OSJ KAMI 100 2021 《小林遼志》

11/5~7に兵庫県美方郡香美町で開催された「OSJ KAMI100」に参加しました。


この大会は2019年まで行われていたOSJ氷ノ山山系トレイルレース(2019年のレポです→https://tr2021.work/archives_runnersblog/11357)がリニューアルされて、100kmの部(約37km×3周=約112km)と37kmの部(約37km×1周)の周回レースに生まれ変わりました。
僕は100kmの部に参加しました。
スタートゴール地点は2019年の氷ノ山と同じ、ハチ北スキー場(※)です。

※大会の公式サイトでは「ハチ北高原スキー場」と表記されていますが、Googleマップでは「ハチ北高原スキー場」で検索しても「ハチ北スキー場」と「ハチ高原スキー場」しか出てきません(ハチ北スキー場が正解です)
  最初は訳が分からず混乱しました。
  〇「ハチ北スキー場」「ハチ北高原スキー場」
  ×「ハチ高原スキー場」
  ですのでご注意ください。

・コース概要
距離:約112km(約37km×3周)
累積標高:約6,100m(garmin計測結果)
制限時間:25時間(2周終了:15時間30分の関門、3周目兎和野高原:22時間30分の関門あり)
スタート時間:11/6(土)9:00

コースはロード、林道、山が交互に出てくる比較的走れるコースです。
給水所は大エイドが2箇所と、小エイドが3箇所(1箇所は帰りも通るので4回)あり、お菓子やコーラ、ジェルなど補給食は充実していました。
スタートゴール地点もエイドになっていて周回毎にカレーやコロッケなど美味しい食べ物が振舞われていました。
また、スタートゴール地点では自分で用意したドロップバッグ(車orテントで保管)も使うこともできます。

・周辺環境
2021年11月時点の情報を記載します。計画される際は必ず営業日時をご確認ください。
今回も2019年の氷ノ山の時に利用した業務スーパーを使おうと思っていたのですが、行ってみたらなくなっていました…

風呂
会場(ハチ北スキー場)から約1.6km下ったところに「ハチ北温泉湯治の湯」があり、レース当日は24時間営業してくれていたので夜中にゴールしてもすぐ入ることができました。
大会を応援する看板も置いてくれていて歓迎されていることが分かりました。

道の駅
一番近いのは「ハチ北」で会場から約5.8km。食堂とお土産屋さんがありました。
次に近いのは「村岡ファームガーデン」で会場から約11.1km。こちらも食堂とお土産屋さんがあり、ハチ北よりも綺麗で広いです。
3番目は会場から約21.9kmの「ようか但馬蔵」ですが、八鹿氷ノ山ICを下りてすぐのところにあります。お土産屋さんが大きいです。

コンビニ
会場から一番近いのはヤマザキで約9.7km。2021年11月時点では6:30~19:30と営業時間が長く、周辺のお店が閉まった夜や朝の補給食追加に重宝するかもしれません(商品は少ないですが…)
次がローソンで会場から約15.2km。さすがの24時間営業です。
また道の駅ようか但馬蔵の向かい、会場から約21.9kmのところにファミリーマートもあります。

スーパー
一番近いのはナカケー村岡店で会場から約10.6km。道の駅村岡ファームガーデンやヤマザキの近くです。
次に近いのはミニフレッシュ関宮店で会場から約12.2kmです。僕は行きにここで買い出しをしました。

食事処
僕は道の駅ハチ北で食べたのであまり調べていませんが、道の駅村岡ファームガーデンに行く途中に何軒かありました。ただどこも営業終了が早いのでご注意ください。
会場近くの風呂(湯治の湯)でも食べられるかもしれません。

