Coast to Coast 2023 房総半島横断レース 《小林 遼志》

受付会場の小湊さとうみ学校

12/17に千葉県鴨川市・富津市で開催された「Coast to Coast 2023 房総半島横断レース」に参加しました。

以前から気になっていた大会でしたが2018年以来開催されなくなってしまい5年ぶりの開催です。

OSJシリーズ最終戦のKAMIに向けて一生懸命トレーニングをしていましたが直前の風邪でDNSとなってしまい、急遽エントリーを決めました。

また都内から比較的近くてスタートもゴールも市街地であること、早朝スタートで昼ぐらいにゴールできそうなことから家族旅行も兼ねて行くことにしました。

ワンウェイのコースでスタートとゴールが全く別の場所なので、スタートの近くの宿に泊まって早朝から一人でレースを走り、その間に家族は車でゴール地点に向かってもらうプランです。

ホテルの前からの夕暮れ。ここもレースで通る

コース概要

距離:72km(garmin実測で約68km)

累積標高:3,000m(garmin実測で約2,500m)

制限時間:13時間

スタート時間:12/17(日)5:00

 

千葉県の外房(太平洋側)の海岸からスタートして房総半島を東から西へ横断し、内房(東京湾側)の海岸がゴールというまさにCoast to Coastのコースです。

この距離でこの制限時間なのでかなり走れるコースで、公式サイトには林道60%、トレイル20%、ロード20%と書いてありましたが、体感的にはもっとロードが多いように感じました。

 

目標&プラン

どうやら走れるコースであること、前週にITJが開催されること、過去のリザルトを見るとトップ選手があまり出ていないことからエントリーした時点では3位以内を目指すつもりでした。

しかし11月に入ってから風邪で寝込んでしまいKAMIは無念のDNS、その後も調子が上がらないままBULSSであっという間のDNF、さらにこのレースの2週間前に山で左足首を激しく捻挫をした上に風邪も引いて5日ほど寝込んでしまい、すっかり走力もモチベーションも落ちてしまいました。

とても順位は狙えそうにないので今年最後のレースは楽しく走ることを目標としました。

 

レースレポ

スタート地点のビーチから1kmぐらい離れたホテルを4:00前に出発して歩いて向かう。歩いたルートはコースになっているので後でここを走って戻ってくることになる。

前日から風がとても強く、天気予報を見ると風速13m/s…スタート地点に向かう時は追い風ということはレースが始まったら向かい風か…

スタート地点に4:10ぐらいに到着したら人っ子一人いないし風が強くて砂浜からの砂つぶてが痛いので道を渡ったところにあるセブンイレブンに避難する。

外の様子を見ていてもなかなか選手が集まらず、結局スタート5分前ぐらいにスタート地点に行ったがそれでも最前列となる。

4:52に撮影した写真。誰も並んでない

砂が痛いし風が強いから早くスタートして砂浜から脱出したいけれど5:00になっても号砲が鳴らず…5:03ぐらいにスタート。

最初は砂浜を走るので脚を取られてすごく走りにくいし靴の中に砂が入ってきそうなのでそーっと走る。

おそらく十数番手ぐらいで砂浜からロードに上がりやっと普通に走れるようになるが、調子が良いときの4'15/km~4'30/kmぐらいの心拍数で5'00/km前後…残念ながら今日も調子は悪いままか。

前の集団にどんどん離されるがこれ以上ペースを上げたらとても70kmはもたないのでそのままのペースで進む。

トンネル水族館を通る

奄美ジャングルトレイルや氷ノ山、新城ダブル等で何度もしのぎを削ったI口さんがちょうど良いペースだったのでしゃべりながら並走する。

やがて家族がまだ寝ているだろう宿泊したホテルの前を通り、海岸沿いから離れて学校のグラウンドを抜けると道が上り始める。汗が吹き出してきて心拍数も上がり一人また一人と抜かされていく。長いロードの登りが続いて峠走のような感じだ。

 

登りを一生懸命走っているとなぜか前からランナーが戻ってきてこの先は行き止まりだと言う。

でもしばらく分岐はなかったし矢印やテープを確認しながら進んできたので訳が分からずその選手が戻ってきた方へ進むと確かに行き止まりだ…前後の選手も皆行き止まりの方へ来ては辺りをウロウロする。

garminに入れた地図を見ながら戻ると、どうやら通行止めと書かれた柵で塞がれている道が正しいコースかな?(スタッフはいないし矢印やテープもないので半信半疑)

柵をよっこらしょと跨いで進むと他のランナーもみんな着いてくる。違ってたらごめん…

しばらく走っているとテープが出てきたのでどうやら合っていたようだ。ここで間違わずにスムーズに柵を跨いで行けた選手はいたのかな。

やがて階段を上って道を上り切ると今度は下りのロードから林道へ。この辺りに最初のエイドがあったはずなんだけど気づかずにスルーしてしまった(どこかで曲がったらあったのだろうか?)

あんまり覚えていないけどしばらく林道を走ってからトレイルに入ったような気がする。

山の中で明るくなった。清々しくて気持ちが良い。

雰囲気は良くて最高だけれど足下は結構荒れていて、登りも下りも苦手な丸太階段ばかりで大苦戦。細い丸太を横にしたようなデザインのつるつるした階段で土のところが痩せてるやつが大の苦手…

こういうやつです

2週間前にやった捻挫箇所はテーピングで固めてはいるが嫌な感じ。

林道とトレイルで何度か足首をぐねって足首に痛みが走る。頼む最後まで持ってくれ…

ノロノロ進んでいると後続の選手に追いつかれ、すぐにどいて譲る。あんまり覚えてないけど何人か抜かれた。

トレイルからロードに下りたら金山ダムの橋を渡り第2エイド。

コーラとスポーツドリンクと、パンとかお菓子とかフルーツとかあった気がする。豪華。

スポーツドリンクをソフトフラスクに入れてもらってクリームパンを手に取って走りながら食べた。

 

しばらくフラットなロードを気持ちよく走っているとやがてT字にぶつかった。

スタッフはいなくて矢印もテープも見当たらないのでどっちに曲がるか手元の地図で確認しようとすると…あれ?コースから外れてる?

急いで地図を縮小表示にしてみると、右に曲がらなければいけないところを気づかずに直進してしまったようだ…ジーザス!

悔しいけど急いでコースに戻る。

しばらくロードが続き、やがてどんどん上り始めて長い林道とロードのアップダウンを繰り返したような気がする。というか中盤はずっとそんな感じだったと思う(曖昧)

たまにロードに出ては集落のようなところを通ると地元の方が家の前で応援してくれたりする。どこもとても良い雰囲気で走っていて気持ちが良い。

ただ林道では何度も左足首をぐねってその度に痛みでぴょんぴょん飛び跳ねた。だんだんぐねらなくてもちょっと左に傾いたところに脚をつくだけで激痛が走るようになってきてDNFが頭をよぎる。踝のところが腫れてるのか普通に走っててもシューズに当たって痛い。

どこだったか忘れたけどこの辺りの林道で見覚えのある後ろ姿が見えた。これまたONTAKEやKOUMIや会津磐梯山ウルトラでしのぎを削ったO本さんだ。疲れてしんどいが知り合いを抜かすときはついちょっと無理をして余裕なフリをしてしまう。

たまに途中のスタッフや応援の方が順位を教えてくれるがみんな教えてくれる順位が違うので正確な順位は分からず。どうやら10位前後ぐらいみたい。

しばらく一生懸命進んでいるとなぜかさっき抜かしたO本さんらしき後ろ姿が前方に見える。え?なぜ?

疲れて時系列がよく分からなくなってしまったがロストしている間に抜かれたのか…

頑張って追いついたらやっぱりO本さんだ。聞くとどうやらO本さんもロストしたらしい。みんなロスト祭りの難コース。

だんだん疲れてきて写真を撮る余裕がなくなりました。

この辺から順位の変動はなくずっと一人旅。たまに後ろの選手が見えるが必死に逃げる。

エイドから出るときに後ろの選手がエイドに入ってくるっていうのが何回かあった気がする。その度にとにかく必死に逃げた。

採掘場跡地は戦隊モノの撮影に使われそうな景色。

ここもテープを辿って進んでいくと下の開けたところに下りたところで案内がなくどっちに行けば良いか分からず…

どっちが正解か分からなかったところ

garminの地図で確認しておそるおそる進むと正解。よっしゃ。

この辺りで久しぶりに前方に選手の姿が見えた。多分2~3分差ぐらい。必死に追いかけるがなかなか追いつかず。

採掘場跡地を抜けたらロードを一気に下って登り返して日本寺エリアへ。

 

ここから走行禁止区間と伝えられ、延々と続く階段をひらすら登る。

階段を登り切ったらまた案内がなくなりどっちに行けば良いか分からずgarminで確認して右折。

ロードを下ってまた階段の登り。えーこれどこまで登るの!?

延々と続く階段を手摺りにしがみ付きながらよじ登る。

上から観光客の人達が手摺りを使いながら降りてくると手摺りから離れ、また人がいなくなったら手摺りにしがみ付く。

どれだけ上ったか分からないけどやっとの思いで上り切ると開けた展望台のような場所に出た。

ここでまた案内が何もなくどっちに行けば良いのか分からず…garminの地図の方に進むと崖になっていて下りられない。

行ったり来たりウロウロしていると下りの階段を発見して少し下りてみるがgarminの地図からは離れてしまう。違うこっちじゃない。

また階段を上って広場に戻る。端から端まで全部回ってみても下りられるところは見つからず。

もうどうしようもないのでさっき一度下りた階段を進み、すれ違う人に選手が通ったか聞くと通ったとのこと。なんだここだったのか…かなりの時間ロスをしてしまった。

さっき前方に見えた選手は全く見えないし下手したらウロウロしている間に後続の選手に抜かれたかも。終盤でこれはつらい。

下りも延々と続く階段とたまに土と岩。

しかしいつになったら歩行区間が終わるのだろうか?痺れを切らして途中のスタッフの人に聞いたらもう歩行区間は終わっているとのこと。えー!誰もそんなこと教えてくれなかったよ…どこかに看板があって見逃したか?

もうゴールまで3~4kmなので気を取り直して走って下る。

やがてロードに出るといつもOSJでお世話になっているS藤さんが誘導をしていて一瞬いまOSJのレースを走ってるのかと錯覚した。

 

ラストのロードはもうロストしないように手元の地図と案内をしっかり確認しながら進む。

やはり途中の分岐で案内がないところが2か所ほどあり、garminの地図を確認しながら慎重に進む。これがなかったら絶対にものすごく迷ってただろうしゴールに辿り着けてないかも。

広い道を一気に下ると海が見えてきてその向こうには富士山の絶景!

写真が下手で全然伝わらない絶景

海沿いの道に下りて高波の飛沫がかかりそうなところを抜けると林の間の不整地を通りゴールが見えてきた。

難コースだったけれど無事にここまで辿り着けて一安心。

ゴールした時は7位って言われたけれどリザルトが出たら9位でした(笑)

家族が迎えてくれた貴重なゴール

まとめ

1.健康第一!走れるって素晴らしい

2.この大会は地図を入れたGPSウォッチがないと完走は難しい

3.魚は美味しいし都心から近くてロケーションも最高でした

 

装備

頭:patagonia / duckbill cap
シャツ:patagonia / capilene cool lightweight
パンツ:CRAFT / active run shorts
シェル:Trippers / reach windshell hoody
レインウェア:OMM / Halo Jacket
       OMM / Kamleika Short
靴下:Innerfact / 5本指ショート
シューズ:salomon / Pulsar Trail Pro
手:salomon / fast wing glove U
アームカバー:mont-bell / ジオライン L.W.アームウォーマー
バックパック:salomon / adv skin 5 set
ウエストバッグ:Innerfact / ウエストベルト
ライト:ThruNite / Archer Pro
心拍計:Polar / verity sense
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト 

補給

ドリンク:マルトデキストリン+パラチノース+BCAA+電解質タブレット

固形:Power Bar POWER GEL SHOTS

 

前日の夕飯は地物の魚と野菜
ゴール後は海鮮丼
おやつもリカバリー

プロフィール

小林 遼志
小林 遼志
喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。

OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位