OSJ KOUMI100 2025 《小林 遼志》
10/11~13に長野県南佐久郡小海町で開催された「OSJ KOUMI100」に参加しました。
2018年から連続7回目の参加です(2019年は中止)

コース概要
距離:約165km(33km×5周)
累積標高:約7,100m
制限時間:36時間
スタート時間:10/12(日)7:00
目標&プラン
2023、2024と続けて胃のトラブルでDNFしていて、今回は順位は全く気にせずどれだけ時間がかかっても良いからもう一度完走だけはしたいという気持ちでのぞみました。今回またダメだったらもう100mileは辞めようかなとも考えていました。

そんな中で9月頭に胃腸炎で寝込んでしまい安達太良をDNFし、色々とタイミングが悪く長時間の練習がほとんどできないままこれまで7回の中で一番自信のない状態で当日をむかえることになってしまいました。
受付の前日も仕事を休んで現地入りしようと事前に考えていたのですが結局叶わず、いつも通り受付日に現地入りすることになりました。
目安のタイムも作成しましたがこれより遅くなっても全く気にしないことにしました。
1周→4:55
2周→5:07(計10:02)
3周→5:37(計15:39)
4周→5:57(計21:36)
5周→6:24(計28:00)
最後の100mileになるかもしれないので今回はやったことを細かく書き出してみます。
レースレポ
受付日は4:30起床。家で朝食を食べてガシンサンを飲んで出発。胃よ頑張れ。
8:30にすき家141号北杜須玉店で昼食。

満腹になった後はすぐ近くのザ・ビッグ(スーパー)で買い出し。
受付がまだ始まっていないので会場をスルーして10:30ごろ麦草峠へ。この辺りの車で行けるところで一番標高が高いはず。最近はレース以外で標高が高いところに行く機会がほとんどないため、効果があるか分からないけれど少しでも高地に慣れることを期待。

せっかくだから散策でもしようかとも考えたが、万が一捻挫したりあまり疲れてもいけないと思い駐車場付近をうろうろしたり車の中でのんびり過ごすことにする。いつの間にか2時間ぐらい寝てた。リラックスできてる?
携帯の電波も悪いしやることがないので高地順応はやめて14:00過ぎに受付へ。しばらく知り合いと話したり楽しく過ごして15:00過ぎに八峰の湯へ。

温泉に入って16:00八峰の湯の食堂で夕食。胃の負担を考えて軽めにするか悩んだが欲望のままカツ丼大盛をオーダー。

その後また少しでも高地に慣れることを期待してスタート地点より高いところに移動して18:30頃就寝。
当日は3:00から駐車場がオープンするが、今回はエイドワークの時間短縮よりも少しでも体調を整えることを優先して4:00まで睡眠。2時間昼寝したのに9時間半も寝た。レース日にこんなに寝たのは初めてかも。
買っておいたパンをかじりながら車を走らせ4:30ごろ会場着。朝食を食べながらゆっくり準備をする。
ドロップバッグは車じゃなくて芝生のテントエリアに置くことにした。補給食ぐらいしかなくて小さい袋1つだったので空いてるスペースに置いた。

装備で意識したのはお腹の冷えを防ぐための腹巻を着用したぐらい。
あとは脚よりも内臓が心配なため、補給が面倒で疎かにならないようストックは持って行かなかった。
補給は毎周スタート前にガシンサンを1袋飲むこと。水分は必ず15分毎に3~4口ぐらい飲み、600mlのソフトフラスクをスケートセンターで満タン、行きの稲子湯エイドで満タン、帰りの稲子湯エイドで2/3ぐらいの計1.5L/周ぐらい+往復の稲子湯エイドで味噌汁や麦茶を少々。
ジェルや固形物は時間だと忘れちゃうので摂取する場所を決めてみた。行きの稲子湯エイドで1つ、帰りの稲子湯エイドで1つ、周回が終わったところで1つの3回/周。ゴミもその場で捨てられるメリットあり。あと口が甘くて嫌になるのでその時に練り梅も少し吸う。それから30分毎にグミを1粒。これで1,000kcal/周ぐらい。+でドロップバッグにフルーツゼリーとか入れておいた。
今回本沢エイドはトイレ以外ほぼ使わなかった(本沢エイドのみなさんすみませんでした…)
スタート時に1+2周分の補給食を持ち、2周終わりにドロップバッグで3+4周分を持ち、4周終わりに5周分を持つ。
忘れてはいけないのは気持ち悪くなったら一旦タイムや順位のことは頭から消してちゃんとペースを落とし、最悪の状態になるのだけは避けること。守る、絶対。
さてずいぶん長くなってしまったのでそろそろスタートしようか…