・目標&プラン
新設された大会のため過去の参加者の情報がなく、また東京からは遠くて試走に行けないので正確なタイム予想ができませんでした。
ただ1周の距離と累積標高がKOUMIより少し多く、今年のKOUMIが3周目終了時で15時間20分だったことから15~17時間ぐらいでゴールできるのでは?と考えていました。
そのため直前まで悩みましたが15時間分の補給食を持ってスタートしてドロップバッグは使わないことに決めました。
補給はジェルを1時間に1本、あとは各周回のスタート時にMAGMAアスリートバーリィを1本、あとは空腹を感じたら適宜羊羹とハニーローストナッツを食べる計画です。
ドリンクは500mlのソフトフラスクを2本持ち、片方はトップスピードのウルトラミネラルタブレット、もう片方はアミノバイタルのクエン酸チャージ粉末をそれぞれ水に溶かして飲みました。
100km前後のレースの経験がなくペース配分に悩みましたが、KOUMIの3周で出し切るイメージでKOUMIの1周目よりやや強度が高いぐらいで入って様子を見ることにしました。それで大体5時間ぐらいかな?と予想していました。

・レースレポ


レースはいきなりゲレンデ脇の舗装路の急登。
周りの選手はかなり速いペースで駆け上がっていくが、惑わされずにすぐに歩きを入れる。こんなところを走っていたら絶対最後までもたない。3周目でも再現できるペースかどうか?を自分に言い聞かせながら進む(それでも結局再現できない)
しばらく登るとやがてトレイルの入り口についた。
あー疲れた。ここで登りは終わりかーと思った瞬間…あっ!
右の爪先が何かに引っかかって体が前方に投げ出される…やばい!と思ってももう空を飛んでいて自分の意志で制御できない。景色がスローに流れていく。体は下り基調のトレイルから左に外れた藪?草むら?の方に向かっている。
あーこれどうなっちゃうの?と思うのもつかの間…どしゃー
よく覚えていないけど上半身から突っ込んで止まった。あーびっくりした…
後方から「大丈夫!?」という声が聞こえてくる。なんとか自力で立ち上がると後続の選手とトレイル入口にいたスタッフの方が駆け寄ってきてくれた。
とっさに「大丈夫です!すみません」と言ってとりあえずゆっくり走り出し、進みながら体の状態を確認する。
足と腕を擦りむいた程度で走りには影響なさそうだ。良かった。
とはいえアドレナリンが出ていて痛みに鈍感になっているかもしれないし、もう一度転ばないように様子を見ながらゆっくり進む。
その後は幸いトラブルはなく淡々と進むが、少しペースが速すぎたようで1周が終わるころにはかなりの疲労を感じてしまい、あと2周できるのかとても不安になった。
ゴールゲートをくぐるところで2周目をスタートするライバル西川さんとすれ違う。頑張って追いかけるぞ!

【1周end 4:30:38(時刻 13:30:38)/ 25位(区間25位)】

【2周go 0:00:23(時刻 13:31:01)/ 16位】

ドロップバックスルーで9人も抜かしたようだ。効果絶大。
だけど足は想定より疲れていて最初の急登が走れない。まだ75kmぐらいあるのに大丈夫かこれ…
ここで無理して潰れたら後半順位を落としてしまうので覚悟を決めてほぼ歩きで上る。西川さんもやられているようで途中で抜かして差を広げる。
そのままトレイルを抜けて最初の小エイドで水の補給をしているとすぐに追いつかれ先に出発される。やはり簡単には勝たせてもらえない。
今度はトレイルで向こうがペースアップしているのか、どんどん差が開いてやがて見えなくなってしまう。ちょっと速すぎ…でもそのペースであと70km進のは無理だと思ったのでいつか追いつくと信じて自分のペースで進む。
やがてトレイルが終わって林道の登りでまた追いつく。今度は少し無理をしてこっちがまた差を広げる。トレイルでも差を広げることを意識して少しプッシュして進み続ける。
夕方になり気温が下がり、動き続けているのにシェルを着ていても肌寒い。やがて陽が暮れてライトを点灯。
疲労が溜まりボーっととしてきてロードは目をつぶって走る。たまに転ばないように目を開けるがボーっとする。
あーやっと残り1周だ。この37kmのコースをもう1周するのか…
ゴールするところで3周目をスタートする選手とすれ違う。暗くて誰か分からなかった。

