OSJトレイルランニングレースシリーズ2022 《小林 遼志》
今回はレースレポではなく、僕が今年一年の目標としていたOSJトレイルランニングレースシリーズ2022が全て終了したので振り返りたいと思います。
OSJトレイルランニングレースシリーズとは?
有限会社パワースポーツが主催しているトレイルランニングの大会で、年によって多少変化がありますが2022年現在で10戦とちょっと開催されています。
パワースポーツが主催している大会は他にもウルトラマラソンや陸上の中長距離、バイクやスイムなどもあります。
僕が初めてOSJのレースに出たのは2017年のONTAKE100で、100kmの部に朝長店長と一緒に参加しました。
OSJの特徴
これまでいくつかの国内のトレイルランニングの大会に出場して感じたOSJの特徴です。
1.距離表示があまり正確ではない
大会名が50kとなっているのに実際は60km近くあったり、100kmの部が110kmぐらいあったりします。またコース途中の「エイドまであと〇〇km」やエイドの「〇〇km地点」の表記もあまり正確じゃないです。
50km地点のエイドの数km先に50km地点の看板があったり、100kmの部のコース上に100km地点の看板があったりします。エイドまであと3.5kmの看板からエイドまで7kmあったこともありました。
最初は戸惑いましたが、何度も参加しているうちに気にならなくなりました。
初めて参加される方はこのことをよく覚えておくか、コースを入れられるGPSウォッチを使っている方は事前にコースとエイドの箇所を入れておくと戸惑わないと思います。
2.コースはどの大会もハード
もちろんOSJ以外にもハードな大会はたくさんありますが、OSJの大会に楽なコースはありません。
長い距離と短い距離の設定がある大会で短い方を「初心者向け」とうたっている場合もありますが鵜呑みにしてはいけません。
また「作為的な感動」は用意されていません(用意しているつもりだったらすみません(笑))
きついパートを超えたところにちょうど絶景のビューポイントが用意されていたり、手書きで励ましのメッセージ看板が用意されていたりすることもありません。長い登りが終わっても全く開けた景色がなくそのまま下ったり、同じような景色の林道を延々と走らされたりします。
このコースに挑戦してみろ!と言わんばかりのハードなコースが用意されているだけです。
3.エイドで提供される飲み物や食べ物がわりと簡素(ただし大会による)
僕は普段自分が持っている補給食がメインであまりエイドの食べ物を食べない方なので気になりませんが、普段他の大会でエイドの食べ物をあてにしていてあまり補給食を持たない方は、エイドに何もないぐらいのつもりで補給食を用意した方が良いかもしれません。
また飲み物も水だけのエイドが多いので、僕は水に溶かして使うタブレットや粉末を常に持っています。
場合によっては水もなくなることもあるかもしれません。暑い時期のレースでエイド間がとても長いところもあります。
たくさん水を持てるように準備をしておきましょう。
4.参加費が安い
3とも関係があるかもしれませんが参加費は他の大会に比べてかなり安いです。
2020年以降フルマラソンなどロードの大会が軒並み大幅な値上げをしていますが、OSJはほとんど値上げしていません。とてもお財布に優しいです。
そのぶん開催地での宿泊、食事、買い物、観光など地域振興に協力できますね。
5.アットホームな雰囲気
ONTAKE100は1000人規模ですが、それ以外の大会は比較的規模が小さくゆったりした雰囲気です。華やかさはありません。スタート前も早くから前に並ぶ選手もほとんどいません。
スタッフの方は皆温かく、特にボスの滝川次郎さん(タッキーさん)の熱くて明るい人柄は多くの人を引き付けます。
トレイルランニングを純粋に楽しめる環境で、僕にはとても居心地が良く感じます。
6.年間エントリーができる
年の初めにまとめて全部の大会に申し込むことができます。
年間エントリーをすると参加費が安くなります。おそらくバラバラに申し込むより20~30%ぐらい安いです。
またひとつずつエントリーする手間がかからないので楽です。エントリー開始日時を気にしなくて良いし毎回の入力作業も手数料も必要ありません。大会2週間前ぐらいになると自動的にハガキが送られてきます。
あとはゼッケンの番号が若くなります。
2022年は年間エントリーをしていて前年の年間ランキング上位の選手→年間エントリーをしている選手→前年の年間ランキング上位の選手→有力選手→一般の選手の順に番号が振られていました。(年によって多少異なります)
年間ランキングとは
OSJトレイルランニングレースシリーズでは、調べた限り2008年から毎年年間ポイントランキングをやっています。
http://www.powersports.co.jp/osjtrail/22_pointranking.html
2020年は開催されたレース数が少なく例外でしたが、基本的には対象レースのうち3戦以上完走した選手がランキング対象で、完走したレースのポイントの合計で順位が決まります。得られるポイントはレースによって異なり、距離が長いほどポイントが高いです。
ひとつでも多く完走した方が有利ですし長いレースが得意な方が有利です。
また、ややこしいですが年間ランキングと年間エントリーは無関係で、年間エントリーをしていても3戦以上完走しなかった場合はランキング対象外ですし、年間エントリーをしなくても3戦以上完走すればランキング対象です。
年間ランキングには申請などは不要で3戦以上完走すると自動的にランキングに入ります。
年間ランキングは2022年は男子が5位まで、女子が3位まで表彰対象です。
僕は2019年が4位、2020年と2021年が2位でした。
2019年は景品と賞状と翌年のレース参加費免除(4位は2レース)、2020年は景品と賞状、2021年は盾がもらえました。