1周目は最初の林道が混んでいて走りにくい。知り合いとしゃべりつつ速くなりすぎないように慎重に。
1周end 4:44'33(計画 4:55)/ 55位(区間55位)
特にトラブルもなく帰って来ることができたが、登りも下りもとにかく抑えることを意識したつもりだったのにかなり速く去年とほぼ同じタイムになってしまった…忘れずにガシンサンを飲んで水分を補給。
2周go 4:46'32(計画 4:57)/ 41位
もう脚が重くて1周目よりしんどい…でも選手がまばらで走りやすかったせいか1周目より速くなってしまった。まずい。
酷い時は2周目で気持ち悪くなっていたが今年はまだ大丈夫そう。そして順位が予想よりはるかに上でびっくり。
2周end 9:29'23(計画 10:02)/ 19位(区間7位)
ドロップバッグに入れてあったパンを1つ食べて3・4周分の補給食を持つ。ガシンサンを飲んでソフトフラスクも満タンにする。
3周go 9:35'30(計画 10:12)/ 16位
最初の林道の登りでだんだん暗くなってきた。面倒だからライトをつけずにしばらく走っていたが転びそうになってライトを転倒…じゃなくて点灯。
もうだいぶ脚が重く明らかに2周目より遅い。なぜ2周目をあんなに飛ばしてしまったのか。さっきの自分を殴ってやりたい。
往路の稲子湯を過ぎた辺りのロードで目の前を大きな熊が横切った。知床で見たヒグマより遥かに大きい…ツキノワグマってあんなに大きい⁉︎(熊が出たのが3周目か4周目か忘れちゃった)
山の登りもかなりしんどくてあと2回登るなんて考えられない…徐々に気持ち悪くなってきて雲行きが怪しくなってくる。
3周end 14:44'21(計画 15:39)/ 12位(区間5位)
2分で出る計画だがトイレに行って落ち着いて補給。疲れ切っちゃってるし気持ち悪くてもう真っ暗なコースに行きたくない。
速報で順位が分かっているのでせっかくなら良い順位でゴールしたいという気持ちがムクムクと湧き上がってきて、冷静さを失いそう…これは危険。
ただ3周で終わってしまった去年と比べるとはるかに状態がマシなので今年は完走はいけるか⁉︎
4周go 14:49'07(計画 15:41)/ 10位
明らかに3周目よりもさらに遅くてしんどい…もう固形物もジェルも一切受け付けないしオエオエしながら涙目で走るが、それでもゲーゲー吐いて3歩歩いては座り込んでた一昨年よりは全然マシ。
つらすぎてリタイヤしたらすぐに楽になれるなーなんて思考が浮かんでくるたびにゴールに辿り着いた未来を想像して頑張る。
ここまで100mileの選手に抜かされることはなく追いつかれるのは必ずリレーの選手だったが、復路の本沢エイドの直前でものすごい勢いで追いついてきた100mileの選手がいてびっくりした…こんな元気な選手をいつどこで抜かしたんだろう??
少し話すが気持ち悪くてとても着いていけず背中を見送る。強い人がいるもんだなぁ…さらに林道でもう1人追いつかれ、ロードに出てまた背中を見送る。
順位が2つ下がってしまったがなんとか4周走れた。今年は完走できそう!
4周end 20:29'37(計画 21:36)/ 5位(区間2位🥈)
戻ってきたら友人に「5位ぐらいだよ」と教えてもらい、10位でスタートして2人抜かれたからそんなはずないよみたいな感じで答えたが速報を見ると本当に5位だ…ということはさっきまで3位だったの!?途中で抜かした選手が3周目か4周目か分からないんだよね。
満身創痍なのに総合入賞したい気持ちが一気に大きくなり、もう落ち着いて安全に進む気持ちは完全に消え去った。
5周go 20:40'05(計画 21:46)/ 5位
前の選手は1分半前に出発しているのでまずはそこを目指して全力で進む。ペース配分もクソもない。とにかく全力。
すると4周目の最後のロードで着いて行けなかった選手に林道に入ってすぐに追いついた。みんなしんどいんだな。
気持ち悪くてオエオエしながらもここはできるだけ相手の心を折れるよう無理して一気に差を広げる。
3位の選手は9分前なのでちょっと届かないか…とか考えながら5位の選手に追いつかれないように必死に進んでいると、なんと稲子湯の手前のロードで3位の選手に追いついた。4周目の本沢でものすごいスピードで走り去っていった人だ。
そこで後続の選手から頑張って逃げようと団結して、色々なことを話しながら一緒に山を登った。お互いのこと、これまで走ったレースのこと、普段の練習のことなど。しゃべりながらもお互いペースは全力であっという間に、4周目よりもはるかに速いタイムで登り切った。気持ち悪くて下りは飛ばせないので先に行ってもらったが自分も必死に追いかけた。
4周目の選手達ともエールを送り合って全力で走っていると稲子湯エイドでまた3位の選手に追いつき本沢エイドまで一緒に猛プッシュ。
最後の林道は着いて行けなくなってしまったが、悔いのないようお互い全力で駆け抜けた。
4周目であんなに満身創痍だったのにどうしてこんなタイムで5周目を走れたんだろう。
finish 25:43'37(計画 28:00)/ 4位(区間1位🥇)


