ULTRA TRAIL Mt.Fuji2022走ってきた《くま》

ULTRA TRAIL Mt.Fuji
UTMFに出てみたい!憧れから5年
初めての100マイルに挑戦し、念願の100マイラーになりました!

完走タイム:41時間54分33秒
睡眠時間:0分(眠くなかった訳ではないよ、寝てる場合ではなかっただけ)


速いランナーさんのブログは数あれど、速すぎて参考にならない
私のようなエンジョイランナーのブログもあっていいじゃない!

次にUTMFに挑戦するエンジョイランナーのみなさんの参考になれば嬉しいな!
という観点で参戦記録をまとめてみました

●コース概要

2022年4月22日-24日
157.9km 累積標高+6,388m/-6,428m
制限時間:44時間
スタート時間:WAVE4 16:15スタート

※天子山地短縮前の高低表です

●前日受付

前日受付会場は新富士駅15:30〜を予約
宿泊場所:東横INN新富士駅南口 シングルルーム ¥4,900
なぜここを予約したかというと、このホテルは当日の朝、スタート地点までのシャトルバスと帰りのバス(新富士駅or三島駅まで)が無料サービスなのです
とてもお得!
大会公式シャトルバスだと片道¥3,500かかるので東横INNへの宿泊がおすすめですよ

●レース当日、スタートまでの流れ

7:30 起床(1人部屋を予約して正解、ぐっすり9時間ほど寝れた)
8:00 ホテルでビュッフェ朝食
10:00 チェックアウト
10:30 無料シャトルバスでスタート地点に向かう(約1時間半)
12:00-15:00 昼ごはん食べたり写真撮ったり仲間と日陰でゴロゴロ過ごす(エアマットを持参するのがおすすめです
15:00 ドロップバッグを預ける
15:30 スタート地点に向かう

仲間とワイワイ過ごせてリラックス、おかげで今から100マイル走る緊張とか全くゼロだった

●レース内容

リザルトの通過タイムを元に区間ペースやエイド滞在時間を算出してみました

●スタート〜U1富士宮 21.5km

時刻 16:15~19:22
区間距離とペース 21.5km 8'42/km

思ったよりも周りのペースが早いが、焦らずマイペースをキープ
登りは走らない
心拍は130bpmを超えないように心がけた

●U1富士宮〜U2麓 43.2km

時刻 19:22~23:51
区間距離とペース 21.7km 11'48/km

いつも痛くなる右股関節が痛くなったのでストレッチなど小まめに行いながら進む
暗くなり、気温は21℃、動いているので寒いと感じていなかったが、太ももを触ると冷たい
ロングパンツを着用する、するとさっきまで悩んでた股関節の痛みがなぜか消える
冷えは大敵!と今更気づく
靴を脱ぐ面倒くささから後回しにしがちだが、面倒くさがらずロングパンツをすぐ履こう

●U2麓〜U3見延本栖湖 53.7km

時刻 23:51~3:22
区間距離とペース 10.5km 17'05/km

U2麓エイドで楽しすぎて滞在時間が長くなってしまって反省(31分遊んじゃった)
以後のエイドは15分以内に出るよう心がける

上手く写真に撮れなかったが、月と富士山のシルエットが綺麗だった。心の目で見てください。

さっきエイドで大福を食べすぎて気持ち悪くなりちょっと吐く、美味いからって言ってもほどほどに食べよう

●U3見延本栖湖〜U4精進湖 65.6km

時刻 3:22~7:14
区間距離とペース 11.9km 19'33/km

U3見延本栖湖で少し仮眠をとる予定でいたが、あまり眠くないので飲み物の補給だけですぐにエイドを出発
苦手の登りが続くが息が切れない程度のマイペースで淡々と進む、夜明けに富士山が見れればいいなと期待
4:45 夜明けと共に霧が晴れ、雲海と富士山が顔を見せてくれた

疲れがぶっ飛ぶほどの絶景で「ああ、幸せ」なんてついついつぶやく
朝日が昇り、富士山とくまをを照らす。なんて気持ちのいい朝なんだ。でも日差しの強さでこれから暑くなる予感しかしない。。。

●U4精進湖U5富士急ハイランド 88.3km

時刻 7:14~12:44
区間距離とペース 22.7km 13'47/km

U4精進湖を出て鳴沢風穴まで長いロードに出るが
膝裏とふくらはぎに今まで感じたことのない痛みが疾ってもう走れない、やばい、肉離れかな、、、、
速歩きをするのが精一杯になる

この時、まだレース開始から16時間しか経過していない
まだ飲むのは早いかなと少し悩むが、やむを得ず痛み止めのロキソニンを1錠飲む
15分後に効果が現れ、その後3時間くらい痛みが少し引いたので精一杯のスピードで歩く

暑い、暑すぎる。SUNNTOの表示では気温32℃。このセクションは水1Lでは全然足りない。鳴沢風穴の自販機で飲み物を補充することをおすすめします。

U5富士急ハイランドに到着
ドロップバッグを受け取りやったこと
・シューズ以外の全着替え(身体も全部拭いた、すごくリフレッシュできた)
・補給食、飲み物の補充
・時計とライトの充電

予定してたがやらなかったこと
・仮眠:暑すぎて寝れやしない
・どん兵衛を食べる:暑すぎて食べたくない

U5富士急ハイランドU6忍野 107.7km

時刻 12:44~17:43
区間距離とペース 19.4km 13'15/km

足はずっと痛い、ロキソニン2錠め服用
効かなくなっても1につき4時間は間隔を空けよう

走れなくても歩みを止めなければ大丈夫
自分を信じる

自分が作ったタイムチャートを確認する、睡眠時間を削った分、予定通りのペースで進んでる
大丈夫、大丈夫、すごい、すごい、大丈夫、自分に言い聞かせる

U6忍野U7山中湖きらら 116.6km

時刻 17:43~20:30
区間距離とペース 8.9km 17'43/km

区間距離は短いが登りの多いセクション
河口湖側で花火が上がる、2日目の夜の幕開け、カフェインはまだ摂取していないが眠さはあまり感じない
地味に嫌な段差の木階段に苦しめられるが、歩幅をなるべく小さくダメージ残さないように登って、下る
足の痛みがあるが、前後のランナーさんと無駄話をして気を逸らす
こういう時にネガティブ発言する人からは即座に離れる、聞く必要はない、足は痛いが私はものすごく楽しい

きららに到着、楽しみにしていた豚汁がなーい、無念
でも聖整体院さんのマッサージとニューハレのテーピングサービスがあった、コロナ禍でないと思っていたから非常に嬉しい
積極的に利用しよう

U7山中湖きららU8二十曲峠 130.2km

時刻 20:30~1:51
区間距離とペース 13.6km 22'10/km

さあ、MMA+トリッパーズエイドまであとひとつ
店長や渋井さん、仲間に会えると思うと力も入る、、、がここのセクション後半にきてめちゃくちゃ高低差がキツい、魔の区間
寝ていないので頭もボーッとしてきた、マーキングも割と少ないのでロストの危険性もある
ひとりじゃ危険かなと判断
私より少し元気残ってそうな若者をナンパして一緒に進む、すぐ仲良くなれる能力をフル活用、良い相棒をゲットした
仲間を増産し結局6人パーティーくらいで励まし合いながら進む
1人で登っていたらへこたれそうだったけど、周りのみんなも苦しくても頑張っていると思うと止まらず前に進めた

遠いよ、二十曲峠。やっとみんなに会えて心から嬉しいの顔。

U8二十曲峠U9富士吉田 142.4km

時刻 1:51~5:48
区間距離とペース 12.2km 19'29/km

二十曲峠を出発する時の話
「おい!ちゃんくま!やれんのか??」
ヘロヘロと足を引きづり歩くくまに向かって朝長店長が言った
店長にはめずらしい、あおりの言葉だった
・・・。
・・・。
くま:「やるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎

杓子山に向かうくまの心に火が付いた🔥
絶対やってやる!絶対やってやる!絶対やってやる!

ここで初めてカフェイン摂取!胃腸壊れているのでキリキリきたが、マリオのスター状態
無我夢中で杓子山を登る、何人もごぼう抜き
道には疲れ果て頭を抱えて寝てる人、吐いている人、太田胃酸の空き袋が散乱している
それを拾いながら進む、みんな苦しい、でも私は諦めない、諦めない者にしかゴールはやってこない、頭の中でそう繰り返す

U9富士吉田FINISH 157.9km

時刻 5:48~10:09
区間距離とペース 15.5km 15'42/km

富士吉田の関門時間は6時50分、関門1時間前に到着、ああ良かった
U8を出る時は、関門に間に合うか不安がよぎったが、間に合った、しかも1時間貯金が作れた

足はもう限界に近い状態、踵をつくとなぜか両手の先が痺れる、絶対普通ではない状態、限界はとうに過ぎていた、あはは、やばい
一旦止まるともう動かなくなってしまうかもしれないので座ることなくすぐに出発
思ったよりロード区間が多くて助かる

行ける気がする、完走が見えた

ゴールできる確証がずっと欲しかった、ずっと気持ちを張り詰めていた
安堵感からか、最後の霜山を登りながら熱いものが込み上げた

ゼーハーと嗚咽が混じった、自分でも聞いたことのない泣き声が出た

ゼーハーウェッブバッゼハゼハーウェッ(文字にするとこんな感じ)

「ゴールする前に泣くんじゃねーーーーーよ!」と自分に言って涙を止めた
あの熱い涙はきっと一生忘れない

念願のFINISHERSベストを受け取りました。応援してくれたみんなありがとう!

●準備編、レースまでに何をしたか

レースまで1年の走行距離
2021年4月 : 山132km ロード96km / バーチャルUTMFを完走したので距離多め
2021年5月 : 山48km / レース中止によりやる気失う
2021年6月 : 山75km ロード18km / 月3回ほど山で遊ぶだけ
2021年7月 : 山78km ロード73km ロードバイク41km インドアバイク37km
2021年8月 : 山65km ロード17km ロードバイク50km
2021年9月 : 山40km ロード40km ロードバイク65km
2021年10月 : 山90km ロード14km ロードバイク36km / 下ノ廊下など主にハイキング
2021年11月 : 山62km ロード68km / 
2021年12月 : 山102km ロード97km ロードバイク257km / そろそろちゃんと練習しないとなと焦り出す
2022年1月 : 山82km ロード76km 雪山20km / 練習しなきゃなのに雪山デビューしちゃう
2022年2月 : 山40km インドアバイク152km 雪山14km / 月初めに雪山で足を痛めて歩けなくなったのでインドアバイク多め
2022年3月 : 山159km ロード39km インドアバイク90km / 2月に走れなかったので少し長距離・長時間の練習を増やす
2022年4月 : 山50km ロード33km / レース前2週間は軽いジョグなど身体を充分に休めた

2月に痛恨の怪我
足の甲が痛くて歩けなくなってしまう
でも、焦らずインドアバイクで太ももの強化と心拍数強化をおこなった
仲間の走行距離や試走している投稿などに心惑わされず、「やれることをやろう!」と気持ち切り替えることが重要!

内臓の強化
山行中やレース中にいつも胃腸を崩してしまう
この弱さを治すべく、漢方を飲んで体質改善をおこなった

約2年、毎日服用したもの
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):むくみの改善
・ヨクイミン:水分代謝の促進、美肌
・香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう):気の巡りを改善し、消化管の余分な水分を除く

レース中に服用したもの
・藿香正気散(かっこうしょうきさん):下痢、吐き気、頭痛、頭重感

身体のメンテナンス
トリッパーズから徒歩10分
中長距離ランナー専門の鍼灸坂本治療院
レユニオン島のレースの頃から、私の身体のメンテナンスと漢方の処方をこの坂本先生にお願いしています
足首の捻挫、シンスプリント、気象病の偏頭痛、ありとあらゆる怪我をたくさん持ち込むが全て治してくれる
私が毎日楽しく走り、楽しく過ごせていているのは、先生のおかげです
ありがとう!頼りにしています、これからもよろしくお願いします!

●レース装備編

バックパック:PAAGO WORKS / RUSH UT2
バックパック拡張:PAAGO WORKS / RUSH PLUS
シューズ:HOKA ONE ONE / SPEEDGOAT 4
レインウェア上:OMM/ Halo Jacket
レインウェア:OMM / Halo Pants
シェル上:Teton Bros. / Wind River Hoody
シェル下:Teton Bros. / Wind River Hoody
シャツ:Trippers / Team Trippers Tシャツ / Patagonia
シャツ着替え:Trippers / オリジナル5周年Tシャツ / BRING
パンツ:Patagonia / W’s Endless Run Shorts W’s
靴下:Feetures / ELITE LIGHT CUSHION MINI CREW
帽子:Trippers / オリジナル5周年CAP
手袋:UNWASTED / adapt
ヘッドライト:LEDLENSER / NEO10R
ハンドライト:LEDLENSER / MT-10
時計:Sunnto / 9 Baro
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんゼッケンベルト

プロフィール

くまちゃん
くまちゃん
飛騨高山出身です。中学から始めたバスケットで、高校生の時には全国制覇を目指しガチにやってました。そして体育大学入学をきっかけに東京へやってきました。

大学卒業後は、スポーツとは無縁のゴロゴロ生活を長くしていましたが、2015年冬の全国大会で母校が全国制覇を果たした瞬間をコートサイドで見て、その後輩たちの姿に感動し、刺激を受け、また身体を動かしたくなったのが走り始めたきっかけです。

会社の仲間に誘われ、1年後の2016年「TOKYO八峰マウンテントレイル」に出場したのが、私のトレランデビューです。その時に立川でトレラン専門ショップがOPENすると知り心躍ったのを今でも覚えています。