調べたところ2008~2016年は賞金が出ていたようで、2009~2011年は1位がなんと50万円(!)、2012~2016年は1位が20万円だったようです。
これまでの優勝者は2008年が渡辺千春さん、2009年が望月将吾さん、2010~2015年が平澤賢市さん(6連覇)、2016・2018年が田辺勉さん、2017年が丹羽望さん、2019・2020年が西川昌志さん(2連覇)、2021年が野口奨太さんでした。
なぜ年間チャンピオンを目指したか
僕が初めてOSJの大会に出たのは先ほども書きましたが2017年のONTAKE100の100kmの部でした。
2017年は1戦だけで(ハセツネとかOSJ以外の大会は出ていました)、2018年はONTAKE100の100mileの部にエントリーしましたが中止になってしまい、安達太良山トレイル50kとKOUMI100の2戦でした。
2019年は奄美ジャングルトレイルの50k、ONTAKE100の100mile、安達太良山トレイル50k、氷ノ山山系トレイルに参加(KOUMI100は中止)し、どれも好成績で年間ランキング4位になりました。ここで4戦しか参加していないのにランクインできたことで、もっとたくさん参加すれば上位を狙えるかも?という欲が出てきました。
僕ぐらいの走力では1つの大会で優勝することは不可能に近いし入賞だってかなり難しいけれど、年間ランキングなら故障せずに1年間頑張ってたくさん完走すれば入賞したり優勝を狙うことも夢じゃないかもしれないと思いました。
また、大会はたくさんあるので1つの大会での優勝者はたくさんいますが、OSJの年間チャンピオンは1年に一人だけですし、知る限り2019年時点で歴代6人しかいませんでした。ここでチャンピオンになって頑張った証を目に見える形で残したいという気持ちが大きくなりました。
2020年は初めてチャンピオンを目指して緒戦の奄美から気合いが入っていましたが、すぐに新型コロナウィルスが流行して軒並み中止になり、ぎりぎり流行前に開催された奄美ジャングルトレイル、これまで一度も中止になったことのない(!)安達太良山トレイル10k&50k、台風以外では中止になったことがないKOUMI100の4戦しか開催されませんでした。
そのため年間ランキングも対象者が「4戦全て完走した選手」という例外対応となり、ライバルの西川さんに僅差で敗れて2位になりました。
ただ、「年間チャンピオン」という一つの目標を1年間目指すことは、どの大会が開催されるか分からない新型コロナウィルス流行時には大きなメリットでした。ターゲットレースに向かってトレーニングをしても開催されず、次のターゲットレースを決めても開催されるか分からない、という状況ではモチベーションを維持するのが難しいです。年間チャンピオンが目標であれば多少大会の数が変わっても関係ありません。年初に立てた目標がブレることなく1年間がんばることができました。
2021年は開催される大会も増え、今年こそは!と気合いを入れて年間エントリーをして全戦参加しましたが、野口さんという強敵に敗れてまたしても2位という悔しい結果に終わりました。
今年のOSJトレイルランニングレースシリーズ
そして2022年。三度目の正直。
全戦参加するのは仕事や家庭のスケジュール調整、遠征費、体力面など色々とハードでOSJ以外の大会に参加する余裕もほとんどないので、今年は最後のチャンスのつもりで挑みました。
ところが気合いを入れてトレーニングの強度を上げすぎてしまい1月に故障…焦りから強度を落としてトレーニングを継続するもなかなか良くならずパフォーマンスだけが下がっていき、しっかりトレーニングができていない上にまだ歩いても痛みが出るような状態で緒戦の新城トレイル11k&64k当日をむかえました。
結果はブログも書きましたが11kはボロボロ、国内最難関の64kは当然完走できるはずもなく、いきなりライバル達にポイントで大きく差をつけられてしまいます。
さらに4月に引っ越しをして生活環境が大きく変わり5月からの暑さにも慣れずなかなか軌道に乗り切れないまま5月6月の連戦に突入してしまいしんどい期間でした。
ただしシリーズ前半の山岳区間が多めのミドルレースよりも後半の走れるロングレースの方が得意な上にポイントも高いため、一度も諦めることはなく常に「絶対に挽回して優勝するぞ」という気持ちでした。
レースの結果は全てブログに書いていますが、後半はポイントの高いONTAKE100の100mileとKOUMI100が7位、苦手な安達太良は悪かったですがこれは想定内、KAMI100はややうまくいかなかったですが12位とまずまずの結果を残せ、安定して走り切った結果…
http://www.powersports.co.jp/osjtrail/point/22-man.html
ついに念願の年間チャンピオンになることができました!!
周りの友人や色んな方から来年もやるんでしょ?と言われますがやはり全戦参加は色々とハードルが高く…2023年もチャンピオンを目指すのは難しいかもしれませんが、みなさんも是非年間ランキングを意識してOSJのレースを走ってみてはいかがでしょうか?
10kmから175kmまで、ハードな山岳コースからガンガン走れる高速コースまで様々な大会があります。こういうのが好きなんだけどどれが良い?など聞いていただければお答えします。
2023年も自分なりの目標を見つけてランニングライフを充実させましょう!
プロフィール
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喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。
OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位
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