OSJ ONTAKE100 《小林 遼志》

7/16~7/17に長野県木曽郡王滝村・上松町で開催されたOSJ ONTAKE100に参加しました。
今回レース中にたくさんの方に前回のブログを読んだとお声がけいただきました。
ありがとうございました。

カテゴリは100kmと100mileがあり、100kmの部を14時間以内に完走すると100mileの出場資格が得られます。
僕は2017年に朝長店長と一緒に100kmの部に参加し、10:48:59で男子総合19位でした(朝長店長も14時間切りで100mileの参加資格を無事GEThttps://trippers-wtrc.com/archives_3253
2018年は100mileを走るつもりでトレーニングしていましたが、平成30年7月豪雨で林道が崩落し中止。
2019年は100mileの部に参加し18:54:42で男子総合5位でした(https://trippers-wtrc.com/archives_runnersblog/10355
2020年、2021年もこのレースのために走り込んでいたのですが続けて中止になってしまい、今回満を持して3年ぶりのおんたけです。

 

・コース概要
【100km】
距離:約105km
累積標高:約2,600m
制限時間:20時間
スタート時間:7/17(日)0:00

【100mile】
距離:約163km
累積標高:約4,000m
制限時間:24時間
スタート時間:7/16(土)20:00

コースはいつも少しずつ違いますが今回はメインのエリアの林道の状況が良くないようで、上松町という今まで走ったことのない東側のエリアを走りました。
距離や累積標高は正確ではありませんが、参加者のログを見たところ大体こんな感じでした。

 

・目標&プラン
前回5位だったこと、今回はその時よりも走力も経験も上がっていると信じて目標は5位以内としました。
前回は後半かなり苦しかったので、前半は前回と同じぐらいのペースで進み、後半で前回より垂れずに走り切れば18時間ぐらいでゴールできると考えました。
18時間で走れればおそらく5位以内に入れるだろうし、後半になれば順位も分かるはずなのでタイムより順位を目標としました。

コースが全く違う点が不安でしたが、先月の会津磐梯山ウルトラマラソンでも利用したGarminのPacepro機能でとりあえず18時間のプランを作成しました。
今回は新たにGarminのForerunner955を購入したので手元でPaceproの進捗が見られるようになりました。
あまりタイムを意識しすぎるのは良くないと思いますが、このペースで走ればどれぐらいでゴールできるかの目安が分かるのでとても便利だと思います。

 

・レースレポ

(photo by 三浦さん)

前回はスタートから雨で夜が明けるまでずっとレインウェアを着て走ったが、今回も雨。
王滝村に向かう途中から既に土砂降りで、着いてからもたまに弱まるがやむ気配はなし。
これはひょっとして前回より雨が強いのでは…

【スタート→CP1】
待ちに待ったONTAKEがついにスタート!
抑えようと思ってもうれしくてスピードが上がってしまう。
最初のロードは6'00/kmの計画だったがログを見ると5'30/kmぐらいで走ってたみたい。
あ、スタート前にMAGMAを飲もうと思ってたのに忘れた…走りながら頑張って飲む。
林道に入って登りが始まると、計画通り歩きを入れながら落ち着いて進む。どんどん抜かれるがマイペースで。
手元のPaceproではロードで貯金ができて登りで貯金が減る感じ。登りの強度をもっと弱く設定した方が良かったみたい。学習。
それでもしばらくはほぼ計画通りで進めていた。

だんだん選手がばらけて来て気づいたら独りぼっち。
真っ暗な山の中をライトを頼りにせっせと進んでいるとY字の分岐の右側にカラーコーンがあり矢印が右の道を向いている箇所が出てきた。オッケー右ね!
登りだけどだらけずにせっせと登っていくと左下の方に他の選手のライトが見える。
あれ?あんなところ通るのか?ロストしてる?自分が?あっちの選手が?
不安な気持ちになりつつ手元の地図を確認するがパッと見ではルート上を進めてる。
半信半疑でもう少し進むとやがてgarminでコースアウトの通知が。
ん?縮尺が小さくて地図を見てもよく分からない。一旦止まって拡大をする。
あれ…どっちの道もほぼ並行してるけどこっちじゃないな…やってしまった。

急いで戻るとやっぱり矢印はこっちを向いている。なんだこりゃ??
すぐに後続の選手が来たのでこっちの道は間違いだと伝えると、Y字の左の道の方にテープが付いていることを教えてもらう。ホンマや…
ライトで矢印を照らした後にテープがついてるかまではライトで照らして確認できなかった。
時計を見ると3分半ほどのロス。
ここからエイドまでは少し熱くなって飛ばしてしまったような気がする。

AS 2:58:46(計画2:46)

計画より遅れてしまったが、次のエイドまで30km近くあるのでしっかり補給をして水分も満タンにして出発。
ここからは果てしなく長い登りが続く。手元のPaceproも遅延タイムがどんどん増えていく。このコースでは18時間の計画は失敗だったな…とはいえどんどん増えていく遅延タイムに焦ってしまいやや高い努力感で進み続ける。
果てしなく長い登りの後は果てしなく長い下り。
ロードに出てせっせと走ってやっと1周。ここをもう1周するのか…

CP1 6:15:05(計画5:51)/ 15位(区間15位)

【CP1→CP2】
1周で計画よりも遅いのに想定よりも疲れてしまっている。これはまずい…
っていうか今から100kmの部のコースを走るの?
考えると絶望的な気持ちになったので、先のことはもうできるだけ考えないようにして水だけ補給してとにかくすぐに出発(MAGMAを飲み忘れたことにゴール後に気づいた)
実際は15位だったが、この時は20~30位ぐらいだと思っていた。みんなきついはずだから2周目で頑張って順位を上げなければ。
ロードもあまりペースが上がらないが一生懸命進む。
林道の登りでは明らかに1周目よりペースが遅い。このまま騙し騙し最後まで行けるのか…
やがて明るくなってきてライトがいらなくなる。
ところどころこれぞおんたけ!という景色が見れて嬉しくなる。

2周目は1周目よりは林道が1箇所少ないので4kmぐらい短く、きついながらもなんとかエイドに到着。これでやっと半分ぐらいか…
エイドの直前で会津磐梯山ウルトラで5位だった岡本さんに追いついた。2周目で何人か抜かしたけどひょっとしてそこそこ上位にきているのかも?

AS 9:09:05(計画8:30)

だいぶ計画よりも遅れてしまっているが、この時点でもう脚がかなりやばい。
これは19時間も厳しそうだ…
ここからの果てしない登りは本当にきつかった。全部歩きたいのを堪えて、ゼーハー言いながらちょっと走ってちょっと歩いてをひたすら繰り返す。
やがて前回準優勝の三浦さんと松原さんに追いついた。ここでかなり上位にきてることを確信。1桁かも?
こんなに速い人達がこんなになってしまうなんて…
三浦さんは着いてこなかったが、松原さんとはここから2周目終わりまで色んな話をしたり励まし合いながら一緒に進んだ。めちゃくちゃ疲れて脚も全然思うように動かないけど、ライバルというよりもお互いゴールを目指す同士という感じだ。バチバチ競り合うのも楽しいけど、こういうのもまたレースの醍醐味。
この区間ひとりだったらもっと時間がかかってたと思う。松原さんに感謝。
ゲートに戻る直前で前を走る水越さんとスライド。あれ?思ったより差がついてない!なんとかして3周目で追いつきたい。

CP2 12:47:08(計画11:53)/ 8位(区間8位)

【CP2→CP3】
いつからか補給する気が起きなくてエネルギーが足りなくなっていた。
ドロップバッグに入れておいたコーヒーゼリーを一気に飲んで、脚も終わっているのでストックを取り出した。
松原さんは追いつくから先に行ってくれとのこと。
後続の選手もどんどん2周目を終えてきているので松原さんを信じてひとり3周目を出発(気持ち悪いのにまたMAGMAを忘れた)

(photo by ヒロさん)

もう全然ペースが上がらないがみんなきついだろうから諦めなければ前に追いつく可能性はまだあると信じて必死に進む。
ちょっと走ってちょっと歩く。

しばらくロードを登って林道を登っていると、なぜか前にいると思っていた水越さんに後ろから抜かされた。どうやら気づかない間に抜かしてたみたい。
みんなレインウェアを着てフードをかぶっているしゼッケンが見えないので100kmの選手なのか100mileの選手なのか分からない。
かなりしんどいけど、なんとなくここで見送ったらもう追い付けない気がしてとっさに追いかける。
水越さんの走りは力強く、登りも全部走ってる。ここでこんな力が残ってるのか…
自分はもう走り続けられないがなんとか走って歩いてを繰り返して必死についていく。
水越さんについて進んでいる間に2人ぐらい速い選手に抜かれたが、100mileか100kmか分からなかった(結果1人は6位の選手だった)
一旦ウォーターステーションで補給している間に水越さんに離されてしまうが、また必死に走ってなんとか追いつく。

どこまでついて行けただろうか…やがて登りが続くパートでとうとうついていけなくなってしまった。
でもまだ諦めてはいけない。これ以上順位を落とさないように頑張るんだ。

CP3 16:16:01(計画14:51) / 8位(区間9位)

【CP3→Finish】
頑張って水越さんについていったのでかなり消耗してしまい、ここのエイドで大休止。
ここで食べた素麺は今まで食べた素麺の中で一番おいしかった(今まで食べたスイカで一番おいしかったのは前回のONTAKEでここのエイドで食べたスイカ)
フルーツやコーラもいただいて、もっとゆっくりしたいけど後続も気になるので後ろ髪を引かれる思いで出発。足取りはめちゃくちゃ重い…
ここからの登りのロードと登りの林道は前回もきつかったが、今回もきつかった。途中から日が差して暑くなったし結構な登りだ。
ただしどんなにしんどくても歩き続けることだけはなんとしても避け、ちょっと走ってちょっと歩いてを繰り返す。
こんなにゆっくりなのに誰も追いついてこない。やっぱりみんなしんどいんだな。

林道をゆっくり進んでいるとすごく久しぶりに赤いゼッケンが見えた。
ひゃっほいさんこと赤松さんだ。
追いつくと思っていなかったのでびっくりした。脚を痛めてしまったようだ。声をかけて先に進ませてもらう。
順位はよく分からないけど多分6位とか7位とか8位とかそれぐらいだと思う。
総合入賞したかったけど、これだけ早くにボロボロになったのにこの順位でゴールできたら満足だ。
途中途中ペースの良い100kmの選手につかせてもらって、絶対に順位を落としてたまるかという強い気持ちで必死に進んだ。
長い林道の下りで追いつかれずになんとかロードに出て、後ろを見ても後続が来ていないので順位確定をほぼ確信。
3年間楽しみにしていたONTAKEが終わる。理想のレースはできなかったけどなんとか粘れてホッとした。

(photo by ヒロさん)

Finish 19:37:52(計画18:00) / 7位(区間9位)

(photo by 池田さん)

 

・まとめ
1.3年ぶりに大好きなONTAKEを走れて感無量でした
2.やっぱり肩に力入っちゃったかな?
3.来年は必ず総合入賞します

 

・装備
ザック:salomon / adv skin 5 set
頭:salomon / XA Compact Cap
シャツ:salomon sense tee
ウエストバッグ:salomon / sense pro belt
パンツ:uglow / SPEED AERO SHORT 5inch
アンダーウェア:MILLET / Drynamic Mesh NS Crew
MILLET / Drynamic Mesh Boxer
靴下:Innerfact / 5本指ショート
シューズ:salomon / sense ride 4
レインウェア:GORE WEAR / R7 GoreTex Shakedry Hooded Jacket
mont-bell / トレントフライヤーパンツ(使用せず)
ストック:black diamond / Zポール distance(2011年ぐらいのやつ)
ライト:LEDLENSER / MT10
時計:garmin / Forerunner 955
ゼッケンベルト:Trippers / くまちゃんオリジナルゼッケンベルト

 

・補給

ドリンク:Topspeed / Ultra Mineral Tablet
ジェル:MEDALIST、Mag-on、amino VITAL SUPER SPORTS、ANDO
固形:Power Bar / POWERGEL SHOTS
かし原 / 塩羊かん
エネ餅
その他:Trail Butter、MAGMA、練り梅

 


見事優勝した丹羽さんとOSJタッキーさんと
(photo by 長尾さん)

プロフィール

小林 遼志
小林 遼志
喫煙&運動不足の不健康な20代を過ごし、30歳を過ぎて走り始めました。
初トレイルランニングレースは2015年キタタン。
2017年におんたけウルトラトレイル100kを走ってOSJ沼にハマる(他のレースもたまに出ます)
足りないセンスは努力でカバーします。

OSJトレイルランニングレースシリーズ
2023年 4位
2022年 1位
2021年 2位
2020年 2位
2019年 4位