日本山岳耐久レース【ハセツネCUP】2022 《朝長拓也》

2019年は台風で中止、2020,2021はコロナで中止。
今年ようやく開催となり、待ちに待った4年ぶりのハセツネを走ってきました。
今回で5回目の出場だったのですが、特殊なルールで唯一無二のハセツネが大好きなんです。
今年はチームメンバー、スタッフもたくさん走ったのと、家族も応援に来てくれたのでスタート前から楽しかったです。



ハセツネの魅力は
1.補給が1か所しかない。
 42km地点の月夜見で1.5Lの水かポカリがもらえるのみ。
2.13:00スタートなのでナイトパートが長い。
 70km程度のレースの多くは早朝スタート、夕方~夜ゴールが多いですが、ハセツネは17-20時間のボリュームゾーンの選手でも一晩中夜の山を走ることになる
3.100マイルレース並みに考えることが多い。
 補給食、水分、ライト、防寒具等しっかりと準備する必要がある。
4.コースが変わらない
 トレランのレースは登山道が崩れたりする等、様々な事情でコースが変わることがありますが、ハセツネは昔からほぼ同じなので過去のタイムを目標に出来る。

最初に出たのが2014年。初のナイトトレイルを走るレースが楽しすぎてハマってしまいました。
過去の戦績はこんな感じ。
2014年300位 11:54:19
2015年208位 11:00:55
2017年152位 12:00:56
2018年286位 14:42:00

2017年2018年は気温が高くタイムもいまいちで2018年に関しては途中で気持ち悪くなり何度も横になりながらボロボロで完走しました。

コース概要
距離:約71.5km
累積標高:約4,500m(garmin計測結果)
制限時間:24時間
スタート時間:10/9(日)13:00

【スタート~第一関門】
水をたくさん背負って荷物の重い状態で第一関門の浅間峠までのきつい区間を走る、かつ渋滞を避けるために突っ込み気味になるのでつぶれない様に注意。渋滞を避けようとしすぎてオーバーペースになると絶対に中盤以降つらくなる。

【第一関門~第二関門】
第一関門からはもう夜。ライトを付けて進む。三頭山への登りはきついがそれまでは結構走れる区間が多い。三頭山から鞘口峠はテクニカルな下り。
鞘口峠から月夜見駐車場までは5km位距離があってなかなか到着しない。

【第二関門~第三関門】
大嶽山、大ダワ、御岳山、登りと滑りやすい下りを進む。

【第三関門~フィニッシュ】
日の出山からはほぼ下り。金毘羅尾根をいかにしっかり走れるかがポイント。

目標タイム
11時間を切るとエリート枠でスタート出来る権利を得られるのと、自己ベストが2015年の11:00:55なので11時間切りが目標です。
夏場の練習量が足りてなくて厳しいかな?と思いつつも4回走っている経験とライトなどの装備や補給のアップデートで何とかなるかな?という感じでした。

作戦

・時間配分 浅間峠 3:25 -月夜見 3:15 -御岳山 2:40 -ゴール1:35  TOTAL10時間55分 。浅間峠までは突っ込まないで、後半しっかり走れるように。
・水 2.3L。今まではハイドレーションを使っていたが、今回はハイドレーションをやめて、ハンドボトルスタイルにした。浅間峠までに両手のハンドボトルを飲み干し浅間峠からポールを持つ。ハンドボトル500ml ×2本、ベスト500ml ×2本、予備350ml×1本
・補給 1時間あたり200㎉。ジェルを5本(600㎉)を入れた500mlフラスクを2本作り、浅間までに1本月夜見までに1本、後半は単体でジェルを持った。
ボトルにジェルをまとめて入れた方が摂取しやすいのとゴミが出ないので最近のレースはほぼこのスタイル。

レースレポ

・スタート前
スタート前の並びは10時間11時間12時間14時間・・・という区切りの中に各自並ぶシステムで、特に事前の割り振りもないため渋滞を避けるために実際のタイムを無視して一番早い設定の10時間に並ぶ人が一番多く、渋滞を増やす原因になっていたのですが、今年はエリート枠が出来たせいか10時間が一番多いという事は無く、程よく分散されていました。僕は4年ぶりのハセツネにワクワクしつつ10時間のやや後ろの位置でスタンバイ。
曇りで気温も程よく走りやすそう。夜からの雨が心配だが暑いよりはいい。

・スタート
以前のようにスタートからも猛ダッシュする人も少なくて程よいペースで走りやすかった。広徳寺からのトレイルもほぼ止まらずに進めた。後ろの方はさすがに渋滞したみたいだけれど今までになくスムーズなスタートだった。
一旦ロードに出て変電所脇を通り今熊山への登り。その間に望月将悟さん、石川弘樹さんが応援してくれていてやはりハセツネは特別なレースだなと感じた。

今熊山を登り入山峠へ。マイペースで進める感じは今までになかった。入山峠で1時間。予定通り。
ここからアップダウンもきつくなる。過去2回15km地点の醍醐丸で足を攣っているので今年は攣らずに行きたいと思いオーバーペースにならない様に注意して進む。

醍醐丸までは脚に余裕もあるなと思いながら進んでいたが、醍醐丸を過ぎて少し行くと内腿がピキピキと攣りそうな予兆。またか…と思いつつ完全に攣る前に1〜2分止まって補給しつつストレッチ。浅間峠まで2回止まってしまった。少し雨が降り始めた

予定通りハンドボトル2本は飲み干した。

【第1関門浅間峠 3:31:31(計画3:25)】予定より6分遅れ。まだいけるか?