【2周end 5:00:24(時刻18:31:25)/ 12位(区間10位)】

【3周go 0:01:28(時刻18:32:53)/ 10位】

トイレに寄ったがここでもドロップバッグはスルー。
カレーとかコロッケとか色々美味しそうなものがあったみたいだけど、レースを本気で走るためにここまで来ているので後ろ髪を引かれる思いですぐにスタートする。
速報を見るとさっきすれ違った選手が広島の小田さん(シゲさん)だと分かった。
シゲさんは2年前の氷ノ山で5位を走っていたのに最後のエイドで追いつかれ、そこから必死に逃げるもラスト1kmのところで颯爽と抜かれて敗れたライバルだ。なんとか追いつきたい。
最終周なのでペース配分など考えずに全力で進むがなかなか追いつかない。
たまに前方にライトが見えて喜ぶも、近づいてみたらスタッフの方でがっかりする。
そうこうしているうちに2周目で西川さんに追いついた林道の登りで自分と近いペースの明かりが前方に見える。絶対シゲさんだ。
少し無理をしてペースを上げると少しずつ明かりが近づいてくる。よーしやっと追いついたと思った瞬間…その選手が突然転倒!
「大丈夫ですか!?」と近づくと、やっぱりシゲさんだ。
真っ暗な中ずっと一人で走っていたのでこの終盤に知り合いに会えてほっとした。しばらくしゃべりながら一緒に進む。きっと楽勝で淡々と走っているんだろうと思っていたがシゲさんもきつそうだ。そりゃそうか。みんなきついのに頑張ってるんだ。
自分も全力でレースを走り切りたいので無理してペースを上げて前を追う。シゲさんならきっと着いてくると思ったが、それでも逃げ切るつもりで全力で進む。
途中からは15時間切りという目標を自分で決めてプッシュする。
エイドではコーラを飲みカフェイン入りのジェルを飲みまくる。
最後のロードの下りに入ったところで15時間切りを確信するが、どうしても2年前の氷ノ山でシゲさんに抜かされたシーンがフラッシュバックする…
何度も後ろを振り返りながら必死に走って、ついにゴール!
ちょっと無理しすぎてゴール後は2時間ぐらい気持ち悪かった…

【FINSH 5:18:10 トータル14:51:03(時刻23:51:03)/ 8位(区間3位)※男子総合7位、30代男子2位】

・まとめ
1.最初から飛ばすと最後までもたないよ
2.怪我には気をつけましょう
3.東京からは遠いけど地元の方の歓迎も熱いしこれは非常に良いレースです。来年も楽しみ!

・装備
バックパック:salomon / adv skin 5 set
ウエストバック:Ultimate Direction / comfort belt
シューズ:salomon / sense pro 4
     FUSION-FLEXI +S
レインウェア:salomon / bonatti race waterproof
       OMM / Kamleika short
シェル:trippers / reach windshell hoody
シャツ:salomon / sense tee
パンツ:NIKE / Fast Half Tights
靴下:innerfact / 5本指ショート
頭:patagonia / duckbill cap
手:salomon / fast wing glove U
ライト:LEDLENSER / H8R
時計:garmin / fenix5
ゼッケンベルト:trippers

プロフィール

朝長拓也
朝長拓也
トモナガと読みます。
私が初めて山を走ったのはのは2012。山を駆け下りる疾走感、自然との一体感、こんな楽しいスポーツがあるのかと衝撃を受けました。
今でもその時の感動を覚えています。

私は特別速い訳ではないし、まだ100mileを走ったこともないし(2018年ようやく100マイル走りました!)、大会にたくさん出てきた訳ではありません。
でもトレイルを走るのは大好きです。
トレイルを走っているときに自然と笑顔になったり、訳もなく涙があふれてきたり。
うまく表現できないけど自分が解放されてく様な感覚が最高に気持ちいいのです。

人それぞれ感じる事は違うと思いますが、最高の時間をみんなで共有できたらいいなと思っています。

ランナー、トレイルランナーが気軽に集まれるお店にしたいと思っています!
一緒に走りましょう!よろしくお願いします!!