OSJ 安達太良山トレイル10k&50k 2022 《小林 遼志》


9/3、4に福島県二本松市、郡山市、耶麻郡に跨る安達太良山エリアで開催された「OSJ 安達太良山トレイル」に参加しました。

ひたすら登りと下りを繰り返す難コースですが、2010年から一度も中止になることなく13回連続で開催されているホスピタリティ最高の大会です。
僕は2018年に初めて出場し、今回は5年連続5回目の参加です。土曜日に10k、日曜日に50kと2つのレースが開催され、両方参加しました。
8月に大雨が続いた影響で今回50kのコースは短縮になってしまいましたが、台風や大雨でコースが荒れたり山頂付近の通行が危険な場合でも臨機応変にコースを変更して開催してくれる素晴らしい大会です。

・コース概要
【10k】
距離:約13.3km
累積標高:約750m
制限時間:4時間
スタート時間:9/3(土)10:00

【50k】※短縮コース
距離:約45.5km
累積標高:約3,200m
制限時間:13時間
スタート時間:9/4(日)5:00

・目標&プラン
今年はずっと調子が上がらずトレーニングもしっかり積めていないため、10kは翌日のためにあまり無理せずに完走、50kは短縮になったコースを去年と同じぐらいのペースで怪我なく完走できれば良いなと考えました。
とはいえ年間ランキングを狙っているので、順位は一応両方とも20位以内でゴールすることを目標としました。(去年は10k6位、50k10位)
50kの目標タイムはこんな感じです。
AS 2:05
CP1 3:55
CP2 5:56
Finish 7:13

・レースレポ
【10k】
10kは登り基調の林道を約5km走り、そこからガレた登山道で安達太良山山頂を目指し、下りは登りとは違う登山道で林道に下りてきて、最後は林道を約4km下る13~14kmのコース(全然10kmじゃない)
山頂付近は歩行区間があるがとにかく足元が悪く、転倒すると大怪我しかねない危険なコースだ。

去年は悪天候により山頂付近の歩行区間が丸々カットになったが、林道を4位で終えそのまま山頂下の折り返し地点でも4位キープ。そのまま総合入賞したかったが登山道の下りで2人に抜かれてしまい6位でFinishと悔しいレースだった。
今年は仕上がり的にもそこまでの順位は考えず、去年より抑えてスタートしてなるべく明日に脚を残したい。
…と考えていたがいざレースが始まるとテンションが上がるー!

はあっはあっ…呼吸が苦しくてもう脚も上がらない…つらい!歩きたい!死ぬ!と時計に目をやるとなんとまだ1km。嘘だろ…
苦痛に顔を歪めてヒーヒー言いながら走り続けるがとうとう我慢できなくなって歩く…チラっと時計を見るとまだ2km…完全にあかん。
現在5位。ここから全歩きはさすがにまずいので走ったり歩いたりを繰り返して騙し騙し林道を終える。もうすっかり余裕ゼロ。
登山道はどの道走れないしできる限りのスピードで歩いて登るが、次々と後続の選手が追い付いてくる。

歩行区間に入るところでライバルの西川さんにも抜かれる。既に目一杯苦しくてこれ以上スピードを上げられず、なす術なく後ろ姿を見送るだけ。なんて無力。
やっと登りが終わり下りに入るもどんどん抜かれ、とうとう15位まで落ちてしまった。
下りの途中で一人止まっている選手がいて先行するも林道に出た時点で14位。

もう入賞も関係ないので捻挫しないようほどほどのスピードで走ってFinish。
ライバル西川さんはなんと4位まで上げていた。完敗。

Finish 1:39:22 / 14位 ※年代別2位

【50k】
50kは安達太良山を様々なルートから時計回りに登って下りてを5回繰り返す☆型のようなコース。
今年は4本目がカットになり4回登って下りての短縮コース。
距離がかなり短くなってしまうので、距離合わせで第一関門のエイドがいつもより3kmほど遠くなった。
過去4回は似たようなタイムなのでだいたいどれぐらいでゴールできるかも予想がつく(とスタートまでは思っていた)

最初の林道は昨日の反省を生かしてゆっくり登る。他の選手がすごい勢いで駆け上がっていくがマイペースで歩く。
登山道に入ると前後の選手はかなり息が上がっていて苦しそうだ。まだ先は長いのでここは息が上がらないペースで淡々と登る。
すると間もなく渋滞が発生。
大雨の影響で登山道が崩れてしまっており、そこが原因のようだった。5回目にして初めての渋滞。
まあゆっくりいこう。

渋滞が終わって黙々と進んでいるとライバルの西川さんに追いついた。
昨日の疲労でペースが上がらないのかあえて抑えているのか分からないが、彼は下りがものすごく速いのでここは先に進んで少しでも差を広げておきたい。

やがて山頂直下の折り返しにつくと歩行区間スタート。
時計を見ると…あれ?去年より8分以上遅い…

歩行区間はすぐ終わるが、草木が生い茂った走りにくいトレイルが続く。大きな岩のエリアとか低い木のトンネルで屈みながら走るエリアとか、とにかくなかなか進まない。

下りはかなり急でドロドロの苦手なトレイルで、下手くそな下り方で四苦八苦しているとやっぱり西川さんに追いつかれる。そしてあっという間に姿が見えなくなった。
やっと緩やかになって走れる区間になると少し頑張ってスピードを上げる。間もなく沢を渡ってエイドに到着。
西川さんがまだいた!差はそんなに開いていない。
焦る気持ちを抑えながらしっかり補給をする。
ここのエイドは山の中なので、ドリンクは水のみで食料は無し。
あれ?下りはゆっくり進んだつもりはないのに計画よりこんなに遅れてるの…?

AS 2:21:32(計画2:05)/ 49位

エイドを出てしばらくはゆるやかに登る土のトレイル。樹林帯なので涼しい。
頑張って走ると間もなく西川さんに追いつき、さらにプッシュして見えなくなるまで一気に差を広げる。
次第に傾斜がきつくなり走れなくなるがそれでも息が上がるぐらいのペースでガシガシ登り続ける。
空が広くなりハイマツ帯を抜け火星のような稜線に出る。青空も見えてきて素晴らしい景色だ。


リザルトを見るとここの登りで9人抜いたようだ。
この辺りで知り合いと一緒になり、次の関門まで一緒に進む。
下りは相変わらず苦手なドロドロだったが、しゃべりながらだったのでそれほど長く感じなかった。ここで西川さんに追いつかれるのを覚悟していたが追いつかれず。
やがてスライド区間になり、前からやってくる上位の選手と声を掛け合いながら気を付けてすれ違う。
トレイルの1.3kmほどのスライド区間が終わり駐車場に出る。ここがいつものCP1。
だけど今回のCP1はここから車道を3kmほど下ったところ。
下りなので気持ち良く走れるが、飛ばし過ぎると後が恐いのでそこそこのペースに抑えながらCP1に到着。結構喉が渇いた。
麦茶やコーラ、羊羹やお菓子などがあり麦茶を何杯かいただいた。美味しくて最高。
タイムは…かなり遅いけどどうしようもない…もう気にしないようにしよう。

CP1 4:21:17(計画3:55)/ 40位(区間40位)※スタートからの区間順位

エイドを出てゆっくり進み始めると間もなく西川さんがやってきた。あまり差がない。
できるだけ登りで逃げるためにペースを上げて林道を駆け上がる。
ここにきて日差しが強くなり体感気温が一気に上がる。それにさっき下ってきた時は気にしていなかったがこの林道、実はかなりの斜度だ…汗が吹き出し呼吸も激しくなるが少しでも差を広げたいのでプッシュする。
林道が終わりトレイルのスライド区間を抜けると左の沢の方へ降りていく。

ここの沢は温泉になっていて硫黄の匂いが立ち込める。
歩行区間となりその後は胎内岩に向けて一気に登る。ここも暑くてかなりしんどい区間だった。
CP1でしっかり飲んでさらに1L汲んできたのにあっという間に飲み切ってしまいそうになるが、登り切っても次のエイドまではまだ下りが5kmあるので、飲み切らずに喉の渇きを我慢して登った。

登りが終わると歩行区間になりしばらく稜線を進む。ちょっと涼しい。
やがて藪に覆われた道になり下りが始まる。

歩行区間が終わり、ここから5kmの長い下り。
この下りは比較的ゆるやかだが、まあいつもドロドロ。何度も滑りながらできる限りのスピードで進む。
エイドに到着したらここでコーラ2杯を一気飲み!
急いで水をフラスクに入れ、気合いを入れてすぐに出発。さあラストだ!

CP2 6:51:58(計画5:56)/ 29位(区間16位)

最後の区間は去年区間2位だった区間。
エイドを出てすぐに西川さんがエイドin。
差は全然ない。8月の真昼山地に続き最後の区間で僅差の勝負。最高に楽しい!
登りは苦しいができるだけ走って歩き続けないようにする。
鎖に捕まって大きな岩の上を通ったり手を使って登るような箇所もあり、これまでとは雰囲気の違うアドベンチャー区間。

何度か渡渉があり、冷たい水が気持ち良い。確か例年はもっと橋があった気がするけど大雨で流されちゃったかな?
急ぎながらも危ないところは慎重に。ここまで走ってきて大怪我なんて洒落にならない。
なんとかトラブルなく登りきると10kで往復した林道に出る。
さああとは駆け下りるだけ!
この林道で西川さんに刺されたことがあるので最後まで気を抜かずにしっかり走ってゴール!

Finish 8:07:22(計画7:13)/ 19位(区間7位)※年代別6位

今年の安達太良は1勝1敗

・まとめ
1.やっぱり東北の山はアドベンチャー
2.やっぱりライバルとの真剣勝負は楽しい
3.岳温泉は気持ち良い

・装備
【10k】
頭:patagonia / duckbill cap
シャツ:SAYSKY / blaze singlet
ウエストバッグ:salomon / sense pro belt
パンツ:mountain hardwear / Mint Hill Short RUY
靴下:Innerfact / 5本指ショート
シューズ:salomon / sense pro4
時計:garmin / Forerunner 955
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト

【50k】
ザック:salomon / adv skin 5 set
頭:salomon / XA Compact Cap
シャツ:salomon / sense tee
ウエストバッグ:salomon / sense pro belt
パンツ:uglow / SPEED AERO SHORT 5inch
靴下:Innerfact / 5本指ショート
シューズ:salomon / sense pro4
レインウェア:OMM / Halo Jacket
OMM / Kamleika Short
ライト:Petzl / E+lite
時計:garmin / Forerunner 955
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト

・補給
ドリンク:Topspeed / Ultra Mineral Tablet
ジェル:MEDALIST / ENERGY GEL
ZONE / ENERGY GEAR
ANDO
固形:かし原 / 塩羊かん
ハニーローストナッツ

プロフィール

小林 遼志
小林 遼志
喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。

OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位