ポールとライトを装着。浅間峠からは走れるトレイルが増えて好きな区間。ぬかるみが多く、登りが滑る時はポールで支えてバランスを取りながら進めたのは良かった。三頭山の登りはそこそこキツいが攣らないギリギリのラインで頑張る。攣りかけたら止まって補給タイムとしつつストレッチ。鞘口峠への下りは毎回イメージより長く感じる。岩や段差が多く雨で滑るしテクニカルなパート。補給は予定通り取れた。

【 第2関門 月夜見駐車場 6:56:38 区間タイム3:25:07 (計画3:15) 】予定より16分遅れ 粘って金毘羅尾根を爆走できればまだいけるか??

水1Lポカリ0.5Lを補給。トイレ。

少し降ると風が抜ける区間があり寒くなったのでオリジナルのREACH WINDSHELLを着用。ザックを下さずに着られるのでは本当に良い。(自画自賛)
単独走になる区間が増えるが頑張って前の人を拾って行く。

御前山、大岳の登りはキツいが走れる区間もあり、人も少なく、程よく霧もでてハセツネらしい感じの雨のナイトトレイルを楽しめた。木道が整備されていて走りやすかった。 登りではすぐ足が攣りそうになるので、この区間も攣りかけたら止まって補給タイムとしつつストレッチを繰り返しながら走った。

【 第3関門 御岳山長尾平 9:45:37 区間タイム2:49:01 (計画2:40) 】予定より25分遅れ。 11時間は厳しいか・・・

御岳あたりから前モモのダメージがかなりキツくなってきて大きな段差が辛い。真っ暗な中を淡々と走る。雨は降り続いているがそれほど強くないのでウインドシェルのままで大丈夫だった。

日の出山でポールをしまって金比羅尾根へ。ここからは先は登りはほぼないので、しっかり走らないといけないが、急な下りや段差の度に前モモが悲鳴をあげる。頑張って前を追うがペースは上がらない。でもつぶれてはいない。

毎回後半に補給が疎かになるので意識して最後までしっかり補給した。

金毘羅神社を過ぎてロードにでる。ゴールまでもう少し。夜の住宅街を静かに走る。懐かしい。

【FINISH 11:21:15 男性114位 総合128位 区間タイム 1:35:48   (計画1:35) 】区間タイムは予定通り。

目標、自己ベストには20分届かなかったけど、順位は過去最高。
5回目という事もあり、現状の走力なりにペースを上手くコントロールしてつぶれることなく安定して走り切れたと思う。

・まとめ
1.ハセツネはやはり楽しい
2.練習は不足は誤魔化せない

・装備
バックパック:salomon / adv skin 12 set
シューズ:TECNICA / INFERNO X-LITE3.0
ウインドシェル:TRIPPERS / REACH WINDSHELL HOODY
レインウェア:goreware / R7 ゴアテックス シェイクドライ™トレイル フーディッド ジャケット
TNF / ストライクトレイルパンツ
シャツ:patagonia / capilene trail
パンツ: patagonia / エンドレスランショーツ
アンダーウェア:MILLET / Drynamic Mesh NS Crew
finetrack / ドライレイヤークールボクサー
アームカバー:R×L / TSA-11
靴下:smartwool / アスリートエディション ラン プリントクルー
頭:patagonia / ダックビルキャップ
手:UNWASTED / adapt
ライト:ヘッドライト milestone / MS-i1 ウエストULTRASPIRE / Lumen 600
時計:garmin / Forerunner 945
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト
ポール:MOUNTAINKING / TRAIL BLAZE

ポール:持つか悩んだが、夜からの雨でぬかるみが増えると予想されるのでバランスを取るのと滑る登りでのサポートになると考えて持つことにした。結果的にポールは大正解だった。

ライト:ポールを持つのでハンドライトではなくウエストライトをチョイス。霧が濃い場合はヘッドライトを消してウエストかハンドだけにした方が良く見える。霧の多い状況でしっかり走るためにはヘッドライト以上にウエストかハンドライトが重要。

・補給食 合計約2700㎉
ジェル:mag-on 5本 / AMINO SAURUS 7本 / ANDO 6本 / 塩ジェル 4本
ドリンク:GU / ROCTANE ENERGY DRINK MIX
固形:エネ餅 1 / スポーツようかん 2 / 黒糖わらび餅 2 /
他:magma 3 /
水:2.3L ギリギリ足りたけどもう少し自由に飲みたかったので3L弱持った方が良かったかもしれない。

レース後

体育館で仮眠して、5時ごろの電車でお店に戻り、空きスペースで仮眠。10時からハセツネフェス営業を開始しました。
レース後に選手、ボラの方も寄ってくれて嬉しかったです!

翌日の営業までが僕のハセツネでした。
来年もまた走ってお店もやりたいと思いますので遊びに来てくださいね!


プロフィール

朝長拓也
朝長拓也
トモナガと読みます。
私が初めて山を走ったのはのは2012。山を駆け下りる疾走感、自然との一体感、こんな楽しいスポーツがあるのかと衝撃を受けました。
今でもその時の感動を覚えています。

私は特別速い訳ではないし、まだ100mileを走ったこともないし(2018年ようやく100マイル走りました!)、大会にたくさん出てきた訳ではありません。
でもトレイルを走るのは大好きです。
トレイルを走っているときに自然と笑顔になったり、訳もなく涙があふれてきたり。
うまく表現できないけど自分が解放されてく様な感覚が最高に気持ちいいのです。

人それぞれ感じる事は違うと思いますが、最高の時間をみんなで共有できたらいいなと思っています。

ランナー、トレイルランナーが気軽に集まれるお店にしたいと思っています!
一緒に走りましょう!よろしくお願いします!!