OSJ 新城トレイル11k&64k 《小林 遼志》

3/26~27に愛知県新城市で開催された「OSJ 新城トレイル」に参加しました。
土曜日に11k・キッズ1k・キッズ3k、日曜日に32k・64kと5つのレースが開催され、11kと64kに参加しました。
64kは32kのコースを2周する「新城ダブル」と呼ばれるカテゴリで、32kの制限時間が10時間なのに対して64kで11時間(※)しかない国内最難関のレースです。
初めての人は参加することができず、32kを5時間以内に完走すると64kの参加資格がもらえます(有効期限などはなさそう)
ちなみに2021年に32kで5時間以内に完走したのは636人中48人でした(今年は暑かったせいか速報ではたったの28人…)
※後で説明しますが、途中の関門の方が厳しいため11時間ギリギリのゴールになることはほぼありません。

・コース概要
【11k】距離:約11km
累積標高:約900m(garmin計測結果)
制限時間:4時間
スタート時間:3/26(土)10:00

【32k】距離:約30km
累積標高:約2,500m(garmin計測結果)
制限時間:10時間
スタート時間:3/27(日)8:00

【64k】距離:約60km
累積標高:約5,000m(garmin計測結果)
制限時間:11時間
スタート時間:3/27(日)7:00

32kは第1関門(亀石の滝)5:00、第2関門(棚山迂回路)7:30、第3関門(国体コース分岐)9:00で制限時間が10:00です。
64kは第1関門(1周目終わり)5:30、第2関門(2周目の亀石の滝)7:00、第3関門(2周目の棚山迂回路)9:00、第4関門(2周目の国体コース分岐)10:00でフィニッシュ制限時間が11:00です。
2周目のスタート地点から亀石の滝まで1:30では行けない(上田瑠偉さんが1周で1:16)ので第2関門を7:00で通過するには第1関門の5:30はほぼ無意味です。
第4関門からゴールまではゆっくり進んでも1:00はかからないのでフィニッシュの制限時間もほぼ無意味です。
つまり気にしなければいけない制限時間は第2関門7:00、第3関門9:00、第4関門10:00の3つということになります。
ただし逆算していくと第4関門に10:00で辿り着くためには第3関門を9:00ギリギリでは厳しく、第3関門に9:00で辿り着くためには第2関門を7:00ギリギリでも厳しく、とにかく制限時間が厳しいことが分かります。
参加資格は32kで5:00以内ですが、おそらく完走できる最低レベルとして1周を全力なら4:30程度で回れ、かつ4:45でかなり余力を残して回れるぐらいの走力が必要だと思われます。
僕は去年4:43かかっているので、そのままの走力では完走するのは厳しいことが分かります。1年でどれだけレベルアップできているのか…

・目標&プラン
1月に痛めた脚が3月上旬には歩くだけで痛い状態になってしまいました。
前日までに痛みはあるもののなんとか走れるぐらいにはなったのでとりあえず土曜の11kを走ってみて、どれだけ痛みが出るかで日曜の64kを走るか判断することにしました。
ただし故障していた期間にしっかりトレーニングが積めておらず、しばらく強度を上げてもいなかったので不安でいっぱいでした。
目標はとにかく完走。それだけです。
前半飛ばして貯金を作ることは不可能で、とにかくギリギリのタイムで関門をすり抜けていく計画としました。

1周目 亀石の滝 1:42 棚山迂回路 3:33 国体コース分岐 4:29 フィニッシュ 4:57(制限5:30)
2周目 亀石の滝 6:52(制限7:00) 棚山迂回路 8:56(制限9:00) 国体コース分岐 9:59(制限10:00) フィニッシュ 10:31(制限11:00)

・レースレポ
【11k】
朝起きたら徒歩でやや脚が痛む。嫌な感じだけどとりあえず走ってみることにする。
スタートしたらまずはゆるい上り基調の林道を3kmぐらい進む。
去年は目一杯プッシュしたが今年は脚の痛みも気になりペースが上がらない。抑えてるつもりだけどしんどくてすぐに歩きたくなる。
去年よりは明らかに遅いペースで林道を追えて急登に取りつく(後でログを見たら去年の11kはおろか32kの時より遅いペースだった)
登りもきつくて全くペースが上がらない。やがてライバルの西川さん(OSJ2019、2020チャンピオン)に後ろにつかれていることに気づく。苦しくてペースが上がらず先を譲るとみるみる離されていく。追わなきゃと思うけれど差は開いていく。
やがて「トレーニングができてなかったし」とか「無理すると明日のダブルに響くな」とか自分に言い訳をしてペースが落ちることを許容してしまう。
途中からは脚の痛みは気にならなくなったがレースモードにスイッチが入らないままだらだらとコースを進む。
後ろからどんどん選手が来るのに必死に逃げることもせず最後のちょっとしたロードで5人ぐらいに抜かされ、11kしかないのに去年より8分近く遅いタイムでフィニッシュ。

Finish 1:36:56 / 30位(男女別26位)

