OSJ KOUMI100 2022 《小林 遼志》

10/8~10/10に長野県南佐久郡小海町で開催された「OSJ KOUMI100」に参加しました。
2019年は台風で中止でしたが、2018年、2020年、2021年に続いて4回目の出場です。
試走でもこれまで5周しているので今回完走すれば通算25周することになります。

・コース概要
距離:約175km(35km×5周)
累積標高:約7,800m(garmin計測結果)
制限時間:36時間(4周終了28時間の関門あり)
スタート時間:10/9(日)5:00

約35kmのコースを5周する約175kmのコースで、ロードと林道と山岳区間がはっきりと分かれています。
またスライド区間がたくさんあり、他の選手と何回もすれ違うのが楽しいです。
コロナ以前はOSJでは類を見ないほどエイドが充実しており、スタート地点の建物でもおにぎり、みそ汁、蕎麦、ストーブ、仮眠室、途中のエイドでも時間帯で変わる麺類やジェル、お菓子などとても贅沢な大会でしたが、2020年以降は少し寂しくなりました。
それでもOSJの中ではとても豪華で、スタート地点の建物では蕎麦、ジュース、お菓子、他のエイドでも水、コーラ、お菓子、みそ汁、スープなどがありました。
周回毎に受け取れるドロップバッグは各自テントか車で管理します。
周回が終わってinのゲートをくぐったらテントか車に行き、outのゲートをくぐって次の周回へいきます(inのゲート通過前やoutのゲート通過後にテントや車へ行くのは不可)

コースの詳細です。
スタートして最初は3km弱のアップダウンの少ないロードを進み、それから上り基調の林道に入ります。
林道は7km弱で約450mD+。それほど急な箇所はなく疲れていなければ全部走れます。
林道が終わると第一エイド(本沢)に到着します。
第一エイドからはしばらくロードで、このロードは帰りも通るのでスライド区間となります。
まず3.4km下り(約200mD-)そこから左に曲がって今度は約1km上ると(80mD+)第二エイドに到着します(稲子湯)
ここのエイドの少し先にトイレがあり、僕は往路と復路で合計10回立ち寄りました。
第二エイドからさらにロードと一部トレイルを約700m上ると(80mD+)本格的に山岳区間に入ります。
この山岳区間はなかなか道が険しくテクニカルでほとんど走れません。6kmで約650mD±あり、僕はいつも1時間半~2時間ぐらいかかります。
山岳区間が終わるとロードに出て、1kmほど下って1kmほど上ってまた少し下ると往路の山岳区間の入り口に到着します。
ここからは第一エイドまで往路と同じルートを戻ります。
第二エイドの稲子湯が第三エイドになり、第一エイドの本沢が第四エイドになります。
本沢からの林道は最初の約600mは行きと同じですが、そこから分岐して違うルートで下ります(約4km450mD-)。
林道を下りたら行きと同じロードでスタート地点に戻ります。行きはアップダウンが全然ないように感じますが、帰りはちょっとした登りがきついです。
これで1周約35kmです。
山岳区間こそやや険しいですが、それ以外に危険な箇所はなく、またエイドもたくさんあるし制限時間もそれほど短くないので初めて100マイルレースに挑戦してみたいという方にはぴったりのレースだと思います。
このブログを見て挑戦してみたい、という方がいらっしゃったら4回完走した経験の範囲でご相談に乗ります。

・目標&プラン
これまでの最高順位は初出場初100マイルだった2018年の11位で、2020年は気負いすぎて大失敗、2021年は自分の走りはそれほど悪くなかったのですが参加者のレベルが高く順位はいまいちでした。
今年は有力選手が他の大会に分散しているため順位を狙うチャンスです。
できればTOP10、あわよくば5位以内の総合入賞を目標としました。
タイムはそこそこうまく走れた2021年が26:45だったので、今回は26時間以内を目標にしました。25時間台で走れればおのずとTOP10に入るはずです。

・レースレポ
さあ下期のAレース。3年間追い続けた夢のOSJ年間チャンピオンを確実なものにするための大事な一戦。
緊張はするがこれまで試走も含めて20周しているのでさすがに落ち着いてスタートできた。まわりのペースに全く影響を受けずに走れてる。
1周目はとにかく淡々と計画をトレースするだけ。
ペースは完璧だが、やや息苦しくて頭が痛い。高度に慣れていない?それは毎年同じはずだけど今年だけ感じるのはなぜだろう…
不安はあるがとりあえず計画通りのペースで進む。
途中で何人かの方からゼッケン番号を見て「遅くない?どうしたの?」というような感じで声をかけられるが「こんなもんですよ」と答えた。そう。175kmは本当に長い。これでも最後までイーブンペースでいけたことはないし今日だってどこまでいけるか不安だ。これ以上ペースを上げるなんて自分には考えられない。
ライバルの西川さんとほぼ同じペースで途中しゃべりながら一緒に走って1周目終了。
お互いまだまだ様子見。
計画より5分ほど早くなってしまったが許容範囲でしょう。
【1周end 4:50'19(計画4:55)/ 順位95位(区間95位)】

【2周go 4:50'33(計画5:00)/ 順位63位】
1周が終わりドロップバッグは取らずにそのまま2周目スタート。 自分より先に1周目を終えた人32人より先にスタートできた。
2周目は選手がばらけて走りやすいが、脚を上げるのがややしんどくなっている。もう?なぜ?と1周目の不安がさらに大きくなる。
とはいえ長時間のレースでは色々起きるものなので、復活を信じてそのまま進む。
今回の補給食は塩羊羹を大量に持ってきたのだが、早くも2周目で飽きてきた…ちょっとピンチ。
もうマシンのように淡々と1周目と同じペースを刻む。
【2周end タイム9:40'54(計画9:55)/ 順位33位(区間21位)】

【3周go タイム9:41'08(計画10:00)/ 順位26位】
ここでもドロップバッグは取らず7つ順位を上げる。
3周目を走り始めて間もなく雨がパラつき始める。予報ではここからずっと雨。厳しい夜になりそうだ。
第二エイドまでは1周目2周目とほぼ同じタイムで進むが、だんだん雨が強くなってきて脚もだいぶしんどくなってきた。これぐらいの疲労感で4周目だったら理想的なんだけど残念ながら現実はまだ3周目。
山に入ると陽が暮れて雨風が強くなり一気に厳しい状況になる。
胃がやられてるのか補給する気が起きないし、そのせいもありだんだん体が動かなくなってきて寒い。レインウェアを着ても震えが止まらない。なんとか頑張って進まなきゃ…
この山岳区間のすごく苦しい時間帯に去年の3周目の山でも一緒だった小河さんとしゃべりながら一緒に進めてとても助かった。自分もきついはずなのに「あと少しで登り終わりですよ!」と励ましてもらいながら進んだ。
登り切ると寒すぎて体を動かさないとまずいと感じて小河さんを置いて先に下ってしまった。小河さんごめん。
ロードに出ると寒いことには変わりないが走れるのでだんだん体が温まってきて危機的状況は脱した。
それでももうペースが落ち始めている。どこまで粘れるか…
【3周end タイム15:07'34(計画14:55)/ 順位17位(区間11位)】

【4周go タイム15:15'56(計画15:10)/ 順位13位】
やられた。3周目で一気にやられた…
よく覚えてないが、蕎麦を食べて車にドロップバッグを取りに行ったと思う。
疲れているとあっという間に時計が進んでしまうので、早く動けないけれどできるだけのんびりしないようにがんばった。
4周目は唯一最初から最後まで夜間の周。疲労もたまってきておそらくみんな一番苦しい周だと思う。
3周目で暗くなって疲れ切って戻ってきて、制限時間にまだ余裕があるのにここで自ら辞めてしまう人はとても多い。
僕もいま辞めて温かい温泉に入って美味しいものを食べられたらどんなに幸せだろうと何度も考えたが、今はそれでよくても絶対に後で後悔する、こんなところであと一歩で手が届く夢をふいにしてしまっていいのか?と自分に言い聞かせて無理矢理進んだ。
進んだはいいが案の定ボロボロ。思った通りしんどい。
もう計画通りのペースは維持できず、一歩ずつ必死に前に進むだけ。
正直4周目以降はしんどすぎてあまり覚えていない。3周目まであまり寄らなかったエイドにしっかり寄ってコーラとか味噌汁とかスープをいただいたのは覚えてる。どれも最高に美味しかった。
山岳区間では50代で上位常連の鉄人黒田さんと一緒になってとても助けられた。黒田さんには先月の安達太良でも嫌な下りで一緒になってすごく助けられたばかり。
それにしてもこんなにペースが落ちてるのに全然抜かされない。きついのはみんな同じなんだよな…
【4周end タイム21:06'50(計画20:32)/ 順位10位(区間5位)】

【5周go タイム21:10:08(計画20:37)/ 順位9位】
もう疲労困憊で、戻ってきてからの記憶がない(笑)
でも頑張って3分ぐらいで出発したみたい。ドロップバッグは寄ってない。
あのボロボロだった4周目が区間5位だったことからもみんなやられてることが分かる。本当に本当に4周目はきつい。
泣いても笑ってもラスト。走れなくてもできる限りのスピードで歩く。
最初の林道は途中まで頑張って走ったりしてたけど、途中から走るのを諦めて全部歩いた。
果てしなく長い林道も山岳区間も「これで最後だ」と思うと感慨深い。山岳区間の途中で明るくなったような気がする。
補給が全然できていないので少しでもスパートをかけられるように無理してジェルを飲むが何度も「オエエェェ…!」となる。落ち着いたら少し歩いてまた「オエェエェェ…!」を繰り返し、涙目でフラフラ進む。
頭もボーっとして計画からどれぐらい遅れたか考えられないけどここまでくれば全力で前に進むだけ。
各ポイントのスタッフの方に「ありがとうございました!」と言いながらゴールを目指す。
5周目の林道の下りで歩いていたらライバルの西川さんに刺されたことがあるので、今日は最後まで気を抜かずに全力でプッシュして4回目のゴール!

【FINISH タイム27:25:41(計画26:00) 順位7位(区間8位)】

・まとめ
1.諦めたらそこで終了。諦めなければまだいける!
2.100マイルはいつも計画通りにいかないけれど、それが面白い
3.KOUMIは攻略し甲斐があってハマる

 

・装備
バックパック:salomon / adv skin 5 set
ウエストバック:salomon / sense pro belt
シューズ:salomon / sense pro 4
FUSION-FLEXI +S
レインウェア:salomon / bonatti race waterproof
mont-bell / トレントフライヤーパンツ
シェル:trippers / reach windshell hoody
シャツ:patagonia / capilene cool lightweight
パンツ:NIKE / Trail Half Tights
アンダーウェア:MILLET / Drynamic Mesh NS Crew
MILLET / Drynamic Mesh Boxer
アームカバー:mont-bell / ジオライン L.W. アームウォーマー
靴下:innerfact / 5本指ショート
頭:salomon / XA Compact Cap
手:salomon / fast wing glove U
ライト:LEDLENSER / MT10
時計:garmin / Forerunner 955 DP
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト

・補給食
ジェル:MEDALIST / ENERGY GEL
ZONE / ENERGY GEAR
ドリンク:HIGH5 / ZERO Electrolyte Drink Tablet
固形:かし原 / 塩羊かん
ハニーローストナッツ
PawerBar / POWER GEL SHOTS
他:magma、練り梅

プロフィール

小林 遼志
小林 遼志
喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。

OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位