まとめ
補給については何が良かったのか分かりませんが、ペース配分は自分の中で考えがまとまっています。
フルマラソンで4時間を目標にしている選手が最初の1kmを3分30秒で入ってしまうと間違いなくオーバーペースで後半失速します。フルマラソンではそんな失敗をする人はなかなかいませんが、100mileになると入りのペースを大きく間違えてしまう人が多いです。
小海では2周目や3周目が速くなりすぎることはなかなかないので(僕は今年2周目を少し飛ばしすぎてしまいましたが…)1周目のタイムがかなり重要だと思います。僕が考える1周目の理想のタイムは、ゴールタイム-1時間÷5、言い換えると1周目のタイムを5倍して+1時間で走れたらそれが僕の考える理想の走りです。
ですが夜間は足元が見えづらかったり気温の変化などもあり理想の走りをするのは至難の業なので、1周目×5+2時間でゴールできたら最後までうまく走り切れたと言えるでしょう。
1周目×5+3時間なら大きな失敗なくそこそこうまくまとめられてます。
1周目×5+4時間だと怪我や睡眠などイレギュラーな+時間要因がないのであれば1周目がオーバーペースです。1周目をもう15分遅くしたら完走タイムは速くなると思います。
1周目×5+5時間以上だと1周目が完全に飛ばしすぎです。1周のタイムを競うレースではないのでもっと出力を落としましょう。1周目を30分遅くしたら大幅に完走タイムが速くなると思います。
僕は今年は2周目を速く走ってしまっため4周目に大幅にペースダウンしました。2周目をもう10分抑えて回れてたら4周目を10分以上短縮できたはずです。とはいえ1周目が4:44'33でゴールが25:43'38なので1周×5+2時間となりうまく走れたと言えます。
以上のことを踏まえて目標ゴールタイムに対する1周目のタイムを設定するとしたらこんな感じです。
目標26:00 → 1周目4:48
目標28:00 → 1周目5:12
目標30:00 → 1周目5:36
目標32:00 → 1周目6:00
ただし目標32時間以上〜完走目標の人はトラブルがあって4周の関門に間に合わないといけないので1周目を6:30ぐらいでは戻ってきた方が良いかもしれません。それでも6:00を大幅に切るようなペースだと多分速すぎます。2周目以降で8:00とかかかってしまわないようにしっかり温存しましょう。
またエイドやスケートセンターでは長居しないようにしましょう。やることを決めておいてできれば10分以内には出発しましょう。座り込んで動けずにそれより長くなってしまうようだとそこまでがオーバーペースです。
最初に周りの選手が飛ばしていても焦らず冷静に自分のペースを守って気持ち良くゴールしたいですね!
装備
頭:patagonia / duckbill cap
シャツ:patagonia / ridge flow shirt
パンツ:Innerfact / 6-Pockets running tights
ウエストバッグ:Innerfact / ウエストベルト
アンダーウェア:MILLET / Drynamic Mesh NS Crew
MILLET / Drynamic Boxer
アームカバー:mont-bell / ジオラインLW
腹巻き:mont-bell / ジオラインLW
レインウェア:THE NORTH FACE / ストライクトレイルジャケット
THE NORTH FACE / ストライクトレイルパンツ
靴下:Innerfact / 5本指ショート
シューズ:Brooks / Catamount
ライト:ThruNite / Archer Pro
時計:Garmin / Enduro3
心拍計:Polar / verity sense
パワー計:Stryd
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト
補給

ドリンク:マルトデキストリン+パラチノース+BCAA+TOP SPEED Ultra Mineral Tablet
固形:セブンプレミアム ラムネわらび、桜わらび、ライスピュレ、コロロ
ジェル:シンシュウエナジー、Challenger PowerLiquid、WARABEAT、Karada ACTIVE 5-ALA GEL、X-PLOSION PortionX
その他:TopSpeed、練り梅チューブ、ガシンサン、パン、フルーツゼリー


プロフィール

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喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。
OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位
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