【64k】
朝起きて脚の痛みはひどくなっておらず前日と同じような感じ。ただ出し切らなかったぶんダメージは小さそう。
64kのスタート前は出場選手全員がひとりずつ名前を呼ばれてとても盛り上がる。
テンションは上がるが最初の林道はやはりペースが上がらず、昨日よりもさらに抑えたペースで進んでいく。
林道を終えた時点で後ろには数人しかいなさそう。
山パートに入ってもなかなかペースが上がらないが先は長いので無理せずに進む。暑くて水分の消費が激しい。

亀石の滝通過 1:45(計画1:42)

既にギリギリ完走の計画よりも遅れ始めているが、3分ならまだ挽回できるはず。
それにしても暑い。エイド毎に500ml×2のソフトフラスクいっぱいに水を汲んでいる。
次の区間は比較的走れる区間だが、だんだん脚が重くて走るのがしんどくなってくる。
脚が上がっていないのかボーっとしているのか、誰もいないシングルトラックで躓いて前方にダイブ。左腕と左脚をすりむいて右脚を攣り、痛みでしばらくうずくまる。
起き上がってダメージを確認。まずは歩いてそれからゆっくり走り出し少しずつペースを上げる。大丈夫そうだ。
去年一度だけ通ったがコースを全く覚えていないのでエイドまであとどのぐらいあるのか分からない。
計画の時間を過ぎてもまだエイドに辿り着かない。まずいな…

棚山迂回路通過 3:40(計画3:33)

1周目5:00を超えると完走できる可能性は限りなく低いが、4:57の計画より既に7分も遅れている。早くも厳しい状況になってしまった。
ペースは遅いのにかなり疲れてしまっていてこれ以上ペースを上げられないどころか維持するのもきつい。
とにかくしんどくてどんどんペースが落ちる。もう時計を見て急ぐこともできない。

国体コース分岐 4:45(計画4:29)

計画に対して16分遅れ。第2関門の通過はほぼ不可能となってしまった。
足場の悪い下りとたまにやってくる登りがとてもしんどい。
新城は甘くなかった。

1周目フィニッシュ 5:20(計画4:57)/ 第1関門5:30制限

1周目の最後はOSJ友達の丹羽さんや野口さん(2021チャンピオン)と一緒になる。
皆途中でやられてしまったようで2周目には行かないと言う。
自分は初めての新城ダブルなので2周目の雰囲気を味わうために先に進んでみる。
ゆるやかな林道がもう満足に走れない。こりゃ時間があっても2周走り切るのはかなりきついな…
やがて去年完走した友人の山崎くん含めて何人かの選手に追いつき和気あいあいと進む。もうろくに走れないしふらふらだけどこの時間はすごく楽しかった。
途中で離脱してスタート地点に戻る人や亀石の滝を目指す人、関門通過はもう絶望的だけどまだそれぞれのレースは続いている。
やがてスイーパーの方に追いつかれ自分達が最後のランナーとなる。
トレイルランニングのレースに出始めて8年目にして2回目のDNF(前回は2015年白馬国際50kで前日に発熱したのに出走して途中で倒れた)
1年間鍛えて来年また挑戦しよう。

亀石の滝関門アウト 7:57(計画6:52) / 第2関門7:00制限

・まとめ
1.新城は本当にきつい
2.不調では話にならない
3.前日に11kを走るのも無謀

・装備
バックパック:salomon / adv skin 5 set(50kのみ)
ウエストバック:Ultimate Direction / comfort belt(50kのみ)
        Compressport / free belt pro(10kのみ)
シューズ:salomon / sense pro 4
     FUSION-FLEXI +S
レインウェア:salomon / bonatti race waterproof
シャツ:SAYSKY / blaze singlet(Trippersロゴ)(10kのみ)
    salomon / sense tee(50kのみ)
パンツ:NIKE / Fast Half Tights
靴下:innerfact / 5本指ショート
手:salomon / fast wing glove U
頭:patagonia / duckbill cap
ライト:LEDLENSER / MT10
時計:garmin / fenix5
ゼッケンベルト:trippers

・補給食
ジェル:チャレンジャーパワーリキッド、メダリスト
ドリンク:アミノバイタル粉末、トップスピードウルトラミネラルタブレット
他:羊羹、ハニーローストナッツ、magma、練り梅

2021年のOSJ年間ランキング2位の表彰。2022は1位を目指します!

 

プロフィール

朝長拓也
朝長拓也
トモナガと読みます。
私が初めて山を走ったのはのは2012。山を駆け下りる疾走感、自然との一体感、こんな楽しいスポーツがあるのかと衝撃を受けました。
今でもその時の感動を覚えています。

私は特別速い訳ではないし、まだ100mileを走ったこともないし(2018年ようやく100マイル走りました!)、大会にたくさん出てきた訳ではありません。
でもトレイルを走るのは大好きです。
トレイルを走っているときに自然と笑顔になったり、訳もなく涙があふれてきたり。
うまく表現できないけど自分が解放されてく様な感覚が最高に気持ちいいのです。

人それぞれ感じる事は違うと思いますが、最高の時間をみんなで共有できたらいいなと思っています。

ランナー、トレイルランナーが気軽に集まれるお店にしたいと思っています!
一緒に走りましょう!よろしくお願いします!!