TRCメンバーのレースレポート⑧ MAMM、甲州アルプスオートルートチャレンジ50K、OMM JAPAN 2021 MOTOSUKO、IZU TRAIL Journey 70K《暁子さん》

数々のレースが中止となる中、この秋冬はレースが目白押しで超多忙という贅沢な悩みを味わってしまいました。
出たレースを総括してみては、というお話をいただいたので2ヶ月で4つのレースに出た感想をまとめてみたいと思います。3つでいいよって言われたのに4つも書いて長くなってしまいましたがお付き合いください。

① 大会名

MAMM、甲州アルプスオートルートチャレンジ(リリールート)、OMM(ScoreMediumの部)、ITJ70k

② 目標タイム

■MAMM:初めてのナビゲーションレースを喧嘩せず乗り切る
■甲州ア:タイム設定せず。腰痛を悪化させず完走
■OMM:あわよくば上位3割くらいに食い込む
■ITJ:前回より3㎞長いが、前回タイムの12時間09分を切りたい

③ なぜそのレースに出ようと思ったのか

去年からレースにエントリーする人の多くがそうであったように、開催してくれそうな大会。
OMMは「山の総合力」を試すというテーマに憧れて。MAMMはその練習として。
甲州アルプス、ITJは以前出て楽しかったので夫とも来たくて。
まさか全部開催してもらえるとは思いませんでした…

④ レースまでの練習内容

春に目標レースが中止になって、この機会にずっと繰り返していた足腰の不調をしっかり治そうと思いスポーツ整形を受診。体の使い方がヘタクソすぎて末端や腰に負担がかかっているらしく立ち方レベルから直してもらうことに。TRCの練習会とリハビリで出される体幹トレーニングなどの課題はそこそこ熱心に取り組むも、走るモチベーションは上がらないまま夏が過ぎ秋が過ぎ。

7月以降のログを見ると平均月180km、週2,3回は走っているもののその内訳は週1回の山、残りは近所の河川敷や緑地を10km前後のjog。走行距離の半分は山遊びで稼いでいる感じ。
山は日帰りでは近場をゆっくりトレラン。テン泊で北アルプス、長沢背稜などちょっと頑張るコースに挑戦したり、TRCの同期と富士山駅スタートで富士山に登ったりもした。元々山歩きから入ったため山で頑張る習慣がなく、特に暑い時期はほぼハイキング。走力はともかく山の力は上がった気がする。

レースが近くなってからはとにかく疲労を貯めない、痛みが出ても長引かせないことを心がけた。ナビゲーションレースは読図力がないから地図とにらめっこで走るどころではないと思い、身体の負担は低めと予想。体調的に甲州アルプスとITJのトレイル2戦に小さいピークが来たらいいなと考えたけれど、足腰の調子の波をなだめつつちょこちょこ走るので精一杯だった。
特に前半2戦は調子の波が大きかったのもあり、試走や地図読み対策くらいしか準備できず。
OMM対策はトリッパーズの地図読み講座への参加(おすすめです!)、本、近所のパーマネントコースに行ってみたり、前年度のマップを見て妄想したり。4戦の中では一番熱心に準備した。
ITJ対策では林道に練習に行ったり、傾斜地を多めに走るようにしたけれど、ほどほどの負荷で走るに留めておいた。ITJはTRC同期が何人もエントリーしており走り込んでいるのを見て焦る気持ちが出たが、のりコーチにも無理せずにしっかり疲労を抜くようアドバイスをもらって踏みとどまる。
前年のITJのときは9月から練習計画を立ててのりコーチに見てもらってたのに比べると今年はたるんでいる。

⑤ TRCに入って今までと練習で変わった点

ドリルや準備運動の方法といった基礎的な部分。今は色々と情報が手に入るけど、実際に自分の体を動かしながら、仲間と自分の動きを見比べながら行うと情報量が全然違う!私のような運動音痴の人こそ教わりながら動くのは大事だと思う。自己流で走っていた頃はずっとコレジャナイ感があったけれど、TRC2年目にして、あっ今いい感じで走れてる!コレだ!という瞬間がたまーにおとずれるようになりました。
そしてなにより練習仲間の存在!これについて書くと本当に滅茶滅茶長くなるので簡潔に。東京さ出てきて初めて友達ができました。大事にします。

⑥ 当日のレース展開

■MAMM(10/17 くもり)
チーム戦であるMAMM・OMM。夫は元々ナビゲーションレースの参加は渋々で、しつこく拝み倒してバディになってもらった。この大会をいかに良い雰囲気で終えるかが肝!と思い、前泊から全力で楽しく過ごし、当日はガツガツせず和気藹々といこう!と心に決めていた。が、何故かスタートからバディの鼻息が荒い。せっかくだからこの勢いでいってしまえ!と普段は走らないような傾斜の林道も爆走し、難しそうなコントロールも挑戦。結果としてはスタート時に想定したコントロールよりも多く回ることができ、順位は約100チーム中28位と上々。これがビギナーズラックか。レース後地図を片手にああすればよかったこうすればここも行けた!?と皮算用するバディを見てこれはハマったな、とほくそ笑む。

■甲州アルプスリリールート(11/7 はれ)
直前まで腰の調子が悪く、DNSが頭をよぎるも前日TRCの練習に顔を出してみんなに頑張ってね!とちやほやしてもらって元気にw
当日はゆっくり入って抑えめに走り、エイドでもゆっくり過ごした。未踏区間がほぼない状態で臨めたので焦らず進むことができた。冷えると痛みが出やすいので暖かめの装備にしていて暑かったが、そのおかげか中盤から調子が上がって、以前30kのマロニエルートに出たときに苦しめられた最後の心臓破りのトレイルも長い長いロードもそこそこ走れて成長を感じた。

■OMM ScoreMedium (11/13-14 はれ)
初日6時間、2日目5時間でいかに効率よくコントロールを回って多くのポイントを取るか、というscoreという部門。
前日受付への道すがら、苔むした樹海を見てここが舞台になるのか…とドキドキ。
初日。スタートと同時に地図を受け取り必死に読む。学生時代の試験みたい。今日は本栖湖を時計回りに一周するコース設定みたい。
事前にタイムアウトだけは気をつけないとヤバイ、バディとケンカになると地獄、思ったほど回れないから欲張ってたくさん回ろうとするとヤバイ等々OMMなめると後悔するぜという話を聞いていたうえにここは富士山麓。遭難するととんでもないことになりそうだし、登山道ないところはろくに進めないんじゃないか、としっかり道があるところを中心に堅実にいくことに。ところが思ったよりもさくさく回れている。これはもう少し取れるコントロールがあったのでは???と気付いた時にはいまさら行けるようなところはなく、持ち時間を1時間半以上残して初日終了。早く着きすぎてゴール時は暫定1位でした。

2日目は本栖湖南側の樹海エリア。前日のわかりやすい登山道中心のコースとは打って変わって一面のススキ原、苔むした林に薄い踏み跡。地図も真っ白に見えるレベルの等高線の疎らさ。これはどえらいコースだというのは地図をもらった瞬間わかった。でも今日はもうちょっとチャレンジしちゃおうよということで、難しそうなコントロールも探してみる、でも深入りしないということでまとまる。
この日はものすごく冴えていて序盤で一つ苦戦したものの、どんどん見つかって面白かった。そんな中、いまだに悔しいのが、ゴールへ行く途中のサービス問題っぽいコントロール(CE20)が見つからなかったこと。周囲に明らかに探している人はいる。キョロキョロしながら他チームと「ないっすねぇ」なんて言いあう。でも誰もワー!あったあった!なんて言わずいつの間にかスーンと消えていく…。この感じは本当独特で大人の宝探しってこういうことか!と思った。
悔しい思いをしつつ次に進んで、残り時間はゴール横のひと山登って30ポイント獲るか!?無理か!?さっきのところで時間食いすぎたか!!とかやりながら無事OMM終了。楽しかったー!一番楽しみにしていた大会が終わり、気持的にはこれで今シーズン終了!

■ITJ70 (12/12 はれ)
TRCの同期が5名もエントリー。
前々日までは食事に気を遣い、しっかり睡眠をとって体調を万全にしておいてからの、前日の宿でのフードファイト。翌日のお腹が心配になるくらいすごい量の魚介が出て、まあ大丈夫でしょ!の精神で完食。
宿はスタート地点まで2km程度だったので朝はゆっくり準備して余裕を持って到着。トイレに行く時間もしっかりとったけれど、まだお腹がいっぱいで一抹の不安。今回も冷えないように暖かめの装備。
前回はA1こがね橋前の長い林道下りで足に痛みが出たので、そこを無事に切り抜けるのが第一目標。去年よりゴール地点が3km先になっているけれど、タイムは上回りたい。去年のタイムより少しずつ先行して進めればいいか、くらいのいい加減な設定。
最終ウェーブでスタート後、15kmくらいまでは夫や仲間と合流したり離れたりしながら次第に一人旅に。A2仁科峠までは昨年より20分くらい先行していてなんだか調子良い気がする。12時間切りが頭の隅に浮かぶように。同じくらいのペースの人が多く、スムーズに進む。
異変が起きたのはA2仁科峠からA3土肥駐車場の間。しっかり補給して意気揚々と出発したのに急激に疲労が…。トレイルの登りは得意なのに止まりたくなってしまってこれはまずいと思った。止まることはないけれど登りもヨロヨロ、元々遅い下りやロードではばんばん抜かれ、強風によろめき、辛くて辛くてたまらなかった。去年も苦しかったけど今年はその比じゃない。途中で応援してくれたメンバーに散々泣き言を言う…。一向に進んでない気がするけれども、それでも去年は夕焼けだった達磨山ではまだ明るく、去年より良いペースで来ていることは確か。残り8㎞くらい、真っ暗になって長い長い下りをひた走っている間に時計の電池がなくなった。もう疲れて100mおきに時計見たいくらいのなのに電池切れかあ。もはやペースが速いのか遅いのかもわからず、何度も抜きつ抜かれつした選手とまた会ったり離れたりしているうちにとうとう最後のロードに出た。昨年はゴール地点が違ったので修善寺の街は初めて。ロードも走ったよと報告したい一心でなんとか走ってゴール!
12時間は切れなかったけど当初の目標は達成できた。参加していないメンバーも速報を見て盛り上がってくれてたみたい。
この後は後続のメンバーと合流して猛ダッシュで三島へ。3分でシャワーを浴びて打ち上げに。前回はゴール後はグッタリで全然食欲なかったのに、今回の初完走組はモリモリ飲み食いしてて負けた気分w

⑦ 結果

■MAMM:総合28位
■甲州ア:11:24:58
■OMM:26位
■ITJ:12:05:50

⑧ 目標を達成できた要因

・故障とうまく付き合えた
リハビリと練習会で習ったことが良い感じに結び付いて、身体の使い方について意識するようになった。
運動音痴なりに「良い動き」みたいなもののイメージがやっとつかめてきたというか、ちょっと痛みが出ても少しずつ修正できるようになった…気がする。

・前年の経験
今回は計画的に練習を積む形にはならなかったけれど、前回のITJに向けてのりコーチに相談しながら練習したこと、終わってからの反省点があったおかげでうっすら対策ができた。

・一緒に同じレースを目指す仲間の存在
装備についてあれこれ相談したり、一緒に走りに行ったり。現地に応援に来てくれたり、ちょっと会っただけの方が声をかけてくれたり。一人で、夫婦で自己流で走っているだけだったらどこかでつまずいたり、苦い思いをしていたのではないかと思う。

⑨感想

2020、2021と本当にうんざりすることばかりだったけれどTRCのおかげで楽しく駆け抜けることが出来ました。
上でも少し書いたけれど、自己流で走っていたままだとコロナで心が折れるか派手な故障するかで走るのをやめていたかもしれないなあと思います。
これを書いている2022年2月現在、あの冬のちょっとのんびりした空気が幻のように感じられるようになってしまってますが、開催の有無を心配をしなくて良い世が一日も早く戻ってくるのを願ってやみません。次はじっくり準備して100㎞完走したい!

プロフィール

朝長拓也
朝長拓也
トモナガと読みます。
私が初めて山を走ったのはのは2012。山を駆け下りる疾走感、自然との一体感、こんな楽しいスポーツがあるのかと衝撃を受けました。
今でもその時の感動を覚えています。

私は特別速い訳ではないし、まだ100mileを走ったこともないし(2018年ようやく100マイル走りました!)、大会にたくさん出てきた訳ではありません。
でもトレイルを走るのは大好きです。
トレイルを走っているときに自然と笑顔になったり、訳もなく涙があふれてきたり。
うまく表現できないけど自分が解放されてく様な感覚が最高に気持ちいいのです。

人それぞれ感じる事は違うと思いますが、最高の時間をみんなで共有できたらいいなと思っています。

ランナー、トレイルランナーが気軽に集まれるお店にしたいと思っています!
一緒に走りましょう!よろしくお願いします!!