

CPが見つからないとか現在地がわからなくなるとか大きなミスは無かったものの、道を行くかショートカットで藪漕ぎするかでチョイスを失敗したところがいくつかあり、思ったより時間がかかってしまいました。
特にCG→DDの間のショートカット。身動きが取れなくなるくらい笹薮がすごすぎて倍以上時間がかかってしまい、素直に道を行けばよかった・・・と反省。

このあと笹薮地獄が待っていた・・・



CB(50)あたりで制限時間の半分経ってしまったのでAH(20)とDL(50)を諦めて無理せずに戻る方向にルート変更。戻りながらポイントを取って回り、時間が1時間あまったのでゴールを通り過ぎてAG(40)をとって30分前にゴール。

Day1 490点 (6:31:18) 22位


少し時間が余ってしまいもうちょい遠くまで攻めてもよかったかなと思いつつ、タイムオーバーするよりはこれくらいの方がいいかなと思います。
初スコアでどれくらいの順位になるのか全然イメージできていなかったが3位表彰圏内と40点差の22位と健闘しました。
少し頑張ったら10位以内が狙えるんじゃないかと2日目に期待。

Day1ゴール後
日中はそこまで寒くなかったけれど、夕方からはどんどん気温が下がり中綿のジャケットとパンツ、フリースと着れるものはすべて着ました。
テント設営の時は手がかじかむくらいでした。

いままで出ていたストレートA,Eよりも2~3時間制限時間が短いのでキャンプ地についてから時間に余裕があり、スタッフやチームメンバーとワイワイできて楽しかったです!エリートの時は戻ってきたら疲れ切っているし、すでに暗かったり、みんな食べ終わってたりだったので今年は全然違くて新鮮でした(笑)

少し風邪気味だったので早めに就寝。朝まで10時間寝ました。



Day2
5時起き。途中何度か目が覚めたがそこそこ寝れました。むしろいつもより寝ました。
朝ご飯を食べて撤収。テントやシュラフカバーが濡れていて収納するのに手が冷えて辛かった・・・そして重い。

6:25スタート。

2日目のルートはこんな感じ。

DK-BF-AD-CA-AL-BN-DH-AK-BM-CN-F
バディがあまり寝れなかったらしくスタート直後から眠くなりペースが上がらないもののナビゲーション的には大きなミスは無く進めました。
一番遠いDH(50)を取りに行ったことで時間が無くなり予定のDB(30)AJ(40)2カ所が取れず予定より-70点。優勝の大畑ペアもDHを取りに行って2日目順位を落としていたのでDHを捨ててゴール近くのポイントを多くとるべきだったようです。
ただDHへの道は標高が高くてうっすら雪が積もっていたり、湖や綺麗な沼があったり楽しいコースでした。


最後はバディを励ましスキー場を激走してゴール!

最後のゲレンデで僕の後ろを懸命に走るバディ。顔が必死すぎる+謎の木の棒w Photo by OMM OFFICIAL
頑張りました!

Day2 350点(5:53:10) 23位  計840点 総合21位


《主な装備》

装備ブランドアイテム名重量(g)
①フラスクOSPRAYスポーツボトル2本114
Nathan532ソフトフラスク1本30
②浄水カートリッジKATADYNスペアカートリッジ37
・コンパス(方位磁石)STR828
・予備コンパスsuunto15
③レイン上TetonBros.Breath Jacket244
④レイン下TNFStrike Trail Pants117
⑤予備のベースレイヤーpatagoniaエアシェッドプロ170
⑥予備のフルレッグタイツ等OMMRotor Pant257
⑦上半身用防寒ウエア 1OMMROTORSMOC230
・上半身用防寒ウエア 2TetonBros.COCOON JACKET330
⑧帽子TNFビーニー35
⑨手袋extrimiiesparadox glove52
⑩ソックスfeeturesエリート ライトクッション23
⑪寝袋 + ドライサックmonbellダウンハガー800 #5712
⑫マットthermarestNeoAir®︎UBERLITE small170
⑬エマージェンシーシート又は防水シェラフカバーSOLエスケープビビー149
⑭ザックPAAGOWORKSRUSH30SP720
⑮トラッシュバッグ8
⑯ファーストエイドキット163
⑰ライト&電池(12 時間以上使用できること)Black Diamondesprint50
・携帯電話169
⑱予備バッテリー135
・熊鈴34
⑲テントHELITAGEクロスオーバードーム2 2G656
⑳クッカーPRIMUS210
⑳ ストーブSOTOウインドマスター67
⑳ ガス缶SOTO110192
・ホッカイロマグマ2個120
・歯ブラシセット50
小計5455g

食料系は
水1.5L+浄水フィルター
行動中はジェル、グミ、ANDO等
テン場での食事はフリーズドライ、棒ラーメン、パン、トレイルバター
という感じでした。最終の重量を測っていないですが8㎏位だったと思います。

《感想》
OMMはGPSやデジタル機器が進歩して便利な現在に、紙の地図とコンパスというアナログな物を使って2日間宝探しをするイベントです。なんて贅沢な遊びなんでしょう。それと、普段の登山やトレイルランニングではトレイルから外れてはいけないと教わっているのに、ガンガントレイルを外れて道なき道をすすみ狙い通りにCPを見つけた時は本当に気持ちいいです。
あとはラップセンターというサイトでCPごとの順位などデータを見ながら楽しめるのもOMMやオリエンテーリングの大きな魅力です。
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?user=114&local=1

あー楽しかった!来年はストレート、スコアどちらにでようかな。

プロフィール

朝長拓也
朝長拓也
Trippers代表

トレイルランはショートからロングレースまでなんでも走ります。
時々フルマラソンも走ります。
OMMやオリエンテーリング等のナビゲーションスポーツも